Octave 3Dプロット:視点を変えてデータを立体的に分析する方法

2025-04-26

主な三次元プロット関数

  • scatter3(x, y, z)
    • 三次元の散布図を作成するための関数です。
    • 例: scatter3(x, y, z);
  • contour3(x, y, z)
    • これは、三次元の等高線プロットを作成するための関数です。
    • 例: contour3(x, y, z);
  • mesh(x, y, z)
    • surfと似ていますが、表面をワイヤーフレームで表示します。
    • 例: mesh(x, y, z);
  • surf(x, y, z)
    • これは、三次元の表面をプロットするための関数です。
    • xy は、メッシュグリッドの座標を表す行列、z は表面の高さを示す行列です。
    • 例: surf(x, y, z);
  • plot3(x, y, z)
    • これは、三次元空間内の点や線をプロットするための基本的な関数です。
    • x, y, z は、それぞれ点のx座標、y座標、z座標を表すベクトルです。
    • 例: plot3(x, y, z);

基本的な使用例

  1. plot3 の例

    t = 0:0.1:10*pi;
    x = sin(t);
    y = cos(t);
    z = t;
    plot3(x, y, z);
    

    このコードは、らせん状の曲線を三次元空間にプロットします。

  2. surf の例

    [x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
    z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);
    surf(x, y, z);
    

    このコードは、ガウス関数の三次元表面プロットを作成します。

  3. mesh の例

    [x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
    z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);
    mesh(x, y, z);
    

    このコードは、ガウス関数のワイヤーフレームの三次元プロットを作成します。

  • view関数を用いて3Dグラフの視点を変更できます。
  • xlabel, ylabel, zlabel, titleといった関数を用いて軸ラベルやタイトルを追加できます。
  • プロットの見た目を調整するために、様々なオプション(色、線種、マーカーなど)を指定できます。
  • meshgrid 関数は、二次元グリッドを作成するために非常によく使われます。


一般的なエラーとトラブルシューティング

    • エラー
      error: plot3: dimensions mismatcherror: surf: dimensions mismatch のようなエラーメッセージが表示される場合。
    • 原因
      plot3, surf, mesh などの関数に渡される x, y, z の次元が一致していない場合に発生します。
    • 解決策
      • x, y, z のベクトルまたは行列のサイズを確認し、一致するように調整します。
      • meshgrid関数を使用している場合、生成された行列のサイズが意図したものであるか確認してください。
      • 特にsurfmeshを使う時はxyは行列でzも同じサイズの行列である必要があります。
      • plot3を使う時はx,y,zは同じ長さのベクトルである必要があります。
  1. データ範囲の問題 (Data Range Issues)

    • エラー
      プロットが期待通りに表示されない、またはデータの一部が欠落している場合。
    • 原因
      データの範囲が大きすぎるか、小さすぎる場合に発生します。また、データに NaN (Not a Number) や Inf (Infinity) が含まれている場合も問題が発生します。
    • 解決策
      • データの最小値と最大値を確認し、必要に応じて範囲を調整します。
      • isnanisinf 関数を使用して、データ内の無効な値を見つけ出し、処理または削除します。
      • axis 関数を使用して、軸の範囲を明示的に設定します。例えば、axis([xmin, xmax, ymin, ymax, zmin, zmax]);とします。
  2. プロットの視覚的な問題 (Visual Issues)

    • エラー
      プロットが歪んで表示される、または視点が適切でない場合。
    • 原因
      デフォルトの視点が適切でないか、プロットの設定が正しくない場合に発生します。
    • 解決策
      • view 関数を使用して、視点を調整します。例えば、view(az, el); (az: 方位角, el: 仰角) とします。
      • colormap 関数を使用して、カラーマップを変更します。
      • shading 関数を使用して、表面のシェーディングを変更します(flat, faceted, interp など)。
      • light関数を用いて光源を追加して立体感を増すことができます。
      • material関数を用いて反射光を調整できます。
  3. メモリ不足 (Out of Memory)

    • エラー
      大規模なデータをプロットしようとすると、メモリ不足のエラーが発生する場合があります。
    • 原因
      非常に大きな行列やベクトルを処理しようとしている場合に発生します。
    • 解決策
      • データを間引くか、より少ないデータポイントを使用します。
      • メモリを解放するために、不要な変数を clear コマンドで削除します。
      • より多くのメモリを搭載したコンピュータを使用します。
  4. 描画されない(Nothing Displayed)

    • エラー
      プロットコマンドを実行しても何も表示されない。
    • 原因
      描画コマンドの前にfigureコマンドを実行していない。もしくは、他のウィンドウの背面に隠れてしまっている。
    • 解決策
      • figureコマンドをプロットコマンドの前に実行します。
      • 他のウィンドウを最小化して、プロットウィンドウが表示されるか確認します。
      • Octaveのウィンドウシステムが正しく動作しているか確認します。

トラブルシューティングのヒント

  • コードを段階的に実行し、各ステップで変数の値を確認します。
  • Octaveのドキュメントやオンラインフォーラムを参照して、同様の問題に対する解決策を探します。
  • 簡単なデータセットでプロットを試し、問題が再現するかどうかを確認します。
  • エラーメッセージを注意深く読み、問題の原因を特定します。


基本的な plot3 の例(らせん)

% らせんのプロット
t = 0:0.1:10*pi; % パラメータ t の範囲
x = sin(t);        % x座標
y = cos(t);        % y座標
z = t;             % z座標

figure;           % 新しい図を作成
plot3(x, y, z);   % 3Dプロット
xlabel("X軸");     % X軸ラベル
ylabel("Y軸");     % Y軸ラベル
zlabel("Z軸");     % Z軸ラベル
title("らせんの3Dプロット"); % タイトル
grid on;          % グリッド表示

