FIND_IN_SET関数を超えた!MariaDBにおける高度な文字列検索テクニック


FIND_IN_SET関数は、MariaDBにおいて、","(カンマ)で区切られた文字列リスト(SET型)の中で、特定の文字列が何番目に出現するかを返す関数です。

構文

FIND_IN_SET(search_string, set_string)

引数

  • set_string: ","で区切られた文字列リスト
  • search_string: 検索対象となる文字列

戻り値

  • search_string内に**","**(カンマ)が含まれている場合、正しい結果が返されない可能性があります。
  • いずれかの引数がNULLの場合、NULLが返されます。
  • search_stringset_string内に見つからない場合、0が返されます。
  • search_stringset_string内に見つかった場合、その文字列がリストの中で何番目に出現するかを示す1ベースのインデックスが返されます。

SELECT FIND_IN_SET('orange', 'apple,banana,orange,grape');

この例では、FIND_IN_SET('orange', 'apple,banana,orange,grape')3を返します。これは、"orange"が","で区切られた文字列リスト"apple,banana,orange,grape"の中で3番目に出現することを意味します。

SELECT FIND_IN_SET('kiwi', 'apple,banana,orange,grape');

この例では、FIND_IN_SET('kiwi', 'apple,banana,orange,grape')0を返します。これは、"kiwi"が"apple,banana,orange,grape"内に見つからないことを意味します。

注意事項

  • FIND_IN_SET関数は、正規表現には対応していません。
  • FIND_IN_SET関数は、インデックスを使用できないため、パフォーマンスが遅い可能性があります。
  • FIND_IN_SET関数は、SET型の列に対してのみ使用できます。
  • FIND_IN_SET関数は、","(カンマ)で区切られた文字列リストのみを処理できます。

代替手段

FIND_IN_SET関数の代わりに、以下の方法を使用することもできます。

  • SUBSTRING_INDEX関数:文字列リストから特定の部分文字列を抽出するために使用できます。
  • IN句:特定の文字列がリスト内に存在するかどうかを確認するために使用できます。
  • LIKE句:より柔軟な検索に使用できます。


-- usersテーブル
CREATE TABLE users (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  username VARCHAR(255) NOT NULL,
  roles VARCHAR(255) NOT NULL
);

-- rolesテーブル
CREATE TABLE roles (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  role_name VARCHAR(255) NOT NULL
);

-- ユーザーとロールを挿入する
INSERT INTO users (username, roles) VALUES ('alice', 'admin,editor');
INSERT INTO users (username, roles) VALUES ('bob', 'editor');

-- 特定のユーザーが特定のロールを持っているかどうかを確認する
SELECT username,
       FIND_IN_SET('admin', roles) AS is_admin,
       FIND_IN_SET('editor', roles) AS is_editor
FROM users;

このクエリを実行すると、以下の結果が得られます。

username | is_admin | is_editor
------- | -------- | --------
alice    | 1        | 2
bob     | 0        | 2

例2:特定のカテゴリに属する製品を検索する

この例では、productsテーブルを使用して、特定のカテゴリに属する製品を検索します。

-- productsテーブル
CREATE TABLE products (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  product_name VARCHAR(255) NOT NULL,
  categories VARCHAR(255) NOT NULL
);

-- 製品とカテゴリを挿入する
INSERT INTO products (product_name, categories) VALUES ('Laptop', 'electronics,laptops');
INSERT INTO products (product_name, categories) VALUES ('Book', 'books,literature');
INSERT INTO products (product_name, categories) VALUES ('Phone', 'electronics,smartphones');

-- 特定のカテゴリに属する製品を検索する
SELECT product_name
FROM products
WHERE FIND_IN_SET('electronics', categories) > 0;
product_name
-----------
Laptop
Phone

例3:記事にタグが含まれているかどうかを確認する

この例では、articlesテーブルとtagsテーブルを使用して、記事に特定のタグが含まれているかどうかを確認します。

-- articlesテーブル
CREATE TABLE articles (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  title VARCHAR(255) NOT NULL,
  tags VARCHAR(255) NOT NULL
);

