JavaScript の Date オブジェクト: UTC ミリ秒数を取得する Date.getUTCMilliseconds()
Date.getUTCMilliseconds() メソッドは、JavaScript の Date オブジェクトにおいて、協定世界時 (UTC) に基づいたミリ秒数を取得するために使用されます。UTC は、世界共通の時間を指す標準的な時間帯であり、国際的な時刻管理に用いられています。
構文
Date.prototype.getUTCMilliseconds();
戻り値
- 指定された
Dateオブジェクトが有効な日時を表さない場合:NaN(Not a Number) - 指定された
Dateオブジェクトが有効な日時を表す場合: 0 から 999 までの整数値 (UTC におけるミリ秒数)
詳細
Date.getUTCMilliseconds() メソッドは、Date オブジェクトに格納されている日時情報に基づいて、そのミリ秒数を算出します。具体的には、以下の処理が行われます。
- 指定された
Dateオブジェクトの時刻を UTC に変換します。 - 変換された時刻のミリ秒部分のみを抽出します。
- 抽出したミリ秒数を返します。
// 現在時刻を `Date` オブジェクトとして取得
const now = new Date();
// 現在時刻の UTC に基づくミリ秒数を取得
const utcMilliseconds = now.getUTCMilliseconds();
// 取得したミリ秒数を表示
console.log(utcMilliseconds);
Dateオブジェクトのミリ秒数は、Date.setMilliseconds()メソッドを使用して変更することができます。- ミリ秒数は、時間の非常に小さな単位を表します。1 秒間に 1000 ミリ秒が存在します。
Date.getUTCMilliseconds()メソッドは、時間帯の影響を受けずにミリ秒数を取得することができます。これは、UTC が世界共通の時間を基準としているためです。
例 1: 現在時刻の UTC ミリ秒数を取得
// 現在時刻を Date オブジェクトとして取得
const now = new Date();
// 現在時刻の UTC ミリ秒数を取得
const utcMilliseconds = now.getUTCMilliseconds();
// 取得したミリ秒数を表示
console.log(utcMilliseconds);
例 2: 特定の日時の UTC ミリ秒数を取得
// 2023 年 1 月 1 日 0 時 0 分 0 秒の Date オブジェクトを作成
const specificDate = new Date(2023, 0, 1, 0, 0, 0);
// 特定の日時の UTC ミリ秒数を取得
const utcMilliseconds = specificDate.getUTCMilliseconds();
// 取得したミリ秒数を表示
console.log(utcMilliseconds);
例 3: 経過時間をミリ秒単位で計算
// 開始時刻を Date オブジェクトとして取得
const startTime = new Date();
// 処理を実行
// ...
// 終了時刻を Date オブジェクトとして取得
const endTime = new Date();
// 経過時間をミリ秒単位で計算
const elapsedMilliseconds = endTime.getTime() - startTime.getTime();
// 経過時間を UTC ミリ秒数に変換
const utcElapsedMilliseconds = elapsedMilliseconds % 1000;
// 経過時間をミリ秒数で表示
console.log(utcElapsedMilliseconds);
// 特定のミリ秒数 (1234 ミリ秒)
const specificMilliseconds = 1234;
// 特定のミリ秒数から Date オブジェクトを作成
const dateFromMilliseconds = new Date(specificMilliseconds);
// 作成された Date オブジェクトの UTC ミリ秒数を取得
const utcMilliseconds = dateFromMilliseconds.getUTCMilliseconds();
// 取得したミリ秒数を表示
console.log(utcMilliseconds);
Date.getTime() メソッド
利点
- 多くの JavaScript ライブラリやフレームワークでサポートされている
- シンプルで分かりやすい構文
欠点
- ミリ秒数以外の情報も取得したい場合は、処理が煩雑になる
- UTC ミリ秒数だけでなく、エポックからの経過ミリ秒数も取得してしまう
例
const now = new Date();
const utcMilliseconds = now.getTime() % 1000;
console.log(utcMilliseconds);
Math.floor(Date.now() / 1000) * 1000 式
利点
- ライブラリやフレームワークに依存しない
- シンプルで分かりやすい式
欠点
Date.now()メソッドが提供する精度よりも低い可能性がある
例
const utcMilliseconds = Math.floor(Date.now() / 1000) * 1000;
console.log(utcMilliseconds);
第三者ライブラリの使用
利点
- 独自の機能を提供しているライブラリもある
Date.getUTCMillisecondsメソッドよりも高精度なミリ秒数を取得できる場合がある
欠点
- すべての環境で利用できるわけではない
- ライブラリの導入と理解が必要
例
// Moment.js ライブラリの使用例
const moment = require('moment');
const utcMilliseconds = moment().utcMilliseconds();
console.log(utcMilliseconds);
カスタムロジックの実装
利点
- アプリケーションのニーズに特化した処理が可能
欠点
- テストやメンテナンスが困難になる場合がある
- 複雑で時間のかかる作業になる可能性がある
例
function getUTCMilliseconds(date) {
const year = date.getUTCFullYear();
const month = date.getUTCMonth();
const day = date.getUTCDate();
const hours = date.getUTCHours();
const minutes = date.getUTCMinutes();
const seconds = date.getUTCSeconds();
const milliseconds = seconds * 1000 + minutes * 60000 + hours * 3600000 + day * 86400000 + month * 2592000000 + year * 31536000000;
return milliseconds % 1000;
}
const now = new Date();
const utcMilliseconds = getUTCMilliseconds(now);
console.log(utcMilliseconds);
最適な代替方法の選択
Date.getUTCMilliseconds の代替方法は、状況によって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。
- 開発者のスキル
カスタムロジックを実装するには、JavaScript の深い知識と経験が必要です。 - ライブラリの利用
すでに Moment.js などのライブラリを使用している場合は、そのライブラリの機能を活用することができます。 - 簡潔性
シンプルで分かりやすいコードを求める場合は、Date.getTime()メソッドが適切です。 - 必要な精度
高精度なミリ秒数が必要であれば、Math.floor(Date.now() / 1000) * 1000式や第三者ライブラリの方が適している可能性があります。