説明

  • grid on は、グリッドを表示します。
  • xlabel, ylabel, zlabel, title は、プロットのラベルとタイトルを設定します。
  • plot3(x, y, z) は、これらの座標を3D空間にプロットします。
  • x, y, z は、らせんの各点の座標です。
  • t は、らせんのパラメータです。

surf の例(ガウス関数)

% ガウス関数の表面プロット
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2); % メッシュグリッドを作成
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);             % z座標(ガウス関数)

figure;
surf(x, y, z);                         % 表面プロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("ガウス関数の表面プロット");
colormap("jet");                      % カラーマップを設定
colorbar;                              % カラーバーを表示

説明

  • colorbar は、カラーバーを表示します。
  • colormap("jet") は、カラーマップを「jet」に設定します。
  • surf(x, y, z) は、表面プロットを作成します。
  • z は、ガウス関数の値です。
  • meshgrid は、xy のメッシュグリッドを作成します。

mesh の例(ワイヤーフレーム)

% ワイヤーフレームプロット
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);

figure;
mesh(x, y, z);                         % ワイヤーフレームプロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("ガウス関数のワイヤーフレームプロット");

説明

  • mesh は、表面をワイヤーフレームで表示します。

contour3 の例(等高線)

% 等高線プロット
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);

figure;
contour3(x, y, z, 20);                % 20本の等高線でプロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("ガウス関数の等高線プロット");

説明

  • contour3(x, y, z, 20) は、20本の等高線でプロットします。

scatter3 の例(散布図)

% 散布図
x = randn(100, 1); % ランダムなx座標
y = randn(100, 1); % ランダムなy座標
z = randn(100, 1); % ランダムなz座標

figure;
scatter3(x, y, z);                  % 散布図プロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("ランダムな散布図");

説明

  • scatter3(x, y, z) は、散布図を作成します。
  • randn(100, 1) は、100個の標準正規分布に従う乱数を生成します。
% 視点の変更
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);

figure;
surf(x,y,z);
view(45,30); % 方位角45度,仰角30度からの視点に変更
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("視点を変更したガウス関数の表面プロット");


plot3 を使用した複数の線のプロット

複数の線を同じ3Dプロットに描画する場合、plot3 を複数回呼び出すか、行列を使用して一度にプロットできます。

% 複数の線をプロット
t = 0:0.1:10*pi;
x1 = sin(t);
y1 = cos(t);
z1 = t;

x2 = sin(t + pi/2);
y2 = cos(t + pi/2);
z2 = t;

figure;
plot3(x1, y1, z1, "r-", x2, y2, z2, "b--"); % 赤い実線と青い破線でプロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("複数のらせんの3Dプロット");
legend("らせん1", "らせん2"); % 凡例を追加

説明

  • legend("らせん1", "らせん2") は、凡例を追加します。
  • "r-" は赤い実線、"b--" は青い破線を指定します。
  • plot3(x1, y1, z1, "r-", x2, y2, z2, "b--") は、複数の線を一度にプロットします。

surf と mesh の組み合わせ

surfmesh を組み合わせて、表面とワイヤーフレームを同時に表示できます。

% 表面とワイヤーフレームの組み合わせ
[x, y] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2);
z = x .* exp(-x.^2 - y.^2);

figure;
surf(x, y, z);
hold on; % 現在のプロットを保持
mesh(x, y, z);
hold off; % プロット保持を解除
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("表面とワイヤーフレームの組み合わせ");

説明

  • hold off は、プロットの保持を解除します。
  • hold on は、現在のプロットを保持し、後続のプロットコマンドを上書きしません。

isosurface を使用した等値面プロット

isosurface 関数は、3Dボリュームデータから等値面を抽出してプロットします。

% 等値面プロット
[x, y, z] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2, -2:0.2:2);
v = x .* exp(-x.^2 - y.^2 - z.^2); % 3Dボリュームデータ

figure;
isosurface(x, y, z, v, 0.2); % 等値面 v = 0.2 をプロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("等値面プロット");

説明

  • isosurface(x, y, z, v, 0.2) は、v が 0.2 と等しい等値面をプロットします。
  • v は、3Dボリュームデータです。
  • meshgrid は、3Dメッシュグリッドを作成します。

slice を使用したスライスプロット

slice 関数は、3Dボリュームデータを特定の平面でスライスして表示します。

% スライスプロット
[x, y, z] = meshgrid(-2:0.2:2, -2:0.2:2, -2:0.2:2);
v = x .* exp(-x.^2 - y.^2 - z.^2);

figure;
slice(x, y, z, v, [-1, 0, 1], [], []); % x軸に沿ってスライス
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("スライスプロット");
colorbar;

説明

  • slice(x, y, z, v, [-1, 0, 1], [], []) は、x軸に沿って -1, 0, 1 の位置でスライスします。

quiver3 を使用したベクトル場プロット

quiver3 関数は、3Dベクトル場を矢印でプロットします。

% ベクトル場プロット
[x, y, z] = meshgrid(-2:0.5:2, -2:0.5:2, -2:0.5:2);
u = -y;
v = x;
w = z;

figure;
quiver3(x, y, z, u, v, w); % ベクトル場をプロット
xlabel("X軸");
ylabel("Y軸");
zlabel("Z軸");
title("ベクトル場プロット");
  • quiver3(x, y, z, u, v, w) は、(x, y, z) の位置に (u, v, w) のベクトルを矢印でプロットします。