空間データベースの基礎知識:Well-Known TextとPolygonFromText関数
PolygonFromText
関数は、Well-Known Text (WKT) 表記の文字列からポリゴンジオメトリを作成するための MariaDB 空間関数です。 WKT は、空間データを表すための標準テキスト形式です。
構文
ST_PolygonFromText(wkt_text)
引数
wkt_text
: WKT 表記のポリゴン文字列。 例:POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))
戻り値
- ポリゴンジオメトリ
使い方
PolygonFromText
関数は、様々な状況で使用できます。 例えば、データベースにポリゴンデータを挿入する場合や、既存のポリゴンデータを操作する場合に使用できます。
例
以下の例では、WKT 文字列からポリゴンを作成し、そのポリゴンの面積を計算しています。
SELECT ST_Area(ST_PolygonFromText('POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))'));
この例では、出力は次のようになります。
6.0
PolygonFromText
関数は、マルチポリゴンも処理できます。 マルチポリゴンは、複数のポリゴンで構成されるジオメトリです。
利点
- MariaDB は、様々な空間関数を提供しており、ポリゴンデータを操作することができます。
PolygonFromText
関数は、WKT 文字列から簡単にポリゴンを作成できます。- WKT は、空間データをテキスト形式で表現するための汎用的な方法です。
- ポリゴンデータは複雑になる可能性があり、処理に時間がかかる場合があります。
- WKT 文字列の書式が正しくないと、エラーが発生する可能性があります。
SELECT ST_Area(ST_PolygonFromText('POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))'));
例2:データベースにポリゴンデータを挿入
CREATE TABLE gis_polygon (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
polygon POLYGON
);
INSERT INTO gis_polygon (polygon)
VALUES (ST_PolygonFromText('POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))'));
例3:既存のポリゴンデータを操作
SELECT ST_AsText(ST_Union(p1, p2))
FROM gis_polygon AS p1
JOIN gis_polygon AS p2
ON ST_Intersects(p1.polygon, p2.polygon);
- 例3
この例では、gis_polygon
テーブルにある 2 つのポリゴンを結合し、その結果を WKT 文字列として返しています。ST_Union
関数は、2 つのポリゴンを結合して新しいポリゴンを作成します。ST_AsText
関数は、ポリゴンを WKT 文字列に変換します。 - 例2
この例では、gis_polygon
という名前のテーブルを作成し、そのテーブルにポリゴンデータの列polygon
を追加しています。 その後、ST_PolygonFromText
関数を使用して WKT 文字列からポリゴンを作成し、polygon
列に挿入しています。 - 例1
この例では、WKT 文字列POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))
からポリゴンを作成し、そのポリゴンの面積を計算しています。ST_Area
関数は、ポリゴンの面積を平方メートル単位で返します。
- これらの例はほんの一例です。
PolygonFromText
関数は、様々な状況で使用できます。
MariaDB には、PolygonFromText
関数以外にも、WKT 文字列からポリゴンを作成する方法はいくつかあります。 以下に、いくつかの代替方法とその利点と欠点をご紹介します。
代替方法
- ST_PointFromText,
ST_LineFromText
,ST_MultiPolygonFromText
関数:これらの関数はそれぞれ、ポイント、ラインストリング、マルチポリゴンジオメトリを WKT 文字列から作成します。- 利点
特定のジオメトリタイプを作成する場合は、これらの関数がより効率的である可能性があります。 - 欠点
汎用性が低い
- 利点
- ST_GeoFromWKB 関数:この関数は、Well-Known Binary (WKB) 表記のバイナリデータからジオメトリを作成することができます。 WKT 文字列よりも効率的なデータ表現方法です。
- 利点
効率的 - 欠点
WKT 文字列よりも複雑で理解しにくい
- 利点
- ST_GeomFromText 関数:この関数は、WKT 文字列から任意のジオメトリタイプを作成することができます。 ポリゴン以外にも、ポイント、ラインストリング、マルチポリゴンなどのジオメトリを作成することができます。
- 利点
汎用性が高い - 欠点
PolygonFromText
関数よりも処理速度が遅い場合がある
- 利点
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
PolygonFromText | シンプルで使いやすい | 処理速度が遅い場合がある |
ST_GeomFromText | 汎用性が高い | 処理速度が遅い場合がある |
ST_GeoFromWKB | 効率的 | 複雑で理解しにくい |
ST_PointFromText , ST_LineFromText , ST_MultiPolygonFromText | 特定のジオメトリタイプを作成する場合は効率的 | 汎用性が低い |
最適な方法の選択
最適な方法は、状況によって異なります。 以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。
- 理解しやすさ
- 処理速度
- 作成するジオメトリタイプ
例
以下の例では、ST_GeomFromText
関数を使用して、WKT 文字列からポリゴンを作成しています。
SELECT ST_AsText(ST_GeomFromText('POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))'));
POLYGON((1 2, 3 4, 5 6, 1 2))