MariaDB でデータを同期させる - レプリケーションの基本と設定方法

2024-08-03

バイナリログとは何か?

バイナリログは、データベースサーバー上で実行された変更履歴をバイナリ形式で記録したファイルです。レプリケーションでは、このバイナリログを読み込み、別のサーバーに同じ変更を適用することで、データの同期を実現します。

レプリケーションとバイナリログシステム変数

レプリケーションと深く関連するバイナリログシステム変数は、大きく分けて以下の3つのカテゴリに分けられます。

バイナリログの生成に関する変数

  • expire_logs_days
    バイナリログの保存期間を日数で指定します。
  • binlog_row_image
    ROW形式のバイナリログで記録する内容(FULL、MINIMAL、NOBLOB)を指定します。
  • binlog_format
    バイナリログのフォーマット(ROW、STATEMENT、MIXED)を指定します。
  • log_bin
    バイナリログを生成するかどうかを指定します。

レプリケーションスレーブに関する変数

  • slave_skip_errors
    スレーブサーバーでエラーが発生した場合の処理方法を指定します。
  • log_slave_updates
    スレーブサーバーでの変更をマスターサーバーのバイナリログに記録するかどうかを指定します。
  • read_only
    スレーブサーバーを読み取り専用にするかどうかを指定します。

レプリケーションの性能に関する変数

  • innodb_flush_log_at_trx_commit
    InnoDBトランザクションのコミット時のログフラッシュの頻度を指定します。
  • sync_binlog
    バイナリログをディスクに同期するタイミングを指定します。


よくあるエラーと原因

MariaDB レプリケーションにおいて、様々なエラーが発生する可能性があります。一般的なエラーとその原因をいくつかご紹介します。

  • GTIDエラー
    • GTIDの設定や管理に問題がある
  • トランザクションエラー
    • トランザクションがタイムアウトする
    • トランザクションがロールバックされる
  • SQLエラー
    • レプリケーションの設定が間違っている
    • マスターサーバーで実行されたSQL文にエラーがある
    • スレーブサーバーでSQL文が実行できない
  • 接続エラー
    • マスター/スレーブ間のネットワーク接続が切断されている
    • ポート番号やホスト名が間違っている
    • ファイアウォールで接続がブロックされている
  • IOエラー
    • ディスクの空き容量不足
    • ディスクの故障
    • ネットワーク障害

トラブルシューティングの手順

  1. エラーメッセージの確認
    • エラーログを確認し、具体的なエラーメッセージを特定します。エラーメッセージは、問題の原因を特定する上で最も重要な情報です。
  2. ステータス確認
    • SHOW SLAVE STATUS コマンドを実行し、レプリケーションのステータスを確認します。
    • SHOW MASTER STATUS コマンドを実行し、マスターサーバーのステータスを確認します。
    • SHOW BINLOG EVENTS コマンドを実行し、バイナリログの内容を確認します。
  3. ネットワークの確認
    • マスターサーバーとスレーブサーバー間のネットワーク接続が確立されているかを確認します。
    • ping コマンドなどで、両サーバー間の通信が正常に行われているか確認します。
    • ファイアウォール設定を確認し、必要なポートが開いているか確認します。
  4. 設定の確認
    • my.cnf ファイルの設定が正しいか確認します。
    • レプリケーションの設定(マスター、スレーブの設定)が正しいか確認します。
    • GTIDの設定が正しいか確認します。
  5. ログの確認
    • エラーログ、バイナリログ、スレーブIOスレッドログなどを確認し、問題の原因を特定します。
  6. MySQLドキュメントの参照
    • MariaDBの公式ドキュメントを参照し、エラーメッセージの意味や解決方法を調べます。
  • GTIDエラーが発生した場合
    • GTIDの設定を確認する
    • GTIDの追跡が正しく行われているか確認する
  • SQLエラーが発生した場合
    • エラーメッセージに基づいてSQL文を修正する
    • レプリケーションの設定を確認する
  • 接続エラーが発生した場合
    • ネットワーク設定を確認する
    • ファイアウォール設定を確認する
    • マスター/スレーブ間の接続情報を修正する
  • IOエラーが発生した場合
    • ディスクの空き容量を増やす
    • ディスクを交換する
    • ネットワーク障害を修復する
  • 問題が発生した場合、できるだけ早く対応することが重要です。
  • レプリケーション環境のバックアップを定期的に作成しておくことが重要です。
  • レプリケーションの設定は慎重に行う必要があります。


バイナリログの生成と確認

# バイナリログの生成を有効にする
SET GLOBAL log_bin = 'ON';

# バイナリログのフォーマットをROWに設定
SET GLOBAL binlog_format = 'ROW';

# バイナリログの内容を確認
SHOW BINLOG EVENTS;

レプリケーションの設定

マスターサーバー

# レプリケーションユーザーを作成
CREATE USER 'repl_user'@'%' IDENTIFIED BY 'password';
GRANT REPLICATION SLAVE ON *.* TO 'repl_user'@'%';

