ROW_NUMBER句で順位付けも可能! PostgreSQLのEXCEPT句で複雑な分析を可能に


PostgreSQLのEXCEPT句は、セット演算と呼ばれる機能の一つで、2つのクエリの結果を比較し、最初のクエリでのみ出現する行を抽出するものです。つまり、最初のクエリで示された結果から、2番目のクエリで一致する行をすべて取り除いたものです。

構文

EXCEPT句の基本的な構文は以下の通りです。

SELECT *
FROM query1
EXCEPT
SELECT *
FROM query2;

ここで、query1query2は、任意のSELECTクエリであることが可能です。

以下の例では、customersテーブルとordersテーブルを使用して、注文を出していない顧客のリストを取得する方法を示します。

SELECT name
FROM customers
EXCEPT
SELECT customer_name
FROM orders;

このクエリは、customersテーブル内のすべての顧客の名前を返し、ordersテーブル内のcustomer_name列と一致する名前は除外します。

EXCEPT句の注意点

  • EXCEPT句は、行順序を保証しません。
  • EXCEPT句は、重複行を自動的に削除します。
  • 比較する両方のクエリは、同じ数の列を持ち、対応する列のデータ型が互換性がある必要があります。

EXCEPT句の応用例

  • 重複レコードを削除する
  • 2つのデータセットの差を計算する
  • 特定の条件に一致しないレコードを抽出する

代替方法

EXCEPT句と同じ結果を達成するには、NOT EXISTS句やLEFT JOIN句を使用することもできます。



SELECT name
FROM customers
EXCEPT
SELECT customer_name
FROM orders;

例2:在庫切れの製品を特定する

この例では、productsテーブルとinventoryテーブルを使用して、在庫切れの製品を特定します。

SELECT product_name
FROM products
EXCEPT
SELECT product_name
FROM inventory
WHERE quantity_in_stock <= 0;

例3:異なるカテゴリに属する製品を比較する

この例では、productsテーブルを使用して、カテゴリAに属する製品とカテゴリBに属する製品の差集合を抽出します。

SELECT product_name
FROM products
WHERE category = 'A'
EXCEPT
SELECT product_name
FROM products
WHERE category = 'B';

例4:重複する顧客レコードを削除する

この例では、customersテーブルから重複する顧客レコードを削除します。

SELECT DISTINCT *
FROM customers
EXCEPT
SELECT *
FROM customers
ORDER BY customer_id OFFSET 1 ROWS;

例5:複雑なEXCEPTクエリ

この例では、複数のクエリを組み合わせた複雑なEXCEPTクエリを示します。

SELECT *
FROM customers
WHERE active = TRUE
EXCEPT
(
    SELECT *
    FROM orders
    WHERE order_status = 'cancelled'
)
EXCEPT
(
    SELECT *
    FROM customers
    WHERE last_login < '2024-01-01'
);

これらの例は、EXCEPT句のさまざまな使用方法を示すほんの一例です。

  • より複雑なクエリを作成するには、複数のEXCEPT句をネストすることができます。
  • 必要に応じて、WHERE句やORDER BY句などの他のクエリ句を組み込むことができます。
  • 各例では、適切なテーブル名と列名に置き換える必要があります。


代替方法の選択

最適な代替方法は、具体的な要件とデータセットによって異なります。以下に、いくつかの一般的な代替方法とその利点と欠点について説明します。

NOT EXISTS句

NOT EXISTS句は、サブクエリを使用して、外側のクエリの各行が内側のサブクエリで一致する行が存在しないかどうかを判断します。 EXCEPT句と同様の結果を得ることができますが、構文がより簡潔で読みやすくなる場合があります。

利点

  • EXCEPT句よりも高速に実行される場合がある
  • 構文が簡潔で読みやすい

欠点

  • NOT EXISTS句は、NULL値の処理が複雑になる可能性がある
  • IN句よりも冗長になる場合がある

以下の例は、NOT EXISTS句を使用して、注文を出していない顧客のリストを取得する方法を示します。

SELECT name
FROM customers
WHERE NOT EXISTS (
    SELECT *
    FROM orders
    WHERE customer_name = customers.name
);

LEFT JOIN句

LEFT JOIN句は、2つのテーブルを結合し、左側のテーブルのすべての行を返し、右側のテーブルに一致する行があれば追加情報を表示します。 EXCEPT句と同様の結果を得るために、WHERE句を使用して一致する行をフィルター処理することができます。

利点

  • LEFT JOIN句は、関連データを表示するのに役立つ
  • 柔軟性が高く、複雑なクエリを作成できる

欠点

  • LEFT JOIN句は、パフォーマンスが低下する可能性がある
  • EXCEPT句よりも冗長になる場合がある

以下の例は、LEFT JOIN句を使用して、注文を出していない顧客のリストを取得する方法を示します。

SELECT c.name
FROM customers AS c
LEFT JOIN orders AS o ON c.name = o.customer_name
WHERE o.customer_name IS NULL;

DISTINCT句

DISTINCT句は、クエリ結果から重複する行を削除します。 EXCEPT句とは異なり、列の値に基づいて重複を判断します。

利点

  • DISTINCT句は、高速に実行される
  • 構文がシンプルでわかりやすい

欠点

  • DISTINCT句は、部分一致による重複を検出できない
  • EXCEPT句よりも機能が限定されている

以下の例は、DISTINCT句を使用して、customersテーブル内のすべての顧客の名前を1回だけ表示する方法を示します。

SELECT DISTINCT name
FROM customers;

ROW_NUMBER句

ROW_NUMBER句は、各行に順位を割り当てます。 EXCEPT句と同様の結果を得るために、WHERE句を使用して、最初のクエリでのみ出現する行を抽出することができます。

利点

  • ROW_NUMBER句は、分析に役立つ中間結果を表示するのに役立つ
  • 複雑なクエリを作成するのに役立つ

欠点

  • ROW_NUMBER句は、パフォーマンスが低下する可能性がある
  • 構文が複雑でわかりにくい

以下の例は、ROW_NUMBER句を使用して、注文を出していない顧客のリストを取得する方法を示します。

SELECT c.name
FROM (
    SELECT c.name,
           ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY c.name) AS row_num
    FROM customers AS c
) AS subquery
WHERE subquery.row_num NOT IN (
    SELECT ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY o.customer_name)
    FROM orders AS o
);