Octaveで3次元データを表現する!scatter3関数とその他の関数
2024-08-01
scatter3関数とは?
Octaveのscatter3
関数は、3次元空間上にデータを点としてプロットする関数です。いわば、3次元の散布図を描くための強力なツールと言えるでしょう。
主な用途
- シミュレーション結果の可視化
シミュレーションの結果を3次元空間上にプロットし、現象を理解を深める。 - モデルの評価
機械学習モデルの予測結果と実際のデータとの比較を視覚的に行う。 - データの可視化
3次元データの分布を視覚的に捉え、データ間の関係性を分析する。
scatter3関数の基本的な使い方
scatter3(X,Y,Z)
- X, Y, Zの要素数が同じである必要があります。
- X, Y, Z
それぞれx座標、y座標、z座標のベクトルまたは行列。
例
% ランダムなデータを生成
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
% 3次元散布図を描画
scatter3(x, y, z);
このコードを実行すると、100個のランダムな点が3次元空間にプロットされます。
scatter3関数のオプション
scatter3
関数には、プロットのカスタマイズを可能にする様々なオプションがあります。
- 透明度
MarkerFaceAlpha
オプションでマーカーの透明度を調整できます。 - マーカーのサイズ
MarkerSize
オプションでマーカーの大きさを変更できます。 - マーカーの色
'r'
,'g'
,'b'
など、色を指定できます。 - マーカーの種類
'o'
,'+'
,'*'
,'.'
など、様々なマーカー形状を指定できます。
例
scatter3(x, y, z, 'o', 'filled', 'MarkerSize', 8, 'MarkerFaceColor', 'r');
このコードでは、赤い丸で塗りつぶされたマーカーでプロットし、マーカーの大きさを8に設定しています。
- 視点の変更
view
コマンドで視点を変えてプロットを様々な角度から見ることができます。 - グリッド表示
grid on
コマンドでグリッドを表示できます。 - ラベルとタイトル
xlabel
,ylabel
,zlabel
,title
コマンドで軸ラベルやタイトルを設定できます。 - 複数のデータセットの同時プロット
hold on
コマンドを使って、複数のデータセットを同じ図上にプロットできます。
scatter3
関数は、3次元データを視覚的に表現する上で非常に強力なツールです。様々なオプションを組み合わせることで、複雑なデータも分かりやすく表現することができます。
より詳しい情報を得るには
例えば、
- プロットをカスタマイズしたい
- 特定のデータセットをプロットしたい
scatter3関数を使用する際に、様々なエラーやトラブルに遭遇することがあります。ここでは、一般的なエラーとその解決策について解説します。
よくあるエラーと解決策
次元数の不一致
- 解決策
- 各変数のサイズを確認し、要素数が一致するように修正します。
size(X)
,size(Y)
,size(Z)
などの関数を使ってサイズを確認できます。
- 原因
X, Y, Zのいずれかの変数の要素数が一致していません。 - エラーメッセージ
Dimensions of matrices must agree.
変数の型が不正
- 解決策
- 変数を実数型に変換します。
real(X)
関数を使って実数部分を取り出すことができます。
- 原因
X, Y, Zのいずれかの変数が複素数型になっています。 - エラーメッセージ
A(I) = X: X must not be complex.
オプションの誤り
- 解決策
- オプションの名前を正しく入力します。
help scatter3
コマンドで利用可能なオプションの一覧を確認します。
- 原因
オプションの名前が間違っているか、存在しないオプションを指定しています。 - エラーメッセージ
Undefined function or variable 'オプション名'.
プロットが表示されない
- 解決策
- figureウィンドウを開き直す
hold on
コマンドを使って複数のプロットを重ねるfigure('Position', [x y width height])
でfigureのサイズを変更する
- 原因
- figureウィンドウが閉じられている
- hold onが設定されていない(複数のプロットを重ねて表示する場合)
- figureのサイズが小さすぎる
- プロットが思ったように表示されない
- 視点を変えてみる(
view
関数) - 軸の範囲を変更してみる(
xlim
,ylim
,zlim
関数) - マーカーの種類やサイズを変更してみる
- 視点を変えてみる(
% データセット1
x1 = rand(100,1);
y1 = rand(100,1);
z1 = rand(100,1);
% データセット2
x2 = rand(50,1)+2;
y2 = rand(50,1)+2;
z2 = rand(50,1)+2;
% プロット
figure;
hold on;
scatter3(x1, y1, z1, 'o', 'r');
scatter3(x2, y2, z2, '+', 'b');
xlabel('X');
ylabel('Y');
zlabel('Z');
legend('データセット1', 'データセット2');
hold off;
- プロットをどのようにカスタマイズしたいですか?
