パスワードや機密データを安全に守る!MariaDBのENCRYPT関数の使い方


ENCRYPT(data, password)

引数

  • password: 暗号化に使用されるパスワード。強力なパスワードを設定することが重要です。
  • data: 暗号化対象の文字列。バイナリデータまたはテキストデータであることができます。

戻り値

暗号化されたバイナリ文字列を返します。データの長さは、暗号化アルゴリズムと入力データの長さに依存します。

動作

ENCRYPT()関数は、入力データとパスワードを使用して、暗号化アルゴリズム(AES-256がデフォルト)で暗号化されたバイナリ文字列を生成します。生成された暗号化テキストは、復号化キーなしでは判読できません。

利点

  • データの機密性を保持:データを暗号化することで、たとえデータベースが侵害されたとしても、データが安全に保たれます。
  • コンプライアンス要件の遵守:PCI DSSや HIPAA などの規制を遵守するために、データを暗号化することが必要になる場合があります。
  • データを安全に保護:機密データを暗号化することで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを軽減できます。

使用例

パスワードを暗号化してデータベースに保存する例:

INSERT INTO users (username, password)
VALUES ('johndoe', ENCRYPT('mypassword', 's3cr3tp@ssw0rd'));

データを暗号化して列に保存する例:

CREATE TABLE encrypted_data (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  data BLOB NOT NULL,
  ENCRYPTED_DATA ENCRYPT(data, 'encryption_key')
);
  • すべてのデータを暗号化する必要はない:機密性の高いデータのみを暗号化することが重要です。暗号化は処理速度に影響を与えるため、すべてのデータを暗号化するとパフォーマンスが低下する可能性があります。
  • 暗号化キーを安全に保管する:暗号化キーは安全な場所に保管し、紛失しないようにする必要があります。
  • 強力なパスワードを使用する:パスワードは複雑で、推測しにくいものにする必要があります。


例1:パスワードの暗号化と保存

この例では、ユーザー名とパスワードをusersテーブルに保存する方法を示します。パスワードはENCRYPT()関数を使用して暗号化されます。

CREATE TABLE users (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  username VARCHAR(255) NOT NULL,
  password VARCHAR(255) NOT NULL
);

INSERT INTO users (username, password)
VALUES ('johndoe', ENCRYPT('mypassword', 's3cr3tp@ssw0rd'));

この例では、s3cr3tp@ssw0rdというパスワードを使用してmypasswordを暗号化しています。パスワードは暗号化された形式でpassword列に保存されます。

例2:機密データの暗号化と保存

この例では、機密データをencrypted_dataテーブルに保存する方法を示します。データはENCRYPT()関数を使用して暗号化されます。

CREATE TABLE encrypted_data (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  data BLOB NOT NULL,
  encrypted_data ENCRYPT(data, 'encryption_key')
);

INSERT INTO encrypted_data (data)
VALUES ('This is some confidential data.');

この例では、encryption_keyという暗号化キーを使用して機密データを暗号化しています。暗号化されたデータはencrypted_data列に保存されます。

例3:暗号化されたデータの復号化

この例では、encrypted_dataテーブルから暗号化されたデータを取得し、復号化する方法を示します。

SELECT decrypted_data
FROM encrypted_data
WHERE id = 1;

-- Decrypted data will be stored in the 'decrypted_data' variable

この例では、encryption_keyという暗号化キーを使用して、idが1であるレコードの暗号化されたデータが復号化されます。復号化されたデータはdecrypted_data変数に格納されます。



AES_ENCRYPT関数

  • 短所:
    • ENCRYPT関数よりも複雑です。
    • 追加の構成が必要になる場合があります。
  • 利点:
    • 暗号化アルゴリズムとキーの長さを指定できます。
    • データを暗号化するためのさまざまなモードを選択できます。
    • より高度なセキュリティ要件に適しています。
  • AES_ENCRYPT関数は、ENCRYPT関数と同様の暗号化機能を提供しますが、より多くのカスタマイズオプションを提供します。


SELECT AES_ENCRYPT('mypassword', 'encryption_key', 'aes-256-cbc');

この例では、encryption_keyを使用してmypasswordをAES-256-CBCモードで暗号化します。

DETERMINISTIC ENCRYPTION関数

  • 短所:
    • 暗号化されたデータを復元することはできません。
    • 特定のユースケースでのみ使用できます。
  • 利点:
    • データを安全に且つ不可逆的に暗号化できます。
    • パスワードの保存などのシナリオに適しています。
  • この関数は、データを非可逆的に暗号化し、元のデータを取得することはできません。パスワードの保存など、データの復元が不要な場合に適しています。


SELECT DETERMINISTIC_ENCRYPTION('mypassword');

この例では、mypasswordを非可逆的に暗号化します。

UUID生成関数

  • 短所:
    • データを暗号化することはできません。
    • 特定のユースケースでのみ使用できます。
  • 利点:
    • ランダムで一意な値を簡単に生成できます。
    • パスワードトークンや識別子の生成に適しています。
  • この関数は、ランダムなUUIDを生成します。パスワードのトークンや識別子などの、一意でランダムな値が必要な場合に適しています。


SELECT UUID();

この例では、新しいUUIDを生成します。

外部暗号化ライブラリ

  • 短所:
    • MariaDBと統合する必要があります。
    • 開発と実装がより複雑になる可能性があります。
  • 利点:
    • 幅広い暗号化アルゴリズムとオプションを提供します。
    • 複雑なセキュリティ要件に対応できます。
  • MariaDB以外の暗号化ライブラリを使用することもできます。これにより、より多くの暗号化アルゴリズムやオプションを利用することができます。


-- ライブラリのインストールとロード
INSTALL EXTERNAL LIBRARY 'my_encryption_lib';

-- ライブラリ関数を使用してデータを暗号化
SELECT my_encryption_lib.encrypt_data('mypassword', 'encryption_key');

この例は架空のものであり、実際のライブラリのインストールと使用方法については、そのライブラリのドキュメントを参照する必要があります。

最適な代替方法の選択

最適な代替方法は、特定の要件によって異なります。以下の点を考慮する必要があります。

  • コンプライアンス
    準拠する必要があるデータ暗号化に関する規制や要件を特定します。
  • パフォーマンス
    暗号化処理がアプリケーションのパフォーマンスに与える影響を評価します。
  • 使いやすさ
    必要な機能と、実装および管理の容易さを考慮します。
  • セキュリティ要件
    データの機密性レベルと、必要な暗号化強度を評価します。