NumPy の Packaging における distutils.exec_command.exec_command() 関数: 詳細解説とサンプルコード


distutils.exec_command.exec_command() 関数は、NumPy のパッケージングにおいて、コマンドを実行するための関数です。これは、標準ライブラリの subprocess モジュールの Popen 関数と似ていますが、いくつかの追加機能を提供します。

主な機能

  • Windows システムでの動作の改善
    Windows システムでは、exec_command() 関数は commands.getstatusoutput 関数よりも正確なステータスコードを返します。
  • ステータスコードの取得
    コマンドの終了ステータスコードを取得します。
  • 環境変数の設定
    コマンドを実行する前に、環境変数を設定または変更することができます。
  • コマンドの実行
    指定されたディレクトリでコマンドを実行し、標準出力と標準エラーをキャプチャします。

構文

def exec_command(commandstr, execute_in='', use_shell=None,
                 use_tee=None, **env):
    """
    Run a command in a specified directory and return its output.

    Parameters
    ----------
    commandstr : str
        The command string to execute.
    execute_in : str, optional
        The directory in which to execute the command.
    use_shell : bool, optional
        If True, use the shell to execute the command.
    use_tee : bool, optional
        If True, print the command output to the console as well.
    env : dict, optional
        A dictionary of environment variables to set before executing the
        command.

    Returns
    -------
    (status, output)
        A tuple containing the exit status of the command and its output.
    """

引数

  • env: コマンドを実行する前に設定する環境変数の辞書 (オプション)
  • use_tee: コマンド出力をコンソールにも出力するかどうか (オプション)
  • use_shell: シェルを使用してコマンドを実行するかどうか (オプション)
  • execute_in: コマンドを実行するディレクトリ (オプション)
  • commandstr: 実行するコマンド文字列

戻り値

  • output: コマンドの標準出力と標準エラーを結合した文字列
  • status: コマンドの終了ステータスコード
import numpy.distutils.exec_command as exec_cmd

# カレントディレクトリで "ls" コマンドを実行し、出力を表示
status, output = exec_cmd.exec_command('ls')
print(output)

# "/tmp" ディレクトリで "make" コマンドを実行し、出力をコンソールに表示
exec_cmd.exec_command('make', execute_in='/tmp', use_tee=True)
  • この関数は、複雑なコマンドを実行したり、環境変数を設定したりする必要がある場合に便利です。
  • exec_command() 関数は、NumPy のビルドとインストールに使用されます。


例 1: カレントディレクトリで "ls" コマンドを実行し、出力を表示

import numpy.distutils.exec_command as exec_cmd

# カレントディレクトリで "ls" コマンドを実行し、出力を表示
status, output = exec_cmd.exec_command('ls')
print(output)

説明

このコードは、exec_command() 関数を使用してカレントディレクトリで ls コマンドを実行します。コマンドの終了ステータス (status) と出力 (output) が変数に格納されます。output 変数には、コマンドの標準出力と標準エラーが出力されます。

例 2: "/tmp" ディレクトリで "make" コマンドを実行し、出力をコンソールに表示

import numpy.distutils.exec_command as exec_cmd

# "/tmp" ディレクトリで "make" コマンドを実行し、出力をコンソールに表示
exec_cmd.exec_command('make', execute_in='/tmp', use_tee=True)

説明

このコードは、exec_command() 関数を使用して /tmp ディレクトリで make コマンドを実行します。execute_in 引数は、コマンドを実行するディレクトリを指定します。use_tee 引数は、コマンド出力をコンソールにも出力するように設定します。

例 3: 環境変数を設定してコマンドを実行

import numpy.distutils.exec_command as exec_cmd

# "CC" 環境変数を "gcc" に設定して "configure" コマンドを実行
env = {'CC': 'gcc'}
status, output = exec_cmd.exec_command('./configure', env=env)
print(output)

説明

このコードは、exec_command() 関数を使用して ./configure コマンドを実行します。env 引数は、コマンドを実行する前に設定する環境変数の辞書を指定します。この例では、CC 環境変数が "gcc" に設定されます。



subprocess モジュール

標準ライブラリの subprocess モジュールは、distutils.exec_command.exec_command() 関数と同様の機能を提供します。subprocess モジュールには、以下のような利点があります。

  • 様々なプラットフォームで動作
  • シンプルで使いやすい
  • 標準ライブラリに含まれているため、追加インストールの必要がない

一方、subprocess モジュールには、以下のような欠点もあります。

  • Windows システムでは、exec_command() 関数よりも正確なステータスコードを返さない場合がある
  • exec_command() 関数ほど多くの機能を提供していない

sh モジュール

sh モジュールは、サードパーティ製のモジュールで、シェルスクリプトを実行するための機能を提供します。sh モジュールには、以下のような利点があります。

  • 複雑なコマンドを実行できる
  • シェルスクリプトを実行できる

一方、sh モジュールには、以下のような欠点もあります。

  • セキュリティ上のリスクがある
  • 標準ライブラリに含まれていないため、追加インストールが必要

pexpect モジュール

pexpect モジュールは、サードパーティ製のモジュールで、対話型コマンドを実行するための機能を提供します。pexpect モジュールには、以下のような利点があります。

  • ログインやパスワードの入力を処理できる
  • 対話型コマンドを実行できる

一方、pexpect モジュールには、以下のような欠点もあります。

  • 複雑なモジュール
  • 標準ライブラリに含まれていないため、追加インストールが必要

カスタムスクリプト

特定のニーズに合わせたカスタムスクリプトを作成することもできます。カスタムスクリプトには、以下のような利点があります。

  • コードを完全に制御できる
  • 独自のニーズに合わせた機能を実装できる

一方、カスタムスクリプトには、以下のような欠点もあります。

  • テストが必要
  • 開発と保守に時間がかかる
  • 独自のニーズに合わせた機能が必要な場合は、カスタムスクリプトを作成するのがおすすめです。
  • 対話型コマンドを実行する必要がある場合は、pexpect モジュールがおすすめです。
  • シェルスクリプトを実行する必要がある場合は、sh モジュールがおすすめです。
  • シンプルで使いやすい方法が必要な場合は、subprocess モジュールがおすすめです。