# レプリケーションスレーブにアクセスを許可する
FLUSH PRIVILEGES;

スレーブサーバー

# レプリケーション設定
CHANGE MASTER TO
  MASTER_HOST='master_hostname',
  MASTER_USER='repl_user',
  MASTER_PASSWORD='password',
  MASTER_LOG_FILE='mysql-bin.000001',
  MASTER_LOG_POS=100;

# レプリケーションを開始
START SLAVE;

レプリケーションのステータス確認

# スレーブのステータス確認
SHOW SLAVE STATUS;

# マスターのステータス確認
SHOW MASTER STATUS;

レプリケーションの停止と再開

# レプリケーションを停止
STOP SLAVE;

# レプリケーションを再開
START SLAVE;

GTID (Global Transaction Identifier) を使ったレプリケーション

# GTIDモードを有効にする
SET GLOBAL gtid_mode=ON;

# GTIDを生成する
START TRANSACTION;
-- SQL文を実行
COMMIT;
# GTIDモードを有効にする
SET GLOBAL gtid_mode=ON;

# マスターのGTIDセットを設定
SET GLOBAL gtid_purged='xxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxx';

# レプリケーションを開始
START SLAVE;

レプリケーションエラー時の対処

# エラーログを確認
SHOW ERRORS;

# レプリケーションのスキップ
STOP SLAVE;
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER=1;
START SLAVE;
  • レプリケーションのトラブルシューティングは、エラーメッセージを丁寧に分析し、適切な処置を行うことが重要です。
  • GTIDは、レプリケーションの管理をより柔軟にする機能ですが、設定に注意が必要です。
  • レプリケーションの設定は慎重に行い、バックアップを必ず取得してください。
  • 上記のコードは基本的な例です。実際の環境に合わせて変更する必要があります。
  • レプリケーションツールの利用
    mysqlpump, mysqldump
  • レプリケーショントポロジー
    マスター-スレーブ、マルチマスター、カスケードレプリケーション
  • レプリケーションの種類
    ステートメントベースレプリケーション、ロウベースレプリケーション、ミックスレプリケーション
  • パフォーマンスチューニング
  • エラー発生時の対処
  • 特定のレプリケーション設定


「Replication and Binary Log System Variables」という用語は、MariaDBのレプリケーション機能において、バイナリログの生成やレプリケーションの動作を制御するシステム変数を指す一般的な表現です。

代替方法として、より具体的な表現や、同等の機能を持つ他の概念を検討することができます。

より具体的な表現

  • システム変数
    MariaDBの動作を制御する様々な変数の総称です。
  • レプリケーション設定変数
    レプリケーションのマスター/スレーブ関係、同期方法、エラー処理などを設定する変数群を指します。
  • バイナリログ関連変数
    バイナリログの生成、フォーマット、保存期間などを制御する変数群を指します。

同等の機能を持つ他の概念

  • GTID (Global Transaction Identifier)
    トランザクションを一意に識別するIDで、レプリケーションの管理に利用されます。
  • レプリケーションスレッド
    レプリケーション処理を実行するスレッドです。
  • レプリケーション設定ファイル
    レプリケーションの設定を記述したファイルです(my.cnfなど)。
  • バイナリログ
    レプリケーションの基となるデータの変更履歴を記録したファイルです。

なぜ代替表現が必要か?

  • 他の技術との比較
    他のデータベースシステムや技術との比較を行う際に、共通の用語を用いることができます。
  • 文脈に合わせた表現
    文脈に合わせて、より適切な表現を選ぶことができます。
  • より正確な表現
    特定の変数や機能をより明確に指し示すことができます。
  • 「レプリケーションとバイナリログシステム変数の関係」 の代わりに
    • 「バイナリログがレプリケーションに与える影響」
    • 「レプリケーションにおけるバイナリログの役割」
  • 「バイナリログシステム変数を調整する」 の代わりに
    • 「バイナリログの生成設定を変更する」
    • 「レプリケーションの設定をチューニングする」

「Replication and Binary Log System Variables」は、MariaDBのレプリケーション機能における重要な概念ですが、より具体的な表現や、同等の機能を持つ他の概念を用いることで、より正確かつ詳細な説明が可能になります。

  • どのような文章の中でこの用語を使いたいのか
  • 対象読者は誰なのか
  • どの程度の技術的な詳細度で説明したいのか
  • 「特定のエラーが発生した際に、この用語を使ってトラブルシューティングの方法を説明したいのですが、どのように表現すれば良いでしょうか?」
  • 「初心者向けにレプリケーションを説明する際に、この用語をどのように言い換えれば良いでしょうか?」