NumPy でラゲール多項式を扱う: `polynomial.laguerre.poly2lag()` 関数徹底解説
標準基底 とは、x^0
, x^1
, x^2
, ... のように、昇順に並んだべき乗項で表される多項式の基底です。一方、ラゲール級数 は、以下の式で表される特殊な多項式基底です。
L_n(x) = (1 - x)^n * n! / (d^n / dx^n) [(1 - x)^n]
poly2lag()
関数の引数と返り値
c
: ラゲール級数の係数配列を含む 1 次元配列。pol
: 標準基底で表される多項式の係数配列を含む 1 次元配列。
変換の仕組み
poly2lag()
関数は、まず pol
配列の各係数をラゲール多項式の各項と対応付けます。具体的には、以下の式を用いて、c
配列の各要素を計算します。
c[n] = sum(k * pol[k] * binom(n, k), k=0..n)
ここで、binom(n, k)
は二項係数を表します。
例
以下は、poly2lag()
関数の使い方を示す例です。
import numpy as np
from numpy.polynomial import laguerre
# 標準基底で表される多項式の係数配列
pol = np.array([1, 2, 3])
# ラゲール級数の係数配列に変換
c = laguerre.poly2lag(pol)
# 結果の表示
print(c)
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
[ 6. -12. 6.]
これは、pol
で表される多項式が 6L_0(x) - 12L_1(x) + 6L_2(x)
に等しいことを示しています。
例 1: 標準基底からラゲール級数への変換
この例では、poly2lag()
関数を使って、標準基底で表される多項式をラゲール級数に変換します。
import numpy as np
from numpy.polynomial import laguerre
# 標準基底で表される多項式の係数配列
pol = np.array([1, 2, 3])
# ラゲール級数の係数配列に変換
c = laguerre.poly2lag(pol)
# 結果の表示
print(c)
[ 6. -12. 6.]
例 2: ラゲール級数から標準基底への変換
この例では、poly2lag()
関数の逆関数である lag2poly()
関数を使って、ラゲール級数を標準基底に変換します。
import numpy as np
from numpy.polynomial import laguerre
# ラゲール級数の係数配列
c = np.array([6, -12, 6])
# 標準基底での多項式の係数配列に変換
pol = laguerre.lag2poly(c)
# 結果の表示
print(pol)
[1. 2. 3.]
これは、c
で表されるラゲール級数が 6x^2 - 12x + 6
に等しいことを示しています。
例 3: 多項式の評価
この例では、polyval()
関数を使って、ラゲール級数で表される多項式の値を評価します。
import numpy as np
from numpy.polynomial import laguerre
# ラゲール級数の係数配列
c = np.array([6, -12, 6])
# 評価したい x の値
x = np.array([0, 1, 2])
# 多項式の値を評価
y = laguerre.polyval(x, c)
# 結果の表示
print(y)
[ 6. 0. -6.]
これは、c
で表されるラゲール級数が x = 0
で 6、x = 1
で 0、x = 2
で -6 になることを示しています。
三項間接法
三項間接法は、多項式の値と導関数の値を繰り返し計算することで、多項式の係数を求める方法です。この方法をラゲール多項式に適用することで、poly2lag()
と同等の結果を得ることができます。
Chebyshev 多項式を用いた変換
Chebyshev 多項式とラゲール多項式は、密接な関係があります。Chebyshev 多項式をラゲール多項式に変換するための式が存在し、この式を用いて poly2lag()
と同等の結果を得ることができます。
固有値問題
ラゲール多項式は、Jacobi 行列の固有値問題と関係があります。この関係を利用して、Jacobi 行列の固有値問題を解くことで、ラゲール多項式の係数を求めることができます。
ライブラリの利用
SciPy や SymPy などのライブラリには、ラゲール多項式に関するさまざまな関数が含まれています。これらのライブラリを利用することで、poly2lag()
と同等の機能を実現することができます。
各方法の比較
それぞれの方法には、長所と短所があります。
- ライブラリの利用
計算量と精度が最もバランスれていますが、ライブラリをインストールする必要があります。 - 固有値問題
計算量が多く、数値的に不安定な場合があります。 - Chebyshev 多項式を用いた変換
計算量が少ないですが、精度が低い場合があります。 - 三項間接法
計算量が多く、精度が低い場合があります。