SQL_SLAVE_SKIP_COUNTERを使わずにMariaDBレプリケーションエラーを解決する5つの方法
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
は、MariaDB レプリケーションにおいて、スレーブサーバーがマスタサーバーから受信したイベントの一部をスキップするために使用される変数です。これは、レプリケーションエラーが発生した場合に、問題のあるイベントをスキップしてレプリケーションを再開するために役立ちます。
構文
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER = value;
パラメータ
value
: スキップするイベントの数。デフォルトは 1 です。
使い方
- スレーブサーバーを停止します。
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用して、スキップするイベントの数を設定します。- スレーブサーバーを起動します。
例
次の例では、スレーブサーバーがマスタサーバーから受信した次の 10 件のイベントをスキップします。
STOP SLAVE;
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER = 10;
START SLAVE;
注意事項
- GTID レプリケーションを使用している場合は、
SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用できません。 SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用する前に、レプリケーションエラーの原因を特定し、根本的な解決策を見つけることが重要です。SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用すると、データの不一致が発生する可能性があります。
代替手段
SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
の代わりに、以下の方法を使用することもできます。
PURGE MASTER LOGS
ステートメントを使用して、マスタサーバーのバイナリログの一部を削除します。CHANGE MASTER TO
ステートメントを使用して、マスタサーバーの別の位置からレプリケーションを開始します。
- レプリケーションエラーが発生した場合は、まず根本的な原因を特定し、適切な解決策を講じてください。
SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
は、レプリケーションのトラブルシューティングに役立つ便利なツールですが、慎重に使用することが重要です。
手順
- スレーブサーバーを停止する
STOP SLAVE;
- 問題のあるイベントをスキップする
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER = 5;
- スレーブサーバーを起動する
START SLAVE;
- レプリケーションステータスを確認する
SHOW SLAVE STATUS \G;
説明
STOP SLAVE
ステートメントを使用して、スレーブサーバーを停止します。SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
ステートメントを使用して、スキップするイベントの数を設定します。この例では、5 件のイベントがスキップされます。START SLAVE
ステートメントを使用して、スレーブサーバーを起動します。SHOW SLAVE STATUS
ステートメントを使用して、レプリケーションステータスを確認します。Slave_Running
がYes
であることを確認してください。
SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用すると、データの不一致が発生する可能性があることに注意してください。レプリケーションエラーが発生した場合は、根本的な原因を特定し、適切な解決策を講じることが重要です。- この例では、5 件のイベントをスキップするように設定していますが、実際にはスキップする必要があるイベントの数を指定する必要があります。
- レプリケーションのトラブルシューティングの詳細については、MariaDB ドキュメントを参照してください。
- GTID レプリケーションを使用している場合は、
SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用できません。代わりに、SET @@gtid_slave_pos
を使用して、特定の GTID 位置にスキップする必要があります。
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
は、MariaDB レプリケーションで問題が発生した場合に、スレーブサーバーがマスタサーバーから受信したイベントの一部をスキップするために使用される便利な変数です。しかし、SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
には、データ損失の可能性や根本的な問題の解決回避などのいくつかの欠点があります。
そこで、状況に応じて SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
の代替手段として検討できる以下の方法をご紹介します。
CHANGE MASTER TO を使用する
CHANGE MASTER TO
ステートメントを使用すると、スレーブサーバーがマスタサーバーの別の位置からレプリケーションを開始するように指示できます。これにより、問題のあるイベントをスキップして、レプリケーションを再開することができます。
利点
- 根本的な問題を解決するのに役立つ可能性がある
- データ損失のリスクが低い
欠点
- レプリケーション遅延が発生する可能性がある
- 問題のあるイベントが特定できない場合、適用するのが難しい場合がある
例
CHANGE MASTER TO
MASTER_HOST = '<マスタサーバーのホスト名>',
MASTER_PORT = 3306,
MASTER_USER = '<マスタサーバーのユーザー名>',
MASTER_PASSWORD = '<マスタサーバーのパスワード>',
MASTER_LOG_FILE = '<マスタサーバーのバイナリログファイル名>',
MASTER_LOG_POS = <マスタサーバーのバイナリログ位置>;
PURGE MASTER LOGS を使用する
PURGE MASTER LOGS
ステートメントを使用すると、マスタサーバーのバイナリログの一部を削除できます。これにより、問題のあるイベントがバイナリログから削除され、スレーブサーバーがそのイベントをスキップしてレプリケーションを再開できるようになります。
利点
- 問題のあるイベントを簡単に特定できる場合に役立つ
欠点
- 根本的な問題を解決するのに役立たない可能性がある
- データ損失のリスクがある
例
PURGE MASTER LOGS UNTIL <バイナリログ位置>;
手動でスレーブサーバーを同期する
問題のあるイベントを特定できる場合は、手動でスレーブサーバーを同期するという方法もあります。これには、以下の手順が含まれます。
- スレーブサーバーを停止します。
- 問題のあるイベントを特定し、スレーブサーバーから削除します。
- マスタサーバーから最新のバイナリログファイルをスレーブサーバーにコピーします。
- スレーブサーバーを起動します。
利点
- データ損失のリスクを完全に排除できる
欠点
- 専門知識が必要
- 時間がかかり、複雑な操作になる可能性がある
待機して問題が解決されるのを待つ
まれに、問題が一時的なものであり、自然に解決される場合もあります。その場合は、待機して問題が解決されるのを待つこともできます。
利点
- 最も簡単で安全な方法
欠点
- その間にデータ損失が発生する可能性がある
- 問題が解決するまでに時間がかかる場合がある
最適な代替手段を選択する
最適な代替手段は、状況によって異なります。問題を特定できる場合は、CHANGE MASTER TO
または PURGE MASTER LOGS
を使用するのが良いでしょう。問題を特定できない場合は、手動でスレーブサーバーを同期するか、待機して問題が解決されるのを待つことを検討する必要があります。
- レプリケーションのトラブルシューティングの詳細については、MariaDB ドキュメントを参照してください。
GTID レプリケーション
を使用している場合は、SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER
を使用できません。代わりに、SET @@gtid_slave_pos
を使用して、特定の GTID 位置にスキップする必要があります。