メモリ使用量と計算速度を劇的に向上! PyTorch の `torch.QUInt8Storage` で実現する高速化テクニック
torch.QUInt8Storage
は、以下の要素で構成されます。
- デバイス
データが格納されているデバイス (CPU または GPU) - ストライド
データ要素間のバイト数 - データ
8ビット符号なし整数データの配列
torch.QUInt8Storage
オブジェクトは、以下の方法で作成できます。
torch.ByteStorage.new_quInt8Storage(size)
:torch.ByteStorage
オブジェクトからtorch.QUInt8Storage
オブジェクトを作成します。torch.from_buffer(buffer, dtype=torch.quint8, device=None)
: 指定されたバッファからtorch.QUInt8Storage
オブジェクトを作成します。torch.full(size, fill_value, dtype=torch.quint8, device=None)
: 指定されたサイズとデバイスを持つtorch.QUInt8Storage
オブジェクトを作成し、すべての要素をfill_value
で初期化します。torch.empty(size, dtype=torch.quint8, device=None)
: 指定されたサイズとデバイスを持つ空のtorch.QUInt8Storage
オブジェクトを作成します。
torch.QUInt8Storage
の操作
torch.QUInt8Storage
オブジェクトは、以下の操作を実行できます。
- テンサーへの変換
torch.as_tensor(storage)
を使用してtorch.QUInt8Storage
オブジェクトをtorch.Tensor
オブジェクトに変換できます。 - 形状の変更
storage.resize_(new_size)
を使用してストレージの形状を変更できます。 - データの変更
storage[index] = value
を使用してデータ要素を変更したり、storage[:] = value
を使用してスライス全体を設定したりできます。 - データへのアクセス
storage[index]
を使用してデータ要素にアクセスしたり、storage[:]
を使用してスライス全体を取得したりできます。
torch.QUInt8Storage
を使用すると、以下の利点が得られます。
- 計算速度
8ビット整数演算は、32ビット浮動小数点演算よりも高速であるため、計算速度を向上させることができます。 - メモリ効率
8ビット符号なし整数データを使用することにより、32ビット浮動小数点データよりもメモリ使用量を大幅に削減できます。
torch.QUInt8Storage
は、以下のタスクで使用できます。
- 組み込みシステム
メモリと電力に制約のあるデバイスでの計算 - 機械学習
モデルのパラメータとデータの格納 - 画像処理
画像データの格納と処理
torch.QUInt8Storage の作成
import torch
# 空のストレージを作成
storage = torch.empty(size=(10, 20), dtype=torch.quint8, device='cpu')
# 特定の値で初期化されたストレージを作成
storage = torch.full(size=(10, 20), fill_value=255, dtype=torch.quint8, device='cpu')
# バッファからストレージを作成
buffer = torch.ByteStorage.from_file('my_data.bin')
storage = torch.ByteStorage.new_quInt8Storage(storage)
torch.QUInt8Storage の操作
# データ要素へのアクセス
storage[0, 0] = 100
# データスライスの取得
data_slice = storage[0:5, :]
# データの変更
storage[0:5, :] = 255
# ストレージの形状変更
storage.resize_(20, 10)
torch.QUInt8Storage と torch.Tensor の変換
# ストレージをテンサーに変換
tensor = torch.as_tensor(storage)
# テンサーからストレージを作成
tensor = torch.randint(0, 256, size=(10, 20), dtype=torch.quint8)
storage = tensor.storage()
# 画像処理
# 画像データを読み込み、`torch.QUInt8Storage` に格納
image = torch.image.read_image('my_image.png')
storage = image.storage()
# 画像処理を実行
# ...
# 画像データを保存
torch.image.save_image(storage, 'processed_image.png')
# 機械学習
# モデルのパラメータを `torch.QUInt8Storage` に格納
model = torch.load('my_model.pth')
for param in model.parameters():
storage = param.storage()
# データを `torch.QUInt8Storage` に格納
data = torch.from_numpy(my_data)
storage = data.storage()
# モデルを実行
# ...
- PyTorch の最新バージョンでは、API が変更されている可能性があることに注意してください。
- 上記のコードは、あくまでも例であり、具体的なタスクに合わせて変更する必要があります。
代替方法の選択
torch.QUInt8Storage
の代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- 開発者の利便性
torch.QUInt8Storage
は、他のデータ形式よりも複雑な場合があります。開発者の利便性を考慮する必要があります。 - データ形式の互換性
torch.QUInt8Storage
は、すべての PyTorch 操作と互換性があるわけではありません。他のデータ形式の方が、より多くの操作で使用できる場合があります。 - 計算速度
torch.QUInt8Storage
は、8ビット整数演算をサポートするため、32ビット浮動小数点演算よりも高速です。しかし、他のハードウェアアクセラレーションを利用できる場合、torch.QUInt8Storage
が必ずしも最速の選択肢とは限りません。 - メモリ使用量
torch.QUInt8Storage
は、32ビット浮動小数点データよりもメモリ使用量を削減できますが、他のデータ形式よりもメモリを多く消費する可能性があります。
torch.QUInt8Storage
の代替方法として、以下の選択肢があります。
- torch.cuda.FloatStorage
GPU 上の 32ビット浮動小数点データ (FLOAT) を格納するために使用されます。torch.QUInt8Storage
よりもメモリ使用量と計算速度が遅くなりますが、より多くの操作で使用できます。 - torch.cuda.ByteStorage
GPU 上の 8ビット符号なし整数データ (BYTE) を格納するために使用されます。torch.QUInt8Storage
と同等のメモリ効率と計算速度を提供しますが、GPU 上でのみ使用できます。 - torch.FloatStorage
32ビット浮動小数点データ (FLOAT) を格納するために使用されます。torch.QUInt8Storage
よりもメモリ使用量と計算速度が遅くなりますが、より多くの操作で使用できます。 - torch.ByteStorage
8ビット符号なし整数データ (BYTE) を格納するために使用されます。torch.QUInt8Storage
よりもメモリ使用量が少ないですが、計算速度は遅くなります。
- 量化
32ビット浮動小数点データを 8ビット整数データに変換する量化技術を使用して、計算速度を向上させることができます。 - データ圧縮
データ圧縮技術を使用して、メモリ使用量をさらに削減できます。 - ハードウェアアクセラレーション
GPU などのハードウェアアクセラレーションを利用できる場合は、torch.QUInt8Storage
以外にも高速な選択肢がある場合があります。