Django でのデータベース操作:生の SQL クエリと ORM の比較


方法

Django で生の SQL クエリを実行するには、主に 2 つの方法があります。

  1. Manager.raw() メソッドを使用する

    これは、モデルインスタンスを返す最も一般的な方法です。

    from django.db import raw_sql
    
    # 全てのユーザーを取得
    users = User.objects.raw('SELECT * FROM auth_user')
    
    # 特定の条件でユーザーを取得
    filtered_users = User.objects.raw('SELECT * FROM auth_user WHERE is_active = %s', [True])
    
  2. cursor.execute() を使用する

    この方法は、モデル層を完全にバイパスして、より高度なクエリを実行する場合に使用します。

    from django.db import connection
    
    with connection.cursor() as cursor:
        # 特定のカラムの値の合計を取得
        cursor.execute('SELECT SUM(value) FROM myapp_table')
        result = cursor.fetchone()
        print(result[0])
    

生の SQL クエリを実行する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • コードの保守性: 生の SQL クエリは、ORM を使用する場合よりもコードが読みづらくなり、保守が難しくなる可能性があります。
  • パフォーマンス: ORM を使用する場合よりもパフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。複雑なクエリの場合は、パフォーマンスを最適化するために適切なインデックスを作成する必要があります。
  • SQL インジェクション: 常にパラメーター化されたクエリを使用し、ユーザー入力データを直接 SQL に埋め込まないようにしてください。


サンプル 1: Manager.raw() メソッドを使用する

from django.db import raw_sql

# 全てのユーザーを取得
users = User.objects.raw('SELECT * FROM auth_user')

# 各ユーザーに対して処理を実行
for user in users:
    print(user.username)

サンプル 2: cursor.execute() を使用する

この例では、cursor.execute() を使用して、myapp_table テーブルの特定のカラムの値の合計を取得する方法を示します。

from django.db import connection

with connection.cursor() as cursor:
    # 特定のカラムの値の合計を取得
    cursor.execute('SELECT SUM(value) FROM myapp_table')
    result = cursor.fetchone()
    print(result[0])

この例では、パラメーター化されたクエリを使用して、ユーザー ID に基づいてユーザーを取得する方法を示します。

from django.db import raw_sql

user_id = 10

# パラメーター化されたクエリを使用して、SQL インジェクションを防止する
user = User.objects.raw('SELECT * FROM auth_user WHERE id = %s', [user_id])

if user:
    print(user.username)
else:
    print('ユーザーが見つかりません。')


Django ORM を使用する

Django ORM は、データベースとのやり取りを抽象化し、生の SQL を書く必要なく、複雑なクエリを実行できる強力なツールです。多くの場合、ORM を使用することで、より簡潔で読みやすく、保守しやすいコードを書くことができます。


# 特定の条件でユーザーを取得
from django.db.models import Q

filtered_users = User.objects.filter(
    Q(is_active=True) & Q(date_joined__year=2024)
)

データベースビューを使用する

データベースビューは、複雑なクエリをより簡潔に記述する方法を提供します。ビューは、生の SQL を書く代わりに、Python コードを使用してクエリを定義します。


from django.views.generic.sql import SQLQueryView

class MyView(SQLQueryView):
    sql = 'SELECT * FROM myapp_table WHERE value > 100'

    def get_context_data(self, **kwargs):
        context = super().get_context_data(**kwargs)
        context['data'] = self.list_item_list
        return context

カスタムマネージャーを使用する

カスタムマネージャーは、モデルに独自のクエリロジックを追加するための強力な方法です。複雑なクエリを何度も繰り返す場合に特に役立ちます。


from django.db import models


class MyManager(models.Manager):

    def get_active_users_for_year(self, year):
        return self.filter(is_active=True, date_joined__year=year)


class MyModel(models.Model):
    objects = MyManager()

サードパーティ製ライブラリを使用する

Django には、生の SQL クエリを実行する必要性を減らすのに役立つサードパーティ製ライブラリがいくつかあります。たとえば, django-sql-statements ライブラリを使用して、パラメーター化されたクエリをより簡単に記述できます。