MariaDB ユーザー定義関数の代替:ストアドプロシージャ、組み込み関数

2025-05-31

MariaDB における "CREATE FUNCTION" について

MariaDB における CREATE FUNCTION ステートメントは、ユーザー定義関数 (User-Defined Function, UDF) を作成するために使用されます。ユーザー定義関数とは、SQL の標準機能だけでは実現できない独自の処理や計算を、SQL クエリの中で呼び出して利用できるようにするための仕組みです。

簡単に言えば、「自分で作った関数」を MariaDB に登録し、SELECT 文や他の SQL ステートメントの中で、組み込み関数(例えば NOW()CONCAT() など)と同じように使えるようにするものです。

CREATE FUNCTION ステートメントの基本的な構文

CREATE [DEFINER = { user | CURRENT_USER }]
FUNCTION function_name ([parameter_name data_type [, parameter_name data_type] ...])
RETURNS data_type
[characteristic ...]
routine_body

それぞれの要素について解説します。

  • routine_body:

    • 関数の実際の処理を記述する部分です。
    • 通常は BEGINEND で囲まれた複合ステートメントとして記述されます。
    • DECLARE ステートメントで変数を宣言したり、SET ステートメントで値を代入したり、IFWHILE などの制御構造を使用したりすることができます。
    • 関数内で値を返すには、RETURN ステートメントを使用します。
  • [characteristic ...] (省略可能):

    • 関数の特性(振る舞い)を指定するオプションの句です。主な特性としては以下のようなものがあります。
      • DETERMINISTIC / NOT DETERMINISTIC:
        • DETERMINISTIC: 同じ入力に対して常に同じ結果を返す関数であることを示します。これは最適化のヒントになります。
        • NOT DETERMINISTIC: 同じ入力に対しても異なる結果を返す可能性がある関数であることを示します(例:ランダムな値を生成する関数)。
      • LANGUAGE SQL:
        • 関数の本体が SQL で記述されていることを明示的に示します。通常はこれがデフォルトです。
      • SQL SECURITY { DEFINER | INVOKER }:
        • 関数を実行する際の権限チェックのコンテキストを指定します。
        • DEFINER: 関数の定義者の権限で実行されます(デフォルト)。
        • INVOKER: 関数を呼び出したユーザーの権限で実行されます。
      • COMMENT 'string':
        • 関数の説明やコメントを記述します。
      • SQL DATA ACCESS { CONTAINS SQL | NO SQL | READS SQL DATA | MODIFIES SQL DATA }:
        • 関数がデータにアクセスする範囲を示します。
          • CONTAINS SQL: SQL ステートメントを含みますが、データの読み書きは行いません。
          • NO SQL: SQL ステートメントを含まず、データの読み書きも行いません。
          • READS SQL DATA: データを読み取りますが、変更はしません。
          • MODIFIES SQL DATA: データを変更します。
  • RETURNS data_type:

    • この句は、関数が返す値のデータ型を指定します。
    • 関数は必ず何らかの値を返すように定義する必要があります。
  • ([parameter_name data_type [, parameter_name data_type] ...]) (省略可能):

    • これは、関数が受け取る引数(パラメータ)のリストです。
    • 各パラメータは、parameter_name(パラメータの名前)と data_type(パラメータのデータ型)を指定します。
    • 関数が引数を取らない場合は、空の括弧 () を記述します。
    • 複数の引数を取る場合は、カンマ , で区切って記述します。
  • [DEFINER = { user | CURRENT_USER }] (省略可能):

    • この句は、関数を実行する際のセキュリティコンテキストを指定します。
    • user は、'user'@'host' の形式で指定される MySQL アカウントです。
    • CURRENT_USER は、関数を作成したユーザーを表します。
    • 省略した場合、デフォルトでは DEFINER = CURRENT_USER となります。
  • CREATE FUNCTION function_name:

    • CREATE FUNCTION は、関数を作成するためのキーワードです。
    • function_name は、作成する関数の名前を指定します。関数名は、MariaDB の命名規則に従う必要があります。

DELIMITER //

CREATE FUNCTION calculate_tax (price DECIMAL(10, 2), tax_rate DECIMAL(3, 2))
RETURNS DECIMAL(10, 2)
DETERMINISTIC
BEGIN
    DECLARE tax DECIMAL(10, 2);
    SET tax = price * tax_rate;
    RETURN tax;
END //

