Octave plot3で3Dデータ分析!効果的な可視化テクニック
基本的な使い方
plot3(x, y, z)
ここで、x
、y
、z
は、それぞれx座標、y座標、z座標のベクトルです。これらのベクトルは同じ長さである必要があります。各要素は、3次元空間における点の座標を表します。
例えば、次のコードは、3次元空間に一連の点をプロットします。
x = [1, 2, 3, 4];
y = [2, 4, 1, 3];
z = [3, 1, 4, 2];
plot3(x, y, z);
このコードを実行すると、(1, 2, 3)、(2, 4, 1)、(3, 1, 4)、(4, 3, 2)という4つの点を結んだ線が3次元グラフに表示されます。
オプション
plot3
関数は、さまざまなオプションを受け付けて、プロットの外観をカスタマイズできます。
- 複数のプロット
plot3(x1, y1, z1, 'r-', x2, y2, z2, 'b--')
:複数の線や点を同じグラフにプロットします。
- 軸の範囲
axis([xmin, xmax, ymin, ymax, zmin, zmax])
- グリッド
grid on
- タイトル
title('3次元プロット')
- 軸ラベル
xlabel('X軸')
ylabel('Y軸')
zlabel('Z軸')
- 線のスタイルと色
plot3(x, y, z, 'r--')
:赤い破線でプロットします。plot3(x, y, z, 'b.')
:青い点でプロットします。plot3(x, y, z, 'g-o')
:緑色の線と丸いマーカーでプロットします。
例
次のコードは、らせんを3次元空間にプロットし、軸ラベル、タイトル、グリッドを追加します。
t = 0:0.1:10*pi;
x = cos(t);
y = sin(t);
z = t;
plot3(x, y, z, 'b-');
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('らせんの3次元プロット');
grid on;
plot3
関数は、3次元空間におけるデータの視覚化に非常に役立ちます。線のスタイル、色、軸ラベル、タイトルなどのオプションを使用して、プロットをカスタマイズできます。
一般的なエラーとトラブルシューティング
- ベクトルの長さが一致しない
- エラー
error: plot3: x, y, and z must be vectors of the same length
- 原因
plot3(x, y, z)
に渡されるx
、y
、z
ベクトルの要素数が異なっている。 - 解決策
x
、y
、z
ベクトルの長さを確認し、同じ長さに調整してください。- 例:
length(x)
,length(y)
,length(z)
で長さを確認し、必要に応じてベクトルを調整します。
- 例:
- エラー
- データ型のエラー
- エラー
error: plot3: invalid data type
- 原因
x
、y
、z
ベクトルに数値以外のデータ型(文字列など)が含まれている。 - 解決策
x
、y
、z
ベクトルが数値データのみを含むように確認してください。- 例:
class(x)
,class(y)
,class(z)
でデータ型を確認します。
- 例:
- エラー
- グラフが表示されない
- 原因
- グラフウィンドウが閉じている。
- 軸の範囲がデータ範囲外になっている。
- プロットが非常に小さく、見えない。
- 解決策
figure
コマンドで新しいグラフウィンドウを開きます。axis
コマンドで軸の範囲を調整します。- プロットの線の太さやマーカーサイズを調整します。
- 例:
plot3(x,y,z,'linewidth',2,'markersize',10)
- 例:
hidden line removal
がオンになっている場合、隠れた線が消えてしまうので、注意してください。
- 原因
- 軸の表示がおかしい
- 原因
- 軸の範囲が適切でない。
- 軸ラベルが重複している。
- 解決策
axis
コマンドで軸の範囲を調整します。xlabel
、ylabel
、zlabel
コマンドで軸ラベルを適切に設定します。view
コマンドでグラフの視点を調整する。
- 原因
- 線のスタイルや色が期待通りにならない
- 原因
- オプション文字列の指定が間違っている。
- オプションの組み合わせが適切でない。
- 解決策
- Octaveのドキュメントでオプション文字列の指定を確認します。
- オプションの組み合わせを試して、期待通りの結果になるように調整します。
- 原因
- メモリ不足
- 原因
大量のデータをプロットしようとして、メモリが不足している。 - 解決策
- データを間引いてプロットする。
- メモリを増設する。
- 64ビットのOctaveを使用する。
- 原因
- グラフが重なってしまう。
- 原因
複数のplot3関数を同一のfigureに重ねて描画している。 - 解決策
figure
コマンドで新しい図を作成。hold on
、hold off
コマンドでグラフを重ねて描画するか、しないかをコントロールする。
- 原因
debug
コマンドを使用してプログラムをデバッグする。- Octaveのドキュメントやオンラインフォーラムで情報を検索します。
- 簡単な例でコードを試し、問題の箇所を特定します。
- エラーメッセージをよく読み、原因を特定します。
例1: らせんのプロット
この例では、らせんを3次元空間にプロットします。
% らせんのパラメータ
t = 0:0.1:10*pi; % パラメータtの範囲
x = cos(t); % x座標
y = sin(t); % y座標
z = t; % z座標
% 3次元プロット
figure; % 新しい図を作成
plot3(x, y, z, 'b-'); % 青色の線でプロット
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('らせんの3次元プロット');
% グリッド表示
grid on;
% 視点の調整
view(60, 30); % 視点を調整
説明
view(60, 30);
:グラフの視点を調整します。grid on;
:グリッドを表示します。xlabel
、ylabel
、zlabel
、title
:軸ラベルとタイトルを設定します。plot3(x, y, z, 'b-');
:x、y、z座標を青色の線でプロットします。figure;
:新しいグラフウィンドウを開きます。x = cos(t);
、y = sin(t);
、z = t;
:パラメータt
に基づいて、x、y、z座標を計算します。t = 0:0.1:10*pi;
:パラメータt
を0から10πまで0.1刻みで生成します。
例2: 3次元の散布図
