パフォーマンス監視のヒント:CONNECTION_IDで特定の接続を追跡する方法


構文

CONNECTION_ID()

戻り値

現在の接続の CONNECTION_ID を整数として返します。


SELECT CONNECTION_ID();

出力

+------------+
| CONNECTION_ID() |
+------------+
|            12 |
+------------+

用途

  • 特定の接続の追跡
    アプリケーションで複数の接続を使用している場合、特定の接続を追跡するために使用できます。
  • パフォーマンス分析
    特定の接続がサーバーリソースをどれだけ使用しているかを追跡するために使用できます。
  • デバッグ
    特定の接続が問題を引き起こしているかどうかを判断するために使用できます。

注意事項

  • MariaDB 10.3.1 以降では、CONNECTION_ID は int(10) 型で返されます。それ以前のバージョンでは、bigint(10) 型で返されていました。
  • CONNECTION_ID は、サーバーが再起動されるたびにリセットされます。
  • CONNECTION_ID は、クライアント接続ごとに一意です。

デバッグ例

次の例では、接続 ID とクエリが実行されている接続に関する情報を表示するクエリを示します。これにより、問題を引き起こしている接続を特定するのに役立ちます。

SELECT id AS connection_id, user, host, IFNULL(CONCAT(SUBSTR(info, 1, 32), '...'), '') AS query
FROM information_schema.processlist;

パフォーマンス分析例

次の例では、接続 ID とその接続で使用されているリソースに関する情報を表示するクエリを示します。これにより、特定の接続がサーバーリソースをどれだけ使用しているかを追跡するのに役立ちます。

SELECT id AS connection_id, user, host, SUM(threads.cpu_time) AS cpu_time, SUM(threads.io_time) AS io_time
FROM information_schema.processlist
JOIN performance_schema.threads ON processlist.thread_id = threads.thread_id
GROUP BY id;

特定の接続の追跡例

次の例では、特定の接続 ID を持つ接続に関する情報を表示するクエリを示します。これにより、アプリケーションで複数の接続を使用している場合、特定の接続を追跡するのに役立ちます。

SELECT id AS connection_id, user, host, IFNULL(CONCAT(SUBSTR(info, 1, 32), '...'), '') AS query
FROM information_schema.processlist
WHERE id = 12;


デバッグ

目的
特定の接続が実行しているクエリを特定する

コード

SELECT connection_id, user, host, info
FROM information_schema.processlist
WHERE info LIKE '%SELECT%';

説明

このクエリは、information_schema.processlist テーブルからすべての接続を取得し、info 列に SELECT キーワードが含まれているものだけをフィルターします。これにより、SELECT ステートメントを実行している接続を特定できます。

結果

+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+
| connection_id | user   | host     | info                                                |
+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+
|           12 | root   | localhost | SELECT * FROM mydatabase.mytable;                 |
+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+
|           13 | appuser | 192.168.1.10 | SELECT id, name FROM myotherdatabase.othertable; |
+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+

パフォーマンス分析

目的
特定の接続で使用されている CPU 時間と IO 時間を追跡する

コード

SELECT id AS connection_id, user, host, SUM(threads.cpu_time) AS cpu_time, SUM(threads.io_time) AS io_time
FROM information_schema.processlist
JOIN performance_schema.threads ON processlist.thread_id = threads.thread_id
GROUP BY id;

説明

このクエリは、information_schema.processlist テーブルと performance_schema.threads テーブルを結合し、各接続で使用されている CPU 時間と IO 時間の合計を表示します。これにより、特定の接続がサーバーリソースをどれだけ使用しているかを追跡できます。

結果

+------------+--------+---------+------------+-------------+
| connection_id | user   | host     | cpu_time     | io_time     |
+------------+--------+---------+------------+-------------+
|           12 | root   | localhost | 0.00000200 | 0.00000100 |
|           13 | appuser | 192.168.1.10 | 0.00000300 | 0.00000050 |
+------------+--------+---------+------------+-------------+

目的
接続 ID 12 の接続に関する情報を表示する

コード

SELECT id AS connection_id, user, host, info
FROM information_schema.processlist
WHERE id = 12;

説明

このクエリは、information_schema.processlist テーブルから接続 ID 12 の接続を取得します。これにより、その接続に関するユーザー、ホスト、および実行中のクエリに関する情報を確認できます。

結果

+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+
| connection_id | user   | host     | info                                                |
+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+
|           12 | root   | localhost | SELECT * FROM mydatabase.mytable;                 |
+------------+--------+---------+-------------------------------------------------+

これらの例は、MariaDB で CONNECTION_ID を使用して接続をデバッグ、分析、および追跡する方法を示すほんの一例です。特定のニーズに合わせてクエリを調整できます。



セッション変数

  • 短所
    • 接続が終了すると失われます。
    • 複数の接続間で共有できません。
  • 長所
    • 特定の接続に関連付けられたデータを保存するために使用できます。
    • SET ステートメントを使用して簡単に設定および変更できます。


SET SESSION my_variable = 'value';
SELECT my_variable;

ユーザー定義変数

  • 短所
    • CREATE USER VARIABLE ステートメントを使用して作成する必要があります。
    • セッション変数ほど使いやすくありません。
  • 長所
    • セッション変数よりも永続的です。
    • サーバーの再起動後も保持されます。
    • 複数の接続間で共有できます。


CREATE USER VARIABLE my_variable VARCHAR(255) DEFAULT 'value';
SELECT my_variable;

独自の識別子

  • 短所
    • 実装と管理がより複雑になります。
    • MariaDB の組み込み機能ではありません。
  • 長所
    • 完全な制御が可能。
    • アプリケーション固有のニーズに合わせてカスタマイズできます。


SELECT UUID();

トランザクション ID

  • 短所
    • トランザクション外で使用することはできません。
    • 常に一意であるとは限りません。
  • 長所
    • すでにトランザクションを使用している場合に役立ちます。
    • トランザクションのライフサイクルに関連付けられています。


SELECT @@SESSION.transaction_id;

最適な代替方法の選択

最適な代替方法は、具体的なニーズによって異なります。

  • すでにトランザクションを使用している場合は、トランザクション ID を使用できます。
  • 完全な制御とカスタマイズが必要な場合は、独自の識別子を使用します。
  • より永続的なデータ保存には、ユーザー定義変数が適しています。
  • 単純な一時的なデータ保存には、セッション変数が適しています。
  • パフォーマンスとスケーラビリティの要件を考慮してください。
  • 既存のコードやインフラストラクチャと互換性のあるソリューションを選択してください。
  • 複雑さを避けるために、可能な限りシンプルな解決策を選択してください。