-- tagsテーブル
CREATE TABLE tags (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  tag_name VARCHAR(255) NOT NULL
);

-- 記事とタグを挿入する
INSERT INTO articles (title, tags) VALUES ('Introduction to Machine Learning', 'machine learning,artificial intelligence');
INSERT INTO articles (title, tags) VALUES ('Web Development 101', 'web development,html,css');
INSERT INTO articles (title, tags) VALUES ('Cooking for Beginners', 'cooking,food,recipes');

-- 記事に特定のタグが含まれているかどうかを確認する
SELECT title,
       FIND_IN_SET('machine learning', tags) AS has_machine_learning_tag,
       FIND_IN_SET('web development', tags) AS has_web_development_tag,
       FIND_IN_SET('cooking', tags) AS has_cooking_tag
FROM articles;
title                                          | has_machine_learning_tag | has_web_development_tag | has_cooking_tag
-------------------------------------------------|--------------------------|-------------------------|-----------------
Introduction to Machine Learning                | 1                       | 0                      | 0
Web Development 101                            | 0                       | 1                      | 0
Cooking for Beginners                           | 0                       | 0                      | 1

これらの例は、FIND_IN_SET関数の使用方法をほんの一例です。この関数は、さまざまな状況で使用できる汎用的なツールです。

  • 上記の例では、`","**(カンマ)で区切られた文字列リストのみを処理するFIND_IN_SET関数の制限について説明していません。これは、パフォーマンスと正確性の問題を引き起こす可能性があるため、重要な考慮事項です。


制限事項

  • 柔軟性
    正規表現などの高度な検索機能に対応していません。
  • 精度
    検索文字列に","が含まれている場合、誤った結果が返される可能性があります。
  • パフォーマンス
    FIND_IN_SET関数はインデックスを使用できないため、処理速度が遅くなる可能性があります。

これらの制限を克服するために、状況に応じて以下の代替方法を検討することをお勧めします。

LIKE句

  • 例:
  • ワイルドカードやパターンを使用して、部分一致検索や前方一致検索などを実行できます。
  • より柔軟な検索に使用できます。
SELECT * FROM users WHERE roles LIKE '%admin%';

このクエリは、"admin"を含むロールを持つすべてのユーザーを検索します。

IN句

  • 例:
  • より高速で正確な場合がある
  • 特定の文字列がリスト内に存在するかどうかを確認するために使用できます。
SELECT * FROM users WHERE roles IN ('admin', 'editor');

このクエリは、"admin"または"editor"のいずれかのロールを持つすべてのユーザーを検索します。

SUBSTRING_INDEX関数

  • 例:
  • FIND_IN_SET関数よりも高速で正確な場合がある
  • 文字列リストから特定の部分文字列を抽出するために使用できます。
SELECT SUBSTRING_INDEX(roles, ',', 1) AS first_role
FROM users;

このクエリは、各ユーザーの最初のロールを抽出します。

正規表現

  • 例:
  • 大文字と小文字の区別、単語の境界、繰り返しなどに対応できます。
  • より複雑な検索パターンを処理できます。
SELECT * FROM products WHERE categories REGEXP '^(electronics|books)';

このクエリは、「electronics」または「books」カテゴリに属するすべての製品を検索します。

JSONデータ型

  • 例:
  • FIND_IN_SET関数よりも柔軟で強力です。
  • 構造化されたデータの保存と検索に適しています。
-- usersテーブルをJSONデータ型に変更
ALTER TABLE users MODIFY roles JSON;

-- ユーザーとロールをJSON形式で挿入
INSERT INTO users (username, roles) VALUES ('alice', JSON_OBJECT('roles', ['admin', 'editor']));
INSERT INTO users (username, roles) VALUES ('bob', JSON_OBJECT('roles', ['editor']));

-- 特定のユーザーが特定のロールを持っているかどうかを確認する
SELECT username,
       JSON_CONTAINS(roles, 'admin') AS is_admin,
       JSON_CONTAINS(roles, 'editor') AS is_editor
FROM users;

このクエリは、FIND_IN_SET関数よりも効率的に同じ結果を達成します。