Qt GUI開発者向け：QFontMetrics::operator=() を使ってQFontMetricsオブジェクトを操作するテクニック

構文

QFontMetrics& QFontMetrics::operator=(const QFontMetrics& other);

説明

const QFontMetrics& other: 比較対象となる QFontMetrics オブジェクトへの参照。
QFontMetrics&: この演算子は、呼び出し側の QFontMetrics オブジェクトへの参照を返します。

機能

QFontMetrics::operator=() は、以下の条件を満たす場合に true を返し、等しくないと判断した場合に false を返します。

比較対象の QFontMetrics オブジェクトが同じ QFont と関連付けられていること。
比較対象の QFontMetrics オブジェクトが作成されたペイントデバイスが互換性があること。

QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fontMetrics1(font, painter1);
QFontMetrics fontMetrics2(font, painter2);

if (fontMetrics1 == fontMetrics2) {
  // フォントメトリクスは等しい
} else {
  // フォントメトリクスは異なる
}

QFontMetrics オブジェクトの比較には、QFontMetrics::operator==() 演算子も使用できます。
QFontMetrics オブジェクトの状態をコピーするには、QFontMetrics::clone() メソッドを使用します。
QFontMetrics::operator=() は、QFontMetrics オブジェクトの状態を直接コピーするのではなく、比較対象のオブジェクトの状態を参照します。

#include <QApplication>
#include <QPainter>
#include <QFontMetrics>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // フォントを作成
  QFont font("Arial", 12);

  // ペインターを作成
  QPainter painter1;
  painter1.begin(new QPixmap(100, 100));

  // QFontMetrics オブジェクトを作成
  QFontMetrics fontMetrics1(font, painter1);

  // ペインターを作成
  QPainter painter2;
  painter2.begin(new QPixmap(100, 100));

  // QFontMetrics オブジェクトを作成
  QFontMetrics fontMetrics2(font, painter2);

  // フォントメトリクスを比較
  if (fontMetrics1 == fontMetrics2) {
    qDebug() << "フォントメトリクスは等しい";
  } else {
    qDebug() << "フォントメトリクスは異なる";
  }

  // QFontMetrics オブジェクトを代入
  fontMetrics2 = fontMetrics1;

  // フォントメトリクスを比較
  if (fontMetrics1 == fontMetrics2) {
    qDebug() << "フォントメトリクスは等しい";
  } else {
    qDebug() << "フォントメトリクスは異なる";
  }

  return 0;
}

このコードは以下の処理を実行します。

Arial フォントとサイズ 12 を持つ QFont オブジェクトを作成します。
2 つの QPainter オブジェクトを作成します。
それぞれの QPainter オブジェクトを使用して、100 x 100 ピクセルの QPixmap を作成します。
それぞれの QPainter オブジェクトと QFont オブジェクトを使用して、2 つの QFontMetrics オブジェクトを作成します。
2 つの QFontMetrics オブジェクトを比較し、等しいかどうかを出力します。
2 番目の QFontMetrics オブジェクトに 1 番目の QFontMetrics オブジェクトを代入します。
代入後、2 つの QFontMetrics オブジェクトを再度比較し、結果を出力します。

このコード例は、QFontMetrics::operator=() の基本的な使用方法を示しています。実際の使い方としては、異なるペイントデバイス間でQFontMetricsオブジェクトを共有したい場合などに役立ちます。

QFontMetrics オブジェクトは、共有メモリ上で共有できます。これは、複数のスレッド間で QFontMetrics オブジェクトを共有したい場合に役立ちます。
このコード例では、QFontMetrics オブジェクトを QPixmap に関連付けられたペインターを使用して作成しています。QFontMetrics オブジェクトは、QPaintDevice オブジェクトに関連付けて作成することもできます。

代替方法

QFontMetrics::clone() メソッド

QFontMetrics::clone() メソッドは、QFontMetrics オブジェクトのコピーを作成します。この方法は、QFontMetrics オブジェクトの状態を直接コピーしたい場合に役立ちます。

QFont font("Arial", 12);
QPainter painter;
painter.begin(new QPixmap(100, 100));

QFontMetrics fontMetrics1(font, painter);
QFontMetrics fontMetrics2 = fontMetrics1.clone();

// フォントメトリクスは等しい
if (fontMetrics1 == fontMetrics2) {
  qDebug() << "フォントメトリクスは等しい";
} else {
  qDebug() << "フォントメトリクスは異なる";
}

QFontMetrics コンストラクタ

QFontMetrics コンストラクタを使用して、新しい QFontMetrics オブジェクトを作成することもできます。この方法は、QFontMetrics オブジェクトを異なる QFont または QPaintDevice に関連付けたい場合に役立ちます。

QFont font2("Times New Roman", 14);
QPainter painter2;
painter2.begin(new QPixmap(100, 100));

QFontMetrics fontMetrics3(font2, painter2);

// フォントメトリクスは異なる
if (fontMetrics1 == fontMetrics3) {
  qDebug() << "フォントメトリクスは等しい";
} else {
  qDebug() << "フォントメトリクスは異なる";
}

選択基準

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。

2 つの QFontMetrics オブジェクトが等しいかどうかを判断したい場合は、QFontMetrics::operator=() 演算子を使用します。
QFontMetrics オブジェクトを異なる QFont または QPaintDevice に関連付けたい場合は、QFontMetrics コンストラクタを使用します。
QFontMetrics オブジェクトの状態を直接コピーしたい場合は、QFontMetrics::clone() メソッドを使用します。

QFontMetrics オブジェクトは、安全に破棄する必要があります。QFontMetrics オブジェクトが不要になったら、delete メソッドを使用して破棄します。
QFontMetrics オブジェクトは、共有メモリ上で共有できます。これは、複数のスレッド間で QFontMetrics オブジェクトを共有したい場合に役立ちます。