Qt: クリップボードの画像を自由自在に操る QClipboard::image() の詳細解説とサンプルコード

QClipboard::image() は、Qt GUI で画像をクリップボードに操作するための関数です。この関数は、クリップボードに格納されている画像データを取得したり、画像データをクリップボードに設定したりすることができます。

機能

• 画像データの形式を取得する
• クリップボードに画像データが存在するかどうかを確認する
• 画像データをクリップボードに設定する
• クリップボードから画像データを取得する

使用方法

// クリップボードから画像データを取得する
QImage image = clipboard->image();

// 画像データをクリップボードに設定する
QImage image = ...; // 画像データを取得
clipboard->setImage(image);

// クリップボードに画像データが存在するかどうかを確認する
bool hasImage = clipboard->supportsImage();

// 画像データの形式を取得する
QStringList formats = clipboard->mimeData()->formats();

詳細

• mimeData() 関数は、クリップボードの内容を表す QMimeData オブジェクトを返します。このオブジェクトを使用して、画像データの形式を取得することができます。
• supportsImage() 関数は、クリップボードに画像データが存在するかどうかを返します。
• setImage() 関数は、QImage 型の引数 image を受け取ります。この引数は、クリップボードに設定する画像データです。
• image() 関数は、QClipboard::Mode 型の引数 mode を受け取ることができます。この引数は、クリップボードのどの部分から画像データを取得するかを指定します。デフォルト値は QClipboard::Clipboard であり、これはグローバルクリップボードを指します。QClipboard::Selection を指定すると、マウス選択領域から画像データを取得します。

例

次の例は、クリップボードから画像データを取得し、ファイルに保存する方法を示します。

QClipboard *clipboard = QGuiApplication::clipboard();

if (clipboard->supportsImage()) {
  QImage image = clipboard->image();
  image.save("image.png");
} else {
  qDebug() << "クリップボードに画像データがありません";
}

• QMimeData クラスは、Qt Core モジュールの QtCore ヘッダーファイルで定義されています。
• QImage クラスは、Qt Core モジュールの QtCore ヘッダーファイルで定義されています。
• QClipboard クラスは、Qt GUI モジュールの QtGui ヘッダーファイルで定義されています。

QClipboard::image() は、Qt GUI で画像をクリップボードに操作するための便利な関数です。この関数を使用して、画像データをクリップボード間で簡単に転送することができます。

• この説明は、Qt 6.7.2 を基にしています。他のバージョンでは、関数名や引数の数が異なる場合があります。

---

クリップボードから画像を取得して表示する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QClipboard>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label;

  // クリップボードから画像を取得
  QImage image = QApplication::clipboard()->image();

  // 画像が存在する場合、ラベルに表示
  if (!image.isNull()) {
    label.setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
  } else {
    label.setText("クリップボードに画像がありません");
  }

  // ラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}

画像をクリップボードに設定する

#include <QApplication>
#include <QImage>
#include <QClipboard>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画像を読み込む
  QImage image("image.png");

  // 画像をクリップボードに設定
  QApplication::clipboard()->setImage(image);

  return app.exec();
}

クリップボードに画像データが存在するかどうかを確認する

#include <QApplication>
#include <QClipboard>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // クリップボードに画像データが存在するかどうかを確認
  bool hasImage = QApplication::clipboard()->supportsImage();

  if (hasImage) {
    qDebug() << "クリップボードに画像データがあります";
  } else {
    qDebug() << "クリップボードに画像データがありません";
  }

  return app.exec();
}

画像データの形式を取得する

#include <QApplication>
#include <QClipboard>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // クリップボードから画像データを取得
  QImage image = QApplication::clipboard()->image();

  // 画像データが存在する場合、形式を取得
  if (!image.isNull()) {
    QStringList formats = image.mimeTypes();
    qDebug() << "画像データの形式:" << formats.join(", ");
  } else {
    qDebug() << "クリップボードに画像がありません";
  }

  return app.exec();
}

• コードの説明は、各コードの上部にコメントとして記載されています。
• コードを実行するには、Qt Frameworkがインストールされている必要があります。
• これらのコードは、Qt CreatorなどのIDEを使用してコンパイルして実行することができます。

---

QApplication::clipboard()->mimeData()->imageData()

QByteArray imageData = QApplication::clipboard()->mimeData()->imageData();

if (!imageData.isEmpty()) {
  QImage image = QImage::fromData(imageData);
  // ...
} else {
  qDebug() << "クリップボードに画像データがありません";
}

QDrag::startDrag()

この方法は、ドラッグアンドドロップ操作を使用してクリップボードから画像データを転送する場合に適しています。

QMimeData *mimeData = new QMimeData;
mimeData->setImageData(imageData);

QDrag *drag = new QDrag(widget);
drag->setMimeData(mimeData);
drag->exec(Qt::CopyAction | Qt::MoveAction);

プラットフォーム固有の API

Windows や macOS などの特定のプラットフォームでは、クリップボードにアクセスするためのプラットフォーム固有の API が提供されています。これらの API を使用すると、QClipboard::image() よりも効率的に画像データを操作できる場合があります。

例：Windows

#include <windows.h>

bool getImageFromClipboard(HBITMAP *hBitmap) {
  if (!OpenClipboard(NULL)) {
    return false;
  }

  HGLOBAL hGlobal = GetClipboardData(CF_DIB);
  if (!hGlobal) {
    CloseClipboard();
    return false;
  }

  LPVOID pData = GlobalLock(hGlobal);
  if (!pData) {
    GlobalUnlock(hGlobal);
    CloseClipboard();
    return false;
  }

  BITMAPINFO bmi;
  ZeroMemory(&bmi, sizeof(BITMAPINFO));
  bmi.bmiHeader.biSize = sizeof(BITMAPINFOHEADER);
  bmi.bmiHeader.biBitCount = 32;
  bmi.bmiHeader.biWidth = GetDIBWidth(hGlobal);
  bmi.bmiHeader.biHeight = -GetDIBHeight(hGlobal);
  bmi.bmiHeader.biPlanes = 1;

  *hBitmap = CreateDIBSection(NULL, &bmi, DIB_RGB_COLORS, NULL, pData, NULL);
  GlobalUnlock(hGlobal);
  CloseClipboard();

  if (!*hBitmap) {
    return false;
  }

  return true;
}

• プラットフォーム固有の API を使用する場合、そのプラットフォームでのみ動作することを確認する必要があります。
• 上記の代替方法は、それぞれ異なるユースケースに適しています。状況に応じて適切な方法を選択してください。