Octave surfl で立体的なグラフを作成する:光源と陰影の調整方法
2025-04-26
「surfl」関数の主な機能
- 色の調整
光源の色や反射の特性を調整することで、表面の見た目を細かく制御できます。 - 立体感の強調
陰影によって、表面の凹凸や形状がより明確になり、立体感が強調されます。 - 陰影の生成
光源からの光の反射を計算し、表面に陰影を付けます。 - 光源の追加
表面に光源を当て、光の当たる部分と影になる部分を計算します。
「surfl」関数の基本的な使い方
「surfl」関数は、通常、表面の座標データ(X, Y, Z)と、光源の位置や色に関するパラメータを引数として受け取ります。
surfl(X, Y, Z);
または、光源の位置を指定する場合:
surfl(X, Y, Z, s);
ここで、s
は光源の位置ベクトルです。
主なパラメータ
- 'shading'`
陰影の種類を指定するオプション。 - 'colormap'`
カラーマップを指定するオプション。 - 'cdata'`
カラーデータを指定するオプション。 - 'light'`
光源のオブジェクトハンドルを返すオプション。 - s
光源の位置ベクトル。これは、[azimuth, elevation]
という形式、または[x, y, z]
という形式で指定できます。azimuth
は水平方向の角度、elevation
は垂直方向の角度を表します。[x, y, z]
は、3次元空間における光源の座標を表します。
- X, Y, Z
表面の座標データを表す行列。
例
[X, Y] = meshgrid(-3:0.125:3);
Z = peaks(X, Y);
surfl(X, Y, Z);
shading interp;
colormap gray;
この例では、「peaks」関数で生成された表面に「surfl」関数を適用し、陰影を付けています。「shading interp」は滑らかな陰影を、「colormap gray」はグレースケールカラーマップを指定しています。
引数の次元に関するエラー
- エラー
error: surfl: invalid light source vector
- 原因
光源の位置ベクトルs
の形式が正しくありません。 - 解決策
s
を[azimuth, elevation]
または[x, y, z]
の形式で指定します。
- 原因
- エラー
error: surfl: X, Y, and Z must be matrices of the same size
- 原因
X
,Y
,Z
の行列のサイズが一致していません。 - 解決策
meshgrid
関数などを使用して、X
,Y
,Z
の行列のサイズを一致させます。
- 原因
表面が表示されない、または期待通りに表示されない
- 問題
表面が歪んで表示される。- 原因
X
,Y
,Z
のデータに NaN (Not a Number) や Inf (Infinity) が含まれている可能性があります。 - 解決策
データをチェックし、NaN や Inf を適切な値で置換するか、それらの値を含むデータを削除します。
- 原因
- 問題
光源の効果が弱い、または強すぎる。- 原因
光源の位置や色が適切でない可能性があります。 - 解決策
光源の位置ベクトルs
を調整し、必要に応じてlight
オブジェクトのプロパティを調整します。
- 原因
- 問題
表面が真っ黒、または単色で表示される。- 原因
カラーマップや陰影の設定が適切でない可能性があります。 - 解決策
colormap
関数を使用して適切なカラーマップを選択し、shading
関数を使用して陰影の種類を調整します。例えば、shading interp
は滑らかな陰影を生成します。
- 原因
光源に関するエラー
- 問題
光源の色を変更したい。- 解決策
light
オブジェクトのColor
プロパティを調整します。light
オブジェクトのハンドルは、surfl
関数を'light'
オプションと共に使用すると得られます。
- 解決策
- 問題
光源の位置が期待通りに反映されない。- 原因
光源の位置ベクトルの解釈を誤っている可能性があります。 - 解決策
[azimuth, elevation]
と[x, y, z]
の形式の違いを理解し、適切な形式を使用します。
- 原因
- データの確認
X
,Y
,Z
の行列のサイズと内容をチェックし、NaN や Inf が含まれていないか確認します。 - カラーマップと陰影の調整
colormap
とshading
を調整して、表面の見た目を改善します。 - 光源の調整
光源の位置ベクトルs
を調整し、必要に応じてlight
オブジェクトのプロパティを調整します。 - 簡単な例から始める
簡単な例から始めて、徐々に複雑なプロットを作成し、問題の原因を特定します。 - ドキュメントの参照
Octave の公式ドキュメントを参照して、関数の使い方やパラメータの詳細を確認します。
例1: 基本的な表面プロットと光源の追加
% メッシュグリッドの作成
[X, Y] = meshgrid(-3:0.125:3);
% Z座標の計算 (peaks関数を使用)
Z = peaks(X, Y);
% surfl関数を使用して表面プロットと光源を追加
surfl(X, Y, Z);
% 陰影を滑らかにする
shading interp;
% カラーマップをグレースケールにする
colormap gray;
% 軸ラベルの追加
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
% タイトルの追加
title('surfl関数の例');
説明
meshgrid
関数を使用して、X座標とY座標のメッシュグリッドを作成します。peaks
関数を使用して、Z座標を計算します。これは、山と谷の形状を持つ3次元の表面を生成します。surfl(X, Y, Z)
を使用して、表面プロットを作成し、デフォルトの光源を追加します。shading interp
を使用して、表面の陰影を滑らかにします。colormap gray
を使用して、グレースケールカラーマップを適用します。xlabel
,ylabel
,zlabel
を使用して、軸ラベルを追加します。title
を使用して、グラフのタイトルを追加します。
例2: 光源の位置と色の調整
% メッシュグリッドの作成
[X, Y] = meshgrid(-3:0.125:3);
% Z座標の計算
Z = peaks(X, Y);
% 光源の位置ベクトルを指定 (方位角45度、仰角60度)
s = [45, 60];
% surfl関数を使用して表面プロットと光源を追加
