MariaDBでGeoJSONを使って空間データを最大限に活用する: 高度なテクニック
GeoJSONデータの保存
MariaDBでGeoJSONデータを保存するには、適切なデータ型を使用する必要があります。MariaDB Spatial拡張機能を使用すると、GEOMETRY
、GEOGRAPHY
、POLYGON
、MULTIPOINT
などの空間データ型が利用可能になります。
CREATE TABLE geojson_data (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
geojson_data GEOMETRY NOT NULL
);
上記の例では、geojson_data
という名前のテーブルを作成し、id
列を主キーとしています。geojson_data
列はGEOMETRY
データ型で、GeoJSONデータを保存します。
GeoJSONデータをテーブルに挿入するには、以下のようなINSERT文を使用します。
INSERT INTO geojson_data (geojson_data)
VALUES (
ST_GeomFromGeoJSON('{"type": "Point", "coordinates": [123.456, 45.678]}')
);
上記の例では、緯度123.456度、経度45.678度の点を表すGeoJSONデータをgeojson_data
列に挿入します。
GeoJSONデータの検索
MariaDB Spatial拡張機能には、様々な空間データ操作のための関数群が用意されています。これらの関数を使って、GeoJSONデータの検索や分析を行うことができます。
例えば、特定の範囲内のGeoJSONデータを取得するには、以下のようなSELECT文を使用します。
SELECT *
FROM geojson_data
WHERE ST_Within(geojson_data, ST_GeomFromText('POLYGON((123 45, 124 45, 124 46, 123 46, 123 45))'));
上記の例では、POLYGON((123 45, 124 45, 124 46, 123 46, 123 45))
で指定された範囲内に含まれるすべてのGeoJSONデータを取得します。
GeoJSONデータの更新
GeoJSONデータを更新するには、UPDATE文を使用します。例えば、特定のIDを持つGeoJSONデータの座標を更新するには、以下のようなUPDATE文を使用します。
UPDATE geojson_data
SET geojson_data = ST_SetPoint(geojson_data, 1, 124, 46)
WHERE id = 1;
上記の例では、id
が1であるGeoJSONデータの最初のポイントの座標を124.0度、46.0度に更新します。
GeoJSONデータの削除
GeoJSONデータを削除するには、DELETE文を使用します。例えば、特定のIDを持つGeoJSONデータを削除するには、以下のようなDELETE文を使用します。
DELETE FROM geojson_data
WHERE id = 1;
上記の例では、id
が1であるGeoJSONデータを削除します。
GeoJSONデータの分析
MariaDB Spatial拡張機能には、様々な空間データ分析のための関数群が用意されています。これらの関数を使って、GeoJSONデータの距離計算、面積計算、重心計算などを行うことができます。
例えば、2つのGeoJSONデータ間の距離を計算するには、以下のようなSELECT文を使用します。
SELECT ST_Distance(geojson_data1, geojson_data2)
FROM geojson_data, geojson_data
WHERE id = 1 AND id2 = 2;
上記の例では、id
が1と2であるGeoJSONデータ間の距離を計算します。
- GeoJSONデータは、緯度経度情報をテキスト形式で表現するため、空間データの精度が低下する可能性があります。より高精度な空間データ処理には
- 上記はMariaDBでGeoJSONを使って空間データ操作を行うための基本的な例です。より複雑な操作を行う場合は、MariaDB Spatial Manualを参照してください。
GeoJSONデータの生成
以下のコードは、GeoJSON形式のPoint、LineString、Polygonデータを作成する関数です。
import json
def create_point(longitude, latitude):
"""
緯度経度情報からGeoJSON形式のPointデータを作成する関数
Args:
longitude: 経度
latitude: 緯度
Returns:
GeoJSON形式のPointデータ
"""
return {
"type": "Point",
"coordinates": [longitude, latitude]
}
def create_linestring(coordinates):
"""
座標リストからGeoJSON形式のLineStringデータを作成する関数
Args:
coordinates: 座標リスト
Returns:
GeoJSON形式のLineStringデータ
"""
return {
"type": "LineString",
"coordinates": coordinates
}
def create_polygon(coordinates):
"""
座標リストからGeoJSON形式のPolygonデータを作成する関数
Args:
coordinates: 座標リスト
Returns:
GeoJSON形式のPolygonデータ
"""
return {
"type": "Polygon",
"coordinates": [coordinates]
}
GeoJSONデータの保存
以下のコードは、生成したGeoJSONデータをMariaDBテーブルに挿入する例です。
import mysql.connector
def insert_geojson_data(db_name, table_name, geojson_data):
"""
GeoJSONデータをMariaDBテーブルに挿入する関数
Args:
db_name: データベース名
table_name: テーブル名
geojson_data: GeoJSONデータ
Returns:
なし
"""
# データベース接続
conn = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="user",
password="password",
database=db_name
)
cursor = conn.cursor()
# GeoJSONデータをJSON形式に変換
json_data = json.dumps(geojson_data)
# GeoJSONデータをテーブルに挿入
sql = f"INSERT INTO {table_name} (geojson_data) VALUES (%s)"
cursor.execute(sql, (json_data,))
conn.commit()
# データベース接続を閉じる
cursor.close()
conn.close()
GeoJSONデータの検索
