【Django初心者向け】 トランザクション処理をもっと便利に! db.transaction.on_commit() の使い方と代替方法


db.transaction.on_commit() は、Django 1.9 以降で導入された機能で、データベーストランザクションのコミット後に実行される関数を登録するためのものです。トランザクション内のデータ操作が成功し、コミットされるタイミングで、登録された関数が自動的に呼び出されます。

用途

db.transaction.on_commit() は