MariaDB の MAKE_SET 関数: ユーザーの関心事リストの作成からステータス生成まで


MariaDB の MAKE_SET 関数は、数値表現に基づいて、一連の文字列値をカンマ区切りのリストとして返します。これは、フラグや設定を表すビットマスクを処理する際に役立ちます。

構文

MAKE_SET(value, str1, str2, ...)

引数

  • str1, str2, ...: 各ビットに対応する文字列値
  • value: ビットマスクとして解釈される数値表現

戻り値

  • ビットマスク内のセットビットに対応する文字列値のカンマ区切りのリスト。NULL 値は結果に含まれません。

次の例では、interests テーブルに interests 列があり、各エントリがユーザーの関心事をビットマスクとして保存していると仮定します。

SELECT user_id, MAKE_SET(interests, 'music', 'sports', 'gaming') AS interests_list
FROM interests;

このクエリは、各ユーザーの ID と、そのユーザーの関心事に基づいて生成された関心事リストを返します。

  • MAKE_SET 関数は、MariaDB 5.0.15 以降で使用できます。
  • MAKE_SET 関数は、ビットマスクを処理する際の便利なツールですが、より複雑な操作には適していない場合があります。そのような場合は、BIT_AND, BIT_OR, BIT_XOR などの他のビット操作関数を使用することを検討してください。


例 1: ユーザーの関心事リストの作成

SELECT user_id, MAKE_SET(interests, 'music', 'sports', 'gaming') AS interests_list
FROM interests;

例 2: フラグに基づいてステータスを生成する

この例では、orders テーブルに status 列があり、各エントリが注文ステータスを表すビットマスクとして保存していると仮定します。

SELECT order_id, MAKE_SET(status, 'pending', 'processed', 'shipped', 'delivered') AS status_description
FROM orders;

このクエリは、各注文の ID と、その注文のステータスに基づいて生成されたステータス説明を返します。

例 3: ビットマスクをバイナリ表現に変換する

この例では、settings テーブルに settings 列があり、各エントリが設定を表すビットマスクとして保存していると仮定します。

SELECT setting_id, CONVERT(MAKE_SET(settings, 'enabled', 'disabled'), BINARY) AS binary_representation
FROM settings;

このクエリは、各設定の ID と、その設定のビットマスクに基づいて生成されたバイナリ表現を返します。



しかし、状況によっては MAKE_SET 関数以外の方法の方が適切な場合があります。以下に、いくつかの代替方法をご紹介します。

文字列連結

単純なケースでは、CONCAT() 関数と IF() 関数を使用して、文字列を連結することで、MAKE_SET 関数と同等の結果を得ることができます。

SELECT
  user_id,
  CONCAT(
    IF(interests & 1, 'music', ''),
    IF(interests & 2, ',sports', ''),
    IF(interests & 4, ',gaming', '')
  ) AS interests_list
FROM interests;

サブクエリ

より複雑なケースでは、サブクエリを使用して、ビットマスク内の各ビットに対応する値を抽出することができます。

SELECT
  user_id,
  (
    SELECT GROUP_CONCAT(interest_name)
    FROM interests_map
    WHERE interests_map.user_id = interests.user_id
    AND interests_map.interest_bit & interests.interests
  ) AS interests_list
FROM interests;

ユーザー定義関数

上記のいずれの方法もニーズに合わない場合は、独自のユーザー定義関数 (UDF) を作成することができます。UDF は、より柔軟性と制御性を提供します。

CREATE FUNCTION make_set(value INT, str1 VARCHAR(255), ...)
RETURNS VARCHAR(255)
BEGIN
  DECLARE result VARCHAR(255);
  SET result = '';

  IF value & 1 THEN
    SET result = CONCAT(result, str1, ',');
  END IF;

  -- 他のビットマスク値に対して同様の処理を実行する

  RETURN result;
END;