MariaDBでIdentifier to File Name Mappingを理解し、プログラミング: パフォーマンス向上とファイルシステム整理を実現
Identifier to File Name Mapping の仕組み
MariaDB は、innodb_file_per_table
設定を使用して、各テーブルに対して個別の物理ファイルを作成します。この設定が有効な場合、データベースは ibdata1
などのデフォルトのファイル名ではなく、テーブル名に基づいたファイル名を使用します。
さらに、innodb_file_per_table_space
設定を使用して、テーブルスペースごとにファイル名フォーマットを定義することができます。これにより、複数のテーブルを単一のファイルシステムに格納したり、特定のテーブルスペースにパフォーマンス上の優先順位を付けたりすることができます。
Identifier to File Name Mapping のプログラミング
Identifier to File Name Mapping をプログラムで設定するには、次の方法があります。
innodb_file_per_table
およびinnodb_file_per_table_space
設定をmy.cnf
構成ファイルで設定する。
innodb_file_per_table=1
innodb_file_per_table_space=MY_TABLESPACE: autoextend_size=10M
ALTER TABLE
ステートメントを使用して、個々のテーブルのファイル名を明示的に設定する。
ALTER TABLE my_table
ENGINE=InnoDB
FILE_PER_TABLE
TABLESPACE MY_TABLESPACE;
CREATE TABLE
ステートメントでENGINE=InnoDB
オプションとFILE_PER_TABLE
オプションを指定する。
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
) ENGINE=InnoDB FILE_PER_TABLE;
Identifier to File Name Mapping の利点
- データベース管理の簡素化
個々のテーブルファイルを使用すると、特定のテーブルをバックアップしたり、復元したりすることが容易になります。 - ファイルシステムの整理
個々のテーブルファイルを使用すると、データベースファイルを論理的に整理しやすくなります。 - パフォーマンスの向上
個々のテーブルファイルを使用すると、データベースエンジンはテーブルデータに直接アクセスできるため、I/O 性能が向上します。
Identifier to File Name Mapping の注意点
- 複雑さの増加
個々のテーブルファイルを使用すると、データベース管理が複雑になる可能性があります。 - ファイルシステムのオーバーヘッド
個々のテーブルファイルを使用すると、ファイルシステムのオーバーヘッドが増加する可能性があります。
Identifier to File Name Mapping の例
次の例は、my_table
というテーブルのファイル名を my_table.ibf
に設定する方法を示しています。
ALTER TABLE my_table
ENGINE=InnoDB
FILE_PER_TABLE
TABLESPACE MY_TABLESPACE;
この例では、MY_TABLESPACE
というテーブルスペースが使用されます。このテーブルスペースが存在しない場合は、データベースエンジンによって自動的に作成されます。
- Identifier to File Name Mapping は、MySQL にも実装されています。
- Identifier to File Name Mapping は、MariaDB 5.5 以降で使用できます。
innodb_file_per_table と innodb_file_per_table_space 設定を my.cnf 構成ファイルで設定する
[mysqld]
innodb_file_per_table=1
innodb_file_per_table_space=MY_TABLESPACE: autoextend_size=10M
この設定は、すべてのテーブルに対して個別のファイルを作成し、MY_TABLESPACE
という名前のテーブルスペースに格納することを指定します。
ALTER TABLE ステートメントを使用して、個々のテーブルのファイル名を明示的に設定する
ALTER TABLE my_table
ENGINE=InnoDB
FILE_PER_TABLE
TABLESPACE MY_TABLESPACE;
このステートメントは、my_table
というテーブルのファイル名を my_table.ibf
に設定します。
CREATE TABLE ステートメントで ENGINE=InnoDB オプションと FILE_PER_TABLE オプションを指定する
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
) ENGINE=InnoDB FILE_PER_TABLE;
ファイルシステムパスの指定
上記の例では、ファイル名はデフォルトのデータディレクトリ内に作成されます。ファイルシステムパスを明示的に指定するには、FILE_PER_TABLE
オプションと DATAFILE
オプションを組み合わせて使用します。
ALTER TABLE my_table
ENGINE=InnoDB
FILE_PER_TABLE
DATAFILE '/path/to/data/my_table.ibf'
TABLESPACE MY_TABLESPACE;
このステートメントは、my_table
というテーブルのファイル名を /path/to/data/my_table.ibf
に設定します。
FILE_PER_TABLE
オプションとDATAFILE
オプションを組み合わせて使用する場合、DATAFILE
オプションで指定したファイルが存在する必要があります。innodb_file_per_table
設定とinnodb_file_per_table_space
設定は、互いに排他的です。どちらか一方のみを設定できます。- 上記のコードは、MariaDB 5.5 以降で使用できます。
しかし、Identifier to File Name Mapping にはいくつかの欠点があります。
- 複雑さの増加
個々のテーブルファイルを使用すると、データベース管理が複雑になる可能性があります。 - ファイルシステムのオーバーヘッド
個々のテーブルファイルを使用すると、ファイルシステムのオーバーヘッドが増加する可能性があります。
これらの欠点を回避するために、Identifier to File Name Mapping の代替方法をいくつか検討することができます。
パーティショニング
パーティショニングは、大きなテーブルを論理的に分割し、複数の小さなテーブルに格納する方法です。これにより、I/O 性能を向上させ、ファイルシステムのオーバーヘッドを削減することができます。
例
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255),
created_at DATE
)
PARTITION BY RANGE (created_at) (
PARTITION p2023_01 VALUES LESS THAN (2023-02-01),
PARTITION p2023_02 VALUES LESS THAN (2023-03-01),
PARTITION p2023_03 VALUES LESS THAN (2023-04-01),
...
);
この例では、my_table
テーブルは、created_at
列の値に基づいて月ごとにパーティション化されます。
ファイルグループ
ファイルグループは、複数のテーブルファイルを論理的にグループ化する機能です。これにより、特定のテーブルスペースにパフォーマンス上の優先順位を付けたり、特定のストレージデバイスにテーブルファイルを格納したりすることができます。
例
CREATE FILESPACE my_filespace ENGINE=InnoDB
DEFAULT_TABLESPACE my_filespace
DATAFILE '/path/to/data/my_filespace.ibf';
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
) ENGINE=InnoDB TABLESPACE my_filespace;
この例では、/path/to/data/my_filespace.ibf
という名前のファイルスペースが作成され、my_table
テーブルはこのファイルスペースに格納されます。
シンボリックリンク
シンボリックリンクは、物理ファイルと論理ファイル間のリンクを作成する方法です。これにより、個々のテーブルファイルを使用せずに、Identifier to File Name Mapping の利点を享受することができます。
例
ln -s /path/to/data/my_table.ibf /data/my_table.ibf
この例では、/path/to/data/my_table.ibf
という物理ファイルへのシンボリックリンクが /data/my_table.ibf
という名前で作成されます。
外部ストレージ
外部ストレージ (NFS や Ceph など) を使用すると、データベースファイルをネットワーク上の別の場所に格納することができます。これにより、ファイルシステムのオーバーヘッドを削減し、ストレージ容量を拡張することができます。
例
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255)
) ENGINE=InnoDB
DATAFILE 'nfs://storage-server/data/my_table.ibf';
この例では、my_table
テーブルのファイルは、nfs://storage-server/data/my_table.ibf
というネットワーク上の場所にあります。