- どのようなデータをプロットしたいですか?
基本的なプロット
% ランダムなデータを生成
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
% 3次元散布図を描画
scatter3(x, y, z);
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('基本的な3次元散布図');
このコードでは、100個のランダムな点を3次元空間にプロットしています。
複数のデータセットをプロット
% データセット1
x1 = rand(100,1);
y1 = rand(100,1);
z1 = rand(100,1);
% データセット2
x2 = rand(50,1)+2;
y2 = rand(50,1)+2;
z2 = rand(50,1)+2;
% プロット
figure;
hold on;
scatter3(x1, y1, z1, 'o', 'r', 'MarkerSize', 8);
scatter3(x2, y2, z2, '+', 'b', 'MarkerSize', 12);
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
legend('データセット1', 'データセット2');
hold off;
このコードでは、2つの異なるデータセットを異なるマーカーでプロットしています。
色をデータに対応させる
% データ
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
c = rand(100,1); % 色に対応するデータ
% プロット
scatter3(x, y, z, 30, c);
colorbar;
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('色をデータに対応させたプロット');
このコードでは、c
の値に応じてマーカーの色を変化させています。
透明度を調整する
% データ
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
% プロット
scatter3(x, y, z, 'o', 'filled', 'MarkerSize', 8, 'MarkerFaceAlpha', 0.5);
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('透明度を調整したプロット');
このコードでは、マーカーの透明度を0.5に設定しています。
視点を変える
% データ
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
% プロット
scatter3(x, y, z);
view(30, 30); % 視点を変える
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('視点を変えたプロット');
このコードでは、view
関数を使って視点を変えています。
% データ
[X,Y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
Z = X.^2 + Y.^2;
% プロット
figure;
surf(X,Y,Z);
hold on;
scatter3(1,1,2, 'ro', 'filled');
hold off;
xlabel('X');
ylabel('Y');
zlabel('Z');
このコードでは、サーフェスプロットと散布図を組み合わせています。
- 3D曲面
surf
,mesh
関数を使って、3D曲面を描画できます。 - アノテーション
text
,annotation
関数を使って、図にテキストや注釈を追加できます。 - サブプロット
subplot
関数を使って、複数のプロットを一つのfigure内に配置できます。
scatter3関数は、3次元データを点としてプロットする上で非常に便利な関数ですが、データの特性や可視化の目的に応じて、より適した関数を選ぶことも可能です。
surf関数・mesh関数:
- scatter3との違い
点ではなく、面で表現するため、データの全体的な形状や分布を把握しやすい。 - 特徴
等高線のように滑らかな曲面を描画できる。 - 用途
連続的な3次元データの表面を表現する
[X,Y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
Z = X.^2 + Y.^2;
surf(X,Y,Z);
plot3関数:
- scatter3との違い
点ではなく、線で表現するため、データ間の関係性を強調したい場合に有効。 - 特徴
複数の点を線で結ぶことで、データの経路や変化を追跡できる。 - 用途
3次元空間上の線を描画する
x = 0:0.1:10;
y = sin(x);
z = cos(x);
plot3(x,y,z);
stem3関数:
- scatter3との違い
データの大きさを視覚的に比較しやすい。 - 特徴
各データ点から垂直な線を引き、その上にマーカーを置く。 - 用途
離散的なデータの値を棒グラフのように表示する
x = 1:10;
y = rand(1,10);
z = rand(1,10);
stem3(x,y,z);
scatter関数:
- scatter3との違い
3次元ではなく、2次元の情報に焦点を当てる。 - 特徴
3次元データのうち、2つの変数に着目してプロットする。 - 用途
2次元散布図を描画する
x = rand(100,1);
y = rand(100,1);
z = rand(100,1);
scatter(x,y);
他の可視化ツール:
- Mayavi
Python用の3次元可視化ライブラリです。 - Paraview
大規模な3次元データの可視化に特化したソフトウェアです。 - MATLAB
MATLABには、scatter3以外にも様々な3次元プロット関数が用意されています。