この例では、3次元空間にランダムな点を散布図としてプロットします。
% ランダムなデータの生成
n = 100; % 点の数
x = randn(n, 1); % 正規分布に従うx座標
y = randn(n, 1); % 正規分布に従うy座標
z = randn(n, 1); % 正規分布に従うz座標
% 3次元散布図
figure; % 新しい図を作成
scatter3(x, y, z, 50, 'r', 'filled'); % 赤色の点でプロット
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元散布図');
% グリッド表示
grid on;
説明
xlabel
、ylabel
、zlabel
、title
、grid on;
:軸ラベル、タイトル、グリッドを設定します。scatter3(x, y, z, 50, 'r', 'filled');
:x、y、z座標を赤色の点で散布図としてプロットします。50は点のサイズ、'filled'は点を塗りつぶします。x = randn(n, 1);
、y = randn(n, 1);
、z = randn(n, 1);
:正規分布に従うランダムなx、y、z座標を生成します。n = 100;
:点の数を100に設定します。
例3: 曲面のプロット
この例では、3次元空間に曲面をプロットします。
% 曲面の定義
[x, y] = meshgrid(-5:0.5:5, -5:0.5:5); % xとyのメッシュを作成
z = x.^2 + y.^2; % z座標を計算
% 曲面のプロット
figure; % 新しい図を作成
surf(x, y, z); % 曲面をプロット
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('曲面プロット');
% カラーバーの表示
colorbar;
% 視点の調整
view(45, 45);
xlabel
、ylabel
、zlabel
、title
、colorbar;
、view(45, 45);
:軸ラベル、タイトル、カラーバー、視点を設定します。surf(x, y, z);
:x、y、z座標に基づいて曲面をプロットします。z = x.^2 + y.^2;
:xとyの座標に基づいてz座標を計算します。[x, y] = meshgrid(-5:0.5:5, -5:0.5:5);
:xとyのメッシュを作成します。これにより、曲面を定義するための座標のグリッドが生成されます。
scatter3 (3次元散布図)
scatter3
は、3次元空間に点を散布図としてプロットするために使用されます。点のサイズや色を制御できます。
% ランダムなデータの生成
x = randn(100, 1);
y = randn(100, 1);
z = randn(100, 1);
sizes = rand(100, 1) * 50; % 点のサイズ
colors = rand(100, 3); % 点の色
% 3次元散布図
figure;
scatter3(x, y, z, sizes, colors, 'filled'); % 点を塗りつぶしてプロット
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元散布図');
grid on;
surf と mesh (曲面プロット)
surf
とmesh
は、3次元空間に曲面をプロットするために使用されます。surf
は塗りつぶされた曲面を、mesh
はワイヤーフレームの曲面を生成します。
% 曲面の定義
[x, y] = meshgrid(-5:0.5:5, -5:0.5:5);
z = sin(sqrt(x.^2 + y.^2)) ./ sqrt(x.^2 + y.^2);
% 曲面プロット
figure;
surf(x, y, z); % 塗りつぶされた曲面
% mesh(x,y,z); % ワイヤーフレームの曲面
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('曲面プロット');
grid on;
colorbar;
contour3 (3次元等高線プロット)
contour3
は、3次元空間に等高線をプロットします。
% 等高線データの生成
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);
% 3次元等高線プロット
figure;
contour3(x, y, z, 20); % 20個の等高線
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元等高線プロット');
grid on;
quiver3 (3次元ベクトル場プロット)
quiver3
は、3次元空間にベクトル場をプロットします。
% ベクトル場データの生成
[x, y, z] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2, -2:0.2:2);
u = -y;
v = x;
w = z;
% 3次元ベクトル場プロット
figure;
quiver3(x, y, z, u, v, w);
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元ベクトル場プロット');
grid on;
patch (多角形パッチのプロット)
patch
は、多角形のパッチを3次元空間にプロットします。複雑な形状を表現できます。
% 多角形パッチの定義
vertices = [0 0 0; 1 0 0; 1 1 0; 0 1 0; 0.5 0.5 1];
faces = [1 2 3 4; 1 2 5; 2 3 5; 3 4 5; 4 1 5];
% 多角形パッチのプロット
figure;
patch('Vertices', vertices, 'Faces', faces, 'FaceColor', 'red');
% 軸ラベルとタイトル
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('3次元多角形パッチ');
grid on;
isosurface (等値面プロット)
isosurface
は3次元ボリュームデータから等値面を抽出してプロットします。
% ボリュームデータの生成
[x, y, z] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2, -2:0.2:2);
v = x.^2 + y.^2 + z.^2;
% 等値面プロット
figure;
isosurface(x, y, z, v, 4); % v=4の等値面
xlabel('X軸');
ylabel('Y軸');
zlabel('Z軸');
title('等値面プロット');
grid on;