以下のコードは、特定の範囲内のGeoJSONデータを取得する例です。
import mysql.connector
def get_geojson_data_in_bounding_box(db_name, table_name, southwest_lng, southwest_lat, northeast_lng, northeast_lat):
"""
特定の範囲内のGeoJSONデータを取得する関数
Args:
db_name: データベース名
table_name: テーブル名
southwest_lng: 南西角の経度
southwest_lat: 南西角の緯度
northeast_lng: 北東角の経度
northeast_lat: 北東角の緯度
Returns:
GeoJSONデータのリスト
"""
# データベース接続
conn = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="user",
password="password",
database=db_name
)
cursor = conn.cursor()
# 範囲指定クエリ
sql = f"""
SELECT geojson_data
FROM {table_name}
WHERE ST_Within(geojson_data, ST_GeomFromText('POLYGON(({southwest_lng} {southwest_lat}, {northeast_lng} {southwest_lat}, {northeast_lng} {northeast_lat}, {southwest_lng} {northeast_lat}, {southwest_lng} {southwest_lat}))'));
"""
cursor.execute(sql)
# 結果の取得
results = cursor.fetchall()
geojson_data_list = []
for row in results:
geojson_data = json.loads(row[0])
geojson_data_list.append(geojson_data)
# データベース接続を閉じる
cursor.close()
conn.close()
return geojson_data_list
- WebサービスのURLと認証情報(必要な場合)を準備する
- CREATE TABLE文を使用して、GeoJSONデータを格納するためのテーブルを作成する
- INSERT文を使用して、Webサービスから取得したJSONデータをテーブルに格納する
以下の例では、https://geojson.example.com/data.json
というURLにあるGeoJSONデータをgeojson_data
というテーブルに格納します。
CREATE TABLE geojson_data (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
geojson_data JSON NOT NULL
);
INSERT INTO geojson_data (geojson_data)
SELECT JSON_VALUE(data, '$.features')
FROM (
SELECT *
FROM json_array(
LOAD_FILE('https://geojson.example.com/data.json')
) AS data
) AS data_table;
GeoJSONデータをGeoPandasを使って処理する
GeoPandasは、GeoJSONデータを含む地理空間データを操作するためのPythonライブラリです。GeoPandasを使用すると、MariaDBに保存されているGeoJSONデータを様々な方法で処理することができます。
例えば、GeoPandasを使って、特定の条件に合致するGeoJSONデータのみを選択したり、GeoJSONデータの形状を分析したりすることができます。
以下の例では、MariaDBからgeojson_data
テーブルのGeoJSONデータを取得し、緯度35度より北にあるデータのみを選択して、そのデータの重心座標を計算します。
import geopandas as gpd
import mysql.connector
# データベース接続
conn = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="user",
password="password",
database="test"
)
# GeoJSONデータの取得
sql = "SELECT geojson_data FROM geojson_data"
cursor = conn.cursor()
cursor.execute(sql)
results = cursor.fetchall()
# GeoJSONデータのリストを作成
geojson_data_list = []
for row in results:
geojson_data = json.loads(row[0])
geojson_data_list.append(geojson_data)
# GeoPandas GeoDataFrameに変換
gdf = gpd.GeoDataFrame(geojson_data_list, columns=["geometry"])
# 緯度35度より北にあるデータのみを選択
gdf_filtered = gdf[gdf['geometry'].y > 35]
# 重心座標を計算
centroid = gdf_filtered['geometry'].centroid()
# 結果を出力
print(centroid)
GeoJSONデータをPostGISと連携して処理する
PostGISは、空間データに特化したオープンソースの拡張機能です。PostGISをMariaDBに導入すると、より高度な空間データ処理機能を利用することができます。
例えば、PostGISを使用すると、GeoJSONデータの空間索引を作成したり、複雑な空間クエリを実行したりすることができます。
以下の手順で、MariaDBにPostGISを導入し、GeoJSONデータをPostGISで処理することができます。
- MariaDBにPostGISをインストールする
geojson_data
テーブルをPostGIS対応のテーブルに変換する- PostGISの空間関数を使用して、GeoJSONデータを処理する
以下の例では、geojson_data
テーブルをPostGIS対応のテーブルに変換し、そのデータの最寄り地点を計算します。
ALTER TABLE geojson_data
MODIFY COLUMN geojson_data GEOMETRY(SRID 4326);
SELECT ST_NearestPoint(point, geometry) AS nearest_point
FROM geojson_data AS data,
ST_GeomFromText('POINT(123.456 45.678)') AS point;
- GeoJSONデータは、緯度経度情報をテキスト形式で表現するため、空間データの精度が低下する可能性があります。より高精度な空間データ処理には、ShapefileやGeoTIFFなどの形式を使用することを検討してください。