surfl(X, Y, Z, s);
% 陰影を滑らかにする
shading interp;
% カラーマップをホットにする
colormap hot;
% 光源オブジェクトのハンドルを取得
h = surfl(X,Y,Z, s, 'light');
% 光源の色を赤に変更
set(h, 'AmbientStrength', 0.5, 'DiffuseStrength', 0.8, 'SpecularStrength', 0.9, 'SpecularExponent', 25, 'Color', 'red');
% 軸ラベルの追加
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
% タイトルの追加
title('光源の位置と色の調整例');
説明
- 光源の位置ベクトル
s
を[45, 60]
として指定します。これは、方位角45度、仰角60度の位置に光源を配置します。 colormap hot
を使用して、ホットカラーマップを適用します。surfl
関数を'light'
オプションとともに使用することで、光源オブジェクトのハンドルh
を取得します。set
関数を使用して、光源オブジェクトのプロパティを調整します。ここでは、環境光の強度、拡散光の強度、鏡面反射光の強度、鏡面反射指数、および光源の色を変更しています。
例3: 3次元座標による光源の指定
[X, Y] = meshgrid(-3:0.125:3);
Z = peaks(X, Y);
% 光源の位置を3次元座標で指定
light_pos = [10, 10, 10];
surfl(X, Y, Z, light_pos);
shading interp;
colormap copper;
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元座標による光源指定');
- 光源の位置を3次元座標
[10, 10, 10]
で指定します。これにより、3次元空間の特定の点から表面を照らすことができます。 colormap copper
を使用して、銅色のカラーマップを適用します。
surf 関数と light オブジェクトの組み合わせ
「surfl」関数は内部的に surf
関数と light
オブジェクトを組み合わせています。これらの関数を個別に使うことで、より細かい制御が可能です。
[X, Y] = meshgrid(-3:0.125:3);
Z = peaks(X, Y);
% surf関数を使用して表面プロットを作成
surf(X, Y, Z);
% lightオブジェクトを作成し、光源の位置と色を設定
light('Position', [10, 10, 10], 'Style', 'local', 'Color', 'red');
% 陰影を滑らかにする
shading interp;
% カラーマップを設定
colormap copper;
% 軸ラベルとタイトルを追加
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('surf関数とlightオブジェクトの組み合わせ');
説明
surf(X, Y, Z)
を使用して、基本的な表面プロットを作成します。light('Position', [10, 10, 10], 'Style', 'local', 'Color', 'red')
を使用して、光源オブジェクトを作成し、位置、スタイル、色を設定します。'Style', 'local'
は光源が特定の点から放射されることを示します。shading interp
とcolormap copper
を使用して、陰影とカラーマップを調整します。
利点
- 複数の光源を追加できます。
- 光源のプロパティ(位置、色、スタイルなど)を細かく制御できます。
patch 関数と法線ベクトルの計算
「patch」関数を使用すると、任意の形状のポリゴンを作成できます。法線ベクトルを計算し、光源との関係から各ポリゴンの色を計算することで、陰影効果を再現できます。
[X, Y] = meshgrid(-3:0.25:3);
Z = peaks(X, Y);
% patch関数で表示できるようにX,Y,Zを変換する
patch(surf2patch(X, Y, Z, 'triangles'));
% 法線ベクトルを計算
normals = surfnorm(X, Y, Z);
% 光源の位置を設定
light_pos = [10, 10, 10];
% 各頂点の輝度を計算
light_dir = light_pos - [X(:), Y(:), Z(:)];
light_dir = light_dir ./ sqrt(sum(light_dir.^2, 2));
brightness = max(0, sum(normals .* light_dir, 2));
% patchの色を輝度に基づいて設定
colormap gray;
caxis([min(brightness), max(brightness)]);
set(gca, 'CLim', [min(brightness), max(brightness)]);
set(findobj(gca, 'type', 'patch'), 'FaceVertexCData', brightness, 'FaceColor', 'interp');
% 軸ラベルとタイトルを追加
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('patch関数と法線ベクトル');
説明
surf2patch
関数で、表面データをpatch
関数で使える形式に変換します。surfnorm
関数で、各頂点の法線ベクトルを計算します。- 光源の位置から各頂点へのベクトルを計算し、正規化します。
- 法線ベクトルと光源方向ベクトルの内積を計算し、各頂点の輝度を求めます。
patch
関数のFaceVertexCData
プロパティに輝度を設定し、色を調整します。
利点
- 特定の光源モデル(例:フォンシェーディング)を実装できます。
- より複雑な陰影効果を実装できます。
OpenGL を直接利用
Octave は OpenGL を直接利用するための関数を提供しています。これにより、より高度な3次元グラフィックス処理が可能になります。
利点
- ハードウェアアクセラレーションを利用できます。
- 高度なレンダリング技術(例:テクスチャマッピング、シェーダー)を実装できます。
注意
OpenGL を直接利用するには、高度なグラフィックスプログラミングの知識が必要です。