【必見】PyTorch Distributed RPCでリモートデータにアクセス・操作する方法:`torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value()`の使い方


使用方法

torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() メソッドは、以下の構文で使用されます。

local_value = rref.local_value()

ここで、

  • rref は、アクセスしたい RRef オブジェクトを表します。

機能

torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() メソッドは、以下の機能を提供します。

  • データ転送
    RRef オブジェクトが保持するデータを、現在のワーカーノードのメモリに転送することができます。
  • リモートデータへのアクセス
    このメソッドは、現在のワーカーノードが所有していないリモートデータにアクセスするための手段を提供します。

注意点

  • RRef オブジェクトが保持するデータは、現在のワーカーノードのメモリに転送される前に、コピーされます。大容量のデータにアクセスする場合は、この点に注意する必要があります。
  • torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() メソッドは、非同期操作です。つまり、メソッド呼び出しが完了しても、RRef オブジェクトが保持するデータがすぐに利用可能になるわけではありません。データの利用可能性を確認するには、wait() メソッドを使用する必要があります。

以下の例は、torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() メソッドを使用して、リモートデータにアクセスし、操作する方法を示しています。

import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.add, args=(torch.zeros(2, 2), 1))

# RRef オブジェクトが保持するデータにアクセスします。
local_value = rref.local_value()

# RRef オブジェクトが保持するデータに対して操作を実行します。
local_value = local_value.view(1, 4)

# RRef オブジェクトが保持するデータを現在のワーカーノードのメモリに転送します。
local_value = local_value.wait()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)


例 1: リモートデータへのアクセスと操作

この例では、リモートワーカーノードで作成されたテンソルにアクセスし、そのテンソルに対して平方根操作を実行します。

import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.sqrt, args=(torch.ones(2, 2)))

# RRef オブジェクトが保持するデータにアクセスします。
local_value = rref.local_value()

# RRef オブジェクトが保持するデータに対して操作を実行します。
local_value = local_value.pow(0.5)

# RRef オブジェクトが保持するデータを現在のワーカーノードのメモリに転送します。
local_value = local_value.wait()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)

例 2: リモートデータのリストへのアクセス

この例では、リモートワーカーノードで作成されたテンソルのリストにアクセスし、そのリストに対して要素ごとの加算を実行します。

import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.cat, args=([torch.ones(2, 2), torch.zeros(2, 2)]))

# RRef オブジェクトが保持するデータにアクセスします。
local_value = rref.local_value()

# RRef オブジェクトが保持するデータに対して操作を実行します。
local_value = local_value + local_value

# RRef オブジェクトが保持するデータを現在のワーカーノードのメモリに転送します。
local_value = local_value.wait()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)

例 3: カスタムデータ構造へのアクセス

この例では、リモートワーカーノードで作成されたカスタムデータ構造にアクセスし、そのデータ構造に対して属性操作を実行します。

import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# カスタムデータ構造を定義します。
class MyDataStruct(object):
    def __init__(self, tensor):
        self.tensor = tensor

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", MyDataStruct, args=(torch.ones(2, 2)))

# RRef オブジェクトが保持するデータにアクセスします。
local_value = rref.local_value()

# RRef オブジェクトが保持するデータに対して操作を実行します。
local_value.tensor = local_value.tensor + 1

# RRef オブジェクトが保持するデータを現在のワーカーノードのメモリに転送します。
local_value = local_value.wait()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value.tensor)
  • RRef オブジェクトが保持するデータは、現在のワーカーノードのメモリに転送される前に、コピーされます。大容量のデータにアクセスする場合は、この点に注意する必要があります。
  • torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() メソッドは、非同期操作であることに注意してください。データの利用可能性を確認するには、wait() メソッドを使用する必要があります。


torch.distributed.rpc.RRef.copy()

  • 欠点:
    • データのコピーが発生するため、torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() よりも時間がかかる場合があります。
    • RRef オブジェクトが保持するデータがテンソル以外のデータ構造である場合、使用できない場合があります。
  • 利点:
    • torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() と比較して、メモリ使用量が少ない場合があります。
    • RRef オブジェクトが保持するデータを別のワーカーノードにコピーする必要がある場合に便利です。


import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.add, args=(torch.zeros(2, 2), 1))

# RRef オブジェクトが保持するデータを別のワーカーノードにコピーします。
copied_rref = rref.copy()

# コピーされた RRef オブジェクトのローカル値を取得します。
local_value = copied_rref.local_value()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)

torch.distributed.rpc.RRef.fetch()

  • 欠点:
    • データの転送が発生するため、torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() よりも時間がかかる場合があります。
    • 大容量のデータにアクセスする場合は、メモリ使用量が多くなる可能性があります。
  • 利点:
    • RRef オブジェクトが保持するデータを同期的に取得することができます。
    • torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() と比較して、デバッグが容易な場合があります。


import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.add, args=(torch.zeros(2, 2), 1))

# RRef オブジェクトが保持するデータを同期的に取得します。
local_value = rref.fetch()

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)

torch.distributed.rpc.RRef.share()

  • 欠点:
    • RRef オブジェクトが保持するデータがテンソル以外のデータ構造である場合、使用できない場合があります。
  • 利点:
    • 複数のワーカーノード間で RRef オブジェクトを共有することができます。
    • データのコピーが発生しないため、torch.distributed.rpc.PyRRef.local_value() と比較して効率的です。


import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.add, args=(torch.zeros(2, 2), 1))

# RRef オブジェクトを別のワーカーノードと共有します。
other_worker = "worker2"
rpc.rpc_sync(other_worker, f, args=(rref,))

# 別のワーカーノードで RRef オブジェクトのローカル値を取得します。
local_value = rpc.rpc_sync(other_worker, f, args=(rref.local_value,))

# 転送されたデータを操作します。
print(local_value)

カスタムロジック

  • 欠点:
    • 複雑なロジックを実装する必要があるため、開発コストが高くなります。
    • PyTorch Distributed RPC フレームワークの内部動作を理解する必要があります。
  • 利点:
    • アプリケーションの要件に特化したロジックを実装することができます。
    • データ転送やメモリ使用量を最適化することができます。
import torch
import torch.distributed.rpc as rpc

# RRef オブジェクトを作成します。
rref = rpc.remote("worker1", torch.add, args=(torch.zeros(2, 2), 1))

# カスタムロジックを使用して、RRef オブジェクトが保持するデータを取得します。
def my_get_local_value(rref):
    # RRef オブジェクトが保持するデータを別のワーカーノードから取得します。