DELIMITER ;

-- 関数の呼び出し例
SELECT calculate_tax(100.00, 0.10); -- 結果: 10.00

この例では、calculate_tax という名前の関数を作成しています。この関数は price(価格)と tax_rate(税率)の2つの引数を取り、計算された税額を返します。DETERMINISTIC は、同じ価格と税率が与えられれば常に同じ税額が計算されることを示しています。関数の本体では、変数 tax を宣言し、価格に税率を掛けた値を代入し、その値を RETURN ステートメントで返しています。

  • 関数内で複雑な処理を行う場合は、ストアドプロシージャの利用も検討されることがあります。
  • 作成した関数を削除するには、DROP FUNCTION function_name; を使用します。
  • ユーザー定義関数は、データベースの再起動後も保持されます。


MariaDB における "CREATE FUNCTION" の一般的なエラーとトラブルシューティング

ユーザー定義関数 (UDF) の作成 (CREATE FUNCTION) は強力な機能ですが、いくつかの一般的なエラーが発生しやすいポイントがあります。以下に、よくあるエラーとその原因、そしてトラブルシューティングの方法を解説します。

構文エラー (Syntax Errors)

  • トラブルシューティング
    • MariaDB のリファレンスマニュアルを確認
      使用している MariaDB のバージョンに対応したリファレンスマニュアルで、CREATE FUNCTION の正確な構文を確認してください。
    • スペルと句読点のチェック
      関数名、キーワード (FUNCTION, RETURNS, BEGIN, END など)、パラメータの定義、データ型などのスペルミスや、括弧 ()、カンマ ,、セミコロン ; などの句読点が正しく記述されているかを確認してください。
    • DELIMITER の確認
      関数定義が複数行にわたる場合、ステートメントの終端を示すために DELIMITER を一時的に変更している可能性があります。定義の開始前と終了後に、適切なデリミタが設定されているか確認してください。
  • 原因
    CREATE FUNCTION ステートメントの構文が正しくありません。キーワードのスペルミス、括弧やカンマの不一致、必要な句の欠落などが考えられます。
  • エラー例
    ERROR 1064 (42000): You have an error in your SQL syntax; check the manual that corresponds to your MariaDB server version for the right syntax to use near '...' at line ...
    

データ型の不一致 (Data Type Mismatch)

  • トラブルシューティング
    • データ型の明示的な指定
      CREATE FUNCTION ステートメントで、パラメータと戻り値のデータ型を明確に指定してください。
    • 型変換の検討
      必要に応じて、関数内で CAST() 関数や CONVERT() 関数を使用して、データ型を明示的に変換することを検討してください。
    • テストデータの確認
      さまざまなデータ型の入力で関数をテストし、予期しない挙動がないか確認してください。
  • 原因
    • 関数のパラメータとして渡される値のデータ型と、関数定義で指定したパラメータのデータ型が一致しない。
    • 関数の RETURNS 句で指定したデータ型と、関数本体で実際に RETURN する値のデータ型が一致しない。
    • 関数内部での演算結果のデータ型が、代入先の変数のデータ型と互換性がない。
  • エラー例
    特に具体的なエラーメッセージが出ない場合もありますが、関数の実行時に予期しない結果が出たり、エラーが発生したりすることがあります。

決定性 (Deterministic) に関する問題

  • トラブルシューティング
    • 関数の特性の適切な指定
      関数の振る舞いに合わせて、DETERMINISTICNOT DETERMINISTICNO SQLREADS SQL DATA などの特性を正確に指定してください。
    • 決定性の再評価
      DETERMINISTIC を指定する場合は、関数が本当に同じ入力に対して常に同じ出力を返すことを確認してください。もしそうでない場合は、NOT DETERMINISTIC を指定するか、設計を見直してください。
  • 原因
    • 関数がデータの読み書きを行わないにもかかわらず、DETERMINISTIC, NO SQL, READS SQL DATA のいずれの特性も指定されていない。バイナリログへの記録に関するセキュリティ上の理由から、これらの特性のいずれかを明示的に指定する必要があります。
    • DETERMINISTIC を指定したにもかかわらず、実際には同じ入力に対して異なる結果を返す可能性がある(例:内部でランダムな値を使用している、システム変数に依存しているなど)。
  • エラー例
    ERROR 1418 (HY000): This function has none of DETERMINISTIC, NO SQL, or READS SQL DATA in its specification and is unsafe for replication
    

セキュリティに関する問題 (権限)

  • トラブルシューティング
    • 権限の確認
      現在のユーザーが CREATE FUNCTION 権限を持っているかを確認してください (SHOW GRANTS FOR 'user'@'host';)。
    • 権限の付与
      必要な場合は、管理者権限を持つユーザーとしてログインし、GRANT CREATE FUNCTION ON database_name.* TO 'user'@'host'; のようにして権限を付与してください。
  • 原因
    関数を作成しようとしているユーザーが、CREATE FUNCTION 権限を持っていない。
  • エラー例
    ERROR 1370 (42000): Operation CREATE FUNCTION is disallowed for user '...'@'...'
    

関数名の重複

  • トラブルシューティング
    • 既存の関数の確認
      同じ名前の関数が既に存在しないか確認してください (SHOW FUNCTION STATUS WHERE Db = 'database_name' AND Name = 'function_name';)。
    • 関数名の変更
      別のユニークな関数名を使用してください。
    • 既存の関数の削除 (慎重に)
      もし既存の関数が不要であれば、DROP FUNCTION database_name.function_name; で削除できますが、他のプログラムやクエリで利用されている可能性もあるため、慎重に行ってください。
  • 原因
    作成しようとしている関数名が、指定されたデータベース内に既に存在している。
  • エラー例
    ERROR 1304 (42000): FUNCTION database_name.function_name already exists
    

関数本体のエラー (Routine Body Errors)

  • トラブルシューティング
    • 関数本体の個々の SQL ステートメントのテスト
      関数本体内の各 SQL ステートメントを個別に実行して、エラーがないか確認してください。
    • 変数の宣言と使用の確認
      DECLARE で宣言した変数が正しく使用されているか、データ型が適切かなどを確認してください。
    • 制御構造の論理の確認
      IFWHILE などの制御構造の条件式や処理が意図通りに動作するか確認してください。
    • エラーログの確認
      MariaDB のエラーログに、より詳細なエラー情報が記録されている場合があります。
  • 原因
    BEGINEND で囲まれた関数本体内の SQL ステートメントに誤りがある。変数の宣言ミス、制御構造の記述ミス、存在しないテーブルやカラムへのアクセスなどが考えられます。
  • エラー例
    関数本体内の SQL 構文エラー、論理エラーなど、さまざまなエラーが発生する可能性があります。
  • トラブルシューティング
    • DELIMITER の設定
      関数定義を開始する前に、デフォルトの ; 以外のデリミタ(例://)を設定してください (DELIMITER //)。
    • 定義の終端
      関数定義の最後に、設定したデリミタを使用してください (END //)。
    • デリミタの復元
      関数定義が完了したら、デリミタを元の ; に戻してください (DELIMITER ;)。
  • 原因
    複数行にわたる関数定義の際に、DELIMITER を適切に変更および復元していない。
  • エラー例
    構文エラーが発生したり、意図しないところでステートメントが終了したりする。


MariaDB における "CREATE FUNCTION" のプログラミング例

例1: 2つの数値を足し算する関数

この例では、2つの INT 型の引数を受け取り、その合計を INT 型で返す簡単な関数 add_numbers を作成します。

DELIMITER //

CREATE FUNCTION add_numbers (num1 INT, num2 INT)
RETURNS INT
DETERMINISTIC
BEGIN
    DECLARE sum INT;
    SET sum = num1 + num2;
    RETURN sum;
END //

DELIMITER ;

-- 関数の呼び出し例
SELECT add_numbers(5, 3); -- 結果: 8
  • 解説
    • DELIMITER //DELIMITER ; は、関数定義が複数行にわたるため、一時的にステートメントの終端記号を変更しています。
    • CREATE FUNCTION add_numbers (num1 INT, num2 INT) は、add_numbers という名前の関数を定義し、num1num2 という2つの INT 型の引数を受け取ることを指定しています。
    • RETURNS INT は、この関数が INT 型の値を返すことを指定しています。
    • DETERMINISTIC は、同じ入力に対して常に同じ結果を返すことを示しています。
    • BEGINEND の間に、関数の処理を記述します。
    • DECLARE sum INT; は、sum という名前の INT 型の変数を宣言しています。
    • SET sum = num1 + num2; は、引数 num1num2 の合計を sum 変数に代入しています。
    • RETURN sum; は、計算された合計値を関数の結果として返します。
    • 最後の SELECT add_numbers(5, 3); は、作成した関数を呼び出し、その結果を表示しています。

例2: 文字列を結合する関数

この例では、2つの VARCHAR 型の引数を受け取り、それらを結合した VARCHAR 型の文字列を返す関数 concat_strings を作成します。

DELIMITER //

CREATE FUNCTION concat_strings (str1 VARCHAR(255), str2 VARCHAR(255))
RETURNS VARCHAR(510)
DETERMINISTIC
BEGIN
    DECLARE result VARCHAR(510);
    SET result = CONCAT(str1, ' ', str2); -- スペースを間に挟んで結合
    RETURN result;
END //

DELIMITER ;

-- 関数の呼び出し例
SELECT concat_strings('Hello', 'World'); -- 結果: Hello World
  • 解説
    • 引数と戻り値のデータ型が VARCHAR になっています。
    • 関数本体では、組み込み関数 CONCAT() を使用して2つの文字列を結合しています。間にスペースを追加しています。

例3: 注文IDから顧客名を取得する関数 (テーブル参照)

この例では、orders テーブルの customer_id を引数として受け取り、customers テーブルから対応する顧客名を取得して返す関数 get_customer_name を作成します。

まず、前提となるテーブル構造とデータを用意します。

-- customers テーブル
CREATE TABLE customers (
    customer_id INT PRIMARY KEY,
    customer_name VARCHAR(255)
);

INSERT INTO customers (customer_id, customer_name) VALUES
(1, '山田太郎'),
(2, '田中一郎'),
(3, '佐藤花子');

-- orders テーブル
CREATE TABLE orders (
    order_id INT PRIMARY KEY,
    customer_id INT,
    order_date DATE
);

INSERT INTO orders (order_id, customer_id, order_date) VALUES
(101, 1, '2025-05-30'),
(102, 2, '2025-05-29'),
(103, 1, '2025-05-28');

そして、関数を定義します。

DELIMITER //

CREATE FUNCTION get_customer_name (order_id INT)
RETURNS VARCHAR(255)
READS SQL DATA
BEGIN
    DECLARE cust_name VARCHAR(255);
    SELECT c.customer_name INTO cust_name
    FROM orders o
    JOIN customers c ON o.customer_id = c.customer_id
    WHERE o.order_id = order_id;
    RETURN cust_name;
END //

DELIMITER ;

-- 関数の呼び出し例
SELECT get_customer_name(101); -- 結果: 山田太郎
SELECT get_customer_name(102); -- 結果: 田中一郎
SELECT get_customer_name(104); -- 結果: NULL (該当する注文IDがない場合)
  • 解説
    • READS SQL DATA は、この関数がデータベースからデータを読み取る(SELECT ステートメントを使用する)ことを示しています。
    • 関数内で SELECT ステートメントを使用して、orders テーブルと customers テーブルを結合し、指定された order_id に対応する顧客名を取得しています。
    • INTO cust_name は、SELECT の結果をローカル変数 cust_name に格納するために使用します。
    • もし指定された order_id が見つからない場合、cust_nameNULL のままとなり、関数は NULL を返します。

例4: 税率に基づいて税込価格を計算する関数 (IF文の使用)

この例では、税抜価格と税率を受け取り、税率が特定の閾値を超えているかどうかで異なる計算を行う関数 calculate_price_with_tax を作成します。

DELIMITER //

CREATE FUNCTION calculate_price_with_tax (price DECIMAL(10, 2), tax_rate DECIMAL(3, 2))
RETURNS DECIMAL(10, 2)
DETERMINISTIC
BEGIN
    DECLARE tax DECIMAL(10, 2);
    DECLARE total_price DECIMAL(10, 2);

    IF tax_rate > 0.10 THEN
        SET tax = price * tax_rate * 1.1; -- 税率が高い場合は少し上乗せ
    ELSE
        SET tax = price * tax_rate;
    END IF;

    SET total_price = price + tax;
    RETURN total_price;
END //

DELIMITER ;

-- 関数の呼び出し例
SELECT calculate_price_with_tax(100.00, 0.08); -- 結果: 108.00
SELECT calculate_price_with_tax(100.00, 0.12); -- 結果: 113.20
  • 解説
    • 関数内で IF ステートメントを使用して、条件分岐を行っています。
    • 税率 (tax_rate) が 0.10 より大きい場合は、税額にさらに 1.1 を掛けています。


MariaDB における "CREATE FUNCTION" の代替プログラミング方法

MariaDB で独自の処理をSQL内で実行したい場合、CREATE FUNCTION 以外にもいくつかの代替方法が考えられます。それぞれの方法には利点と欠点があり、状況に応じて適切なものを選択する必要があります。

ストアドプロシージャ (Stored Procedures)

  • 欠点
    SELECT 文の中で直接呼び出すことはできない(CALL ステートメントを使用する必要がある)。

  • 利点
    複雑な処理、複数の戻り値、トランザクション制御が可能。

  • DELIMITER //
    
    CREATE PROCEDURE get_customer_info (IN order_id INT, OUT customer_name VARCHAR(255), OUT order_date DATE)
    BEGIN
        SELECT c.customer_name, o.order_date
        INTO customer_name, order_date
        FROM orders o
        JOIN customers c ON o.customer_id = c.customer_id
        WHERE o.order_id = order_id;
    END //
    
    DELIMITER ;
    
    -- ストアドプロシージャの呼び出し例
    CALL get_customer_info(101, @cust_name, @order_date);
    SELECT @cust_name, @order_date; -- 結果: 山田太郎, 2025-05-30
    

組み込み関数 (Built-in Functions)

  • 欠点
    標準的な機能しか提供されないため、高度なカスタムロジックは実装できない。

  • 利点
    効率的で、すぐに利用できる。


    • 文字列の長さを取得: LENGTH('Hello')
    • 現在の日時を取得: NOW()
    • 数値の四捨五入: ROUND(3.14159, 2)

外部プログラムからの処理とデータの受け渡し

  • 欠点
    MariaDB と外部プログラム間のデータのやり取りが必要になるため、オーバーヘッドが発生する可能性がある。SQL の範囲外でのプログラミングが必要になる。

  • 利点
    複雑なアルゴリズムや外部ライブラリを利用できる。


    1. Python スクリプトでデータを加工する。
    2. 加工後のデータを MariaDB に INSERT する。
    3. MariaDB から SELECT でデータを取得し、Python スクリプトでさらに分析・処理する。

トリガー (Triggers)

  • 欠点
    特定のイベントに依存するため、汎用的な処理には向かない。値を返すことはできない。

  • 利点
    データの整合性や監査ログの自動化などに利用できる。


  • DELIMITER //
    
    CREATE TRIGGER update_order_date
    BEFORE INSERT ON orders
    FOR EACH ROW
    SET NEW.order_date = IFNULL(NEW.order_date, CURDATE());
    
    DELIMITER ;
    
    -- orders テーブルに order_date を指定せずに挿入すると、現在の日付が自動的に設定される
    INSERT INTO orders (order_id, customer_id) VALUES (104, 3);
    SELECT * FROM orders WHERE order_id = 104; -- order_date は現在の日付になっている
    

ユーザー定義関数 (UDF) の拡張 (C/C++ など)

  • 欠点
    C/C++ のプログラミングスキルが必要となる。セキュリティ上の注意が必要。

  • 利点
    SQL の表現力を超える高度な処理を実装できる。

どの方法を選ぶべきか?

  • SQL の限界を超える高度な処理
    C/C++ などで UDF を拡張する方法があります。
  • 特定のデータ変更イベントに応じた処理
    トリガーが適しています。
  • 高度なアルゴリズムや外部連携
    外部プログラムとの連携が適しています。
  • 標準的な処理
    組み込み関数を活用できる場合があります。
  • 複雑な処理、複数の戻り値、トランザクション制御
    ストアドプロシージャが適しています。
  • 簡単な計算やデータ変換
    CREATE FUNCTION が適しています。