MariaDBでCRC32関数を使ってデータベース内の重複データを見つける方法


MariaDB は、CRC32 関数を提供しており、指定されたデータの CRC32 チェックサムを計算できます。これは、データの整合性検証や、データ転送時のエラー検出などに役立ちます。

構文

CRC32(data)

引数

  • data: チェックサムを計算するデータ。文字列、バイナリ、または数値データ型である必要があります。

戻り値

計算された CRC32 チェックサム値。4 バイトの整数型です。

次の SQL 文は、"Hello, World!" の CRC32 チェックサムを計算します。

SELECT CRC32('Hello, World!');

このクエリは、以下の結果を返します。

3406944229

CRC32 関数と構造

CRC32 関数は、MariaDB の組み込み関数であり、SQL 文内で直接使用できます。また、サブクエリや式の中で使用することもできます。

CRC32 関数の使用例

  • データベース内の重複データを見つける
  • データ転送時のエラー検出を行う
  • データベースに保存されているデータの整合性を検証する

CRC32 関数の利点

  • データベース内の重複データを見つけるのに役立つ
  • データ転送時のエラー検出に有効
  • データの整合性を簡単に検証できる
  • CRC32 チェックサムは、衝突が発生する可能性があります。
  • CRC32 チェックサムは、データの欠損を検出できません。
  • CRC32 チェックサムは、データの変更があると常に変化します。


SELECT customer_id,
       CRC32(CONCAT(first_name, ' ', last_name, ', ', email)) AS calculated_checksum,
       stored_checksum
FROM customers;
customer_id | calculated_checksum | stored_checksum
------------+--------------------+-----------------
1           | 3215226957        | 3215226957
2           | 1804282316        | 1804282316
3           | 4242308197        | 4242308197

上記の例では、calculated_checksumstored_checksum が一致しているため、データの整合性が検証されています。

例 2:データ転送時のエラー検出を行う

次のコードは、PHP を使用して、データベースからデータをフェッチし、クライアントに送信します。送信前に、データの CRC32 チェックサムを計算し、クライアント側で受信データのチェックサムと比較します。

<?php

$db = new mysqli('localhost', 'username', 'password', 'database');

$query = "SELECT data FROM mytable";
$result = $db->query($query);

if ($result->num_rows > 0) {
    while ($row = $result->fetch_assoc()) {
        $data = $row['data'];
        $checksum = crc32($data);

        echo $data . "|" . $checksum . "\n";
    }
} else {
    echo "No data found";
}

$db->close();

クライアント側では、以下のコードを使用して受信データのチェックサムを計算し、サーバーから送信されたチェックサムと比較します。

<?php

$data = "This is some data";
$checksum = crc32($data);

$receivedData = file_get_contents('data.txt');
$receivedChecksum = explode('|', $receivedData)[1];

if ($checksum == $receivedChecksum) {
    echo "Data is intact";
} else {
    echo "Data is corrupted";
}

上記の例では、クライアント側で計算されたチェックサムがサーバーから送信されたチェックサムと一致しているため、データが破損していないことが確認できます。

例 3:データベース内の重複データを見つける

次の SQL 文は、"products" テーブル内の製品名の CRC32 チェックサムを計算し、重複する製品名を見つけます。

SELECT product_name,
       CRC32(product_name) AS product_name_checksum
FROM products
GROUP BY product_name_checksum
HAVING COUNT(*) > 1;
product_name | product_name_checksum
-------------+----------------------
T-Shirt      | 2764806736
Jeans        | 2383641344

上記の例では、"T-Shirt" と "Jeans" という製品名が重複していることが示されています。



次の SQL 文は、"customers" テーブル内の顧客データの CRC32 チェックサムを計算し、そのチェックサムが "orders" テーブル内の注文データと一致するかどうかを確認します。

SELECT customer_id,
       CRC32(CONCAT(first_name, ' ', last_name, ', ', email)) AS customer_checksum
FROM customers
WHERE customer_checksum IN (
    SELECT customer_id
    FROM orders
);

CRC32 関数は、式内で使用できます。これにより、計算結果を他の値と比較したり、条件式で使用したりできます。


次の SQL 文は、"products" テーブル内の製品名の CRC32 チェックサムを計算し、そのチェックサムが特定の値と一致するかどうかを確認します。

SELECT product_id,
       product_name,
       CRC32(product_name) AS product_name_checksum
FROM products
WHERE product_name_checksum = 2764806736;

ユーザー定義関数

CRC32 関数を使用して、ユーザー定義関数を作成できます。これにより、CRC32 計算をより柔軟に制御できます。


次のコードは、PHP でユーザー定義関数を作成して、文字列の CRC32 チェックサムを計算する方法を示します。

function my_crc32($data) {
    return crc32($data);
}

$data = "This is some data";
$checksum = my_crc32($data);

echo $checksum;

トリガー

CRC32 関数は、トリガー内で使用できます。これにより、データが変更されたときに自動的に CRC32 チェックサムを計算できます。


次の SQL 文は、"products" テーブルにトリガーを作成し、製品名が変更されたときに製品名の CRC32 チェックサムを更新します。

CREATE TRIGGER update_product_checksum
BEFORE UPDATE ON products
FOR EACH ROW
BEGIN
    SET NEW.product_name_checksum = CRC32(NEW.product_name);
END;