WKBデータから空間データを作成:MariaDBのST_GeomCollFromWKB関数徹底解説
ST_GeomCollFromWKB は、MariaDB の空間データ型である GEOMETRYCOLLECTION を、Well-Known Binary (WKB) フォーマットのバイナリ表現から構築するための関数です。この関数は、WKB データをデータベースに格納または処理する場合に役立ちます。
構文
ST_GeomCollFromWKB(wkb <binary>, srid <integer>)
引数
srid
: 空間参照系識別子 (SRID)。wkb
: WKB フォーマットのバイナリ表現。
戻り値
GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データ。
例
SELECT ST_GeomCollFromWKB(0x00000001010000000102000000050000000100000005000000010000000500000001000000, 4326);
この例では、WKB フォーマットのバイナリ表現と SRID 4326 (WGS84) を使用して、GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成しています。
使い方
ST_GeomCollFromWKB 関数は、WKB データをデータベースに格納する場合や、WKB データを他の空間データ型に変換する場合に使用できます。
例
INSERT INTO geometry_column (geometry)
VALUES (ST_GeomCollFromWKB(0x00000001010000000102000000050000000100000005000000010000000500000001000000, 4326));
SELECT ST_AsText(ST_Transform(geometry, 3857));
この例では、WKB フォーマットのバイナリ表現と SRID 4326 を使用して GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成し、geometry_column
テーブルに格納しています。その後、その空間データを SRID 3857 に変換して Well-Known Text (WKT) フォーマットで表示しています。
- ST_GeomCollFromWKB 関数は、GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データのみを構築できます。
- SRID は、空間データの座標系を識別するために使用されます。
- WKB フォーマットは、空間データの構造を定義するためのバイナリ表現です。
CREATE TABLE geometry_column (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
geometry GEOMETRYCOLLECTION
);
INSERT INTO geometry_column (geometry)
VALUES (ST_GeomCollFromWKB(0x00000001010000000102000000050000000100000005000000010000000500000001000000, 4326));
このコードは、geometry_column
という名前のテーブルを作成し、その中に geometry
という名前の列を追加します。この列は GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データ型です。その後、WKB フォーマットのバイナリ表現と SRID 4326 を使用して GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成し、geometry_column
テーブルの geometry
列に格納します。
例 2: WKB データを他の空間データ型に変換する
SELECT ST_AsText(ST_Transform(geometry, 3857));
このコードは、geometry_column
テーブルの geometry
列に格納されている空間データを SRID 3857 に変換して WKT フォーマットで表示します。
例 3: WKB データを複数のジオメトリに変換する
SELECT ST_AsText(ST_Multi(ST_GeomCollFromWKB(0x00000001010000000102000000050000000100000005000000010000000500000001000000, 4326)));
このコードは、WKB フォーマットのバイナリ表現と SRID 4326 を使用して GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成し、それを複数のジオメトリに変換して WKT フォーマットで表示します。
例 4: WKB データを使用して空間クエリを実行する
SELECT * FROM geometry_column
WHERE ST_Intersects(geometry, ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 1 0, 1 1, 0 1, 0 0))', 4326));
このコードは、geometry_column
テーブルの geometry
列に格納されている空間データと、WKT フォーマットで指定されたポリゴンが交差するかどうかを調べます。
- SRID の詳細については、EPSG Geodetic Datum Registry を参照してください。
- WKB フォーマットの詳細については、Open Geospatial Consortium の文書を参照してください。
- 上記のコードはあくまで例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
代替方法の選択
ST_GeomCollFromWKB
関数の代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- 処理速度:
ST_GeomCollFromWKB
関数は比較的処理速度が遅い場合があるため、より高速な代替方法が必要になる場合があります。 - 作成したい空間データの型:GEOMETRYCOLLECTION 型以外にも、POINT、LINESTRING、POLYGON などの型を作成する場合があります。
- 入力データの形式:WKB フォーマット以外にも、GeoJSON や WKT フォーマットなどの形式で空間データを入力する場合があります。
代替方法
以下に、ST_GeomCollFromWKB
関数の代替方法の例をいくつか紹介します。
**ST_Union` 関数:複数の空間データをオーバーレイして新しい空間データを作成します。
**ST_Multi` 関数:複数の空間データを結合して新しい空間データを作成します。
**ST_GeomFromText` 関数:WKT フォーマットの文字列から空間データを作成します。
**ST_GeomFromGeoJSON` 関数:GeoJSON フォーマットの文字列から空間データを作成します。
例
GeoJSON フォーマットの文字列から GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成する
SELECT ST_AsText(ST_GeomCollFromGeoJSON('{"type":"GeometryCollection","geometries":[{"type":"Polygon","coordinates":[[[0,0],[1,0],[1,1],[0,1],[0,0]]]},{"type":"Point","coordinates":[2,2]}],"properties":{"name":"My GeometryCollection"}}'));
WKT フォーマットの文字列から GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成する
SELECT ST_AsText(ST_GeomCollFromText('GEOMETRYCOLLECTION(POLYGON((0 0, 1 0, 1 1, 0 1, 0 0)),POINT(2 2))'));
複数の空間データを結合して GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成する
SELECT ST_AsText(ST_Multi(ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 1 0, 1 1, 0 1, 0 0))'), ST_GeomFromText('POINT(2 2)')));
複数の空間データをオーバーレイして GEOMETRYCOLLECTION 型の空間データを作成する
SELECT ST_AsText(ST_Union(ST_GeomFromText('POLYGON((0 0, 1 0, 1 1, 0 1, 0 0))'), ST_GeomFromText('POINT(2 2)')));
- 上記の例はあくまで一例であり、状況に合わせて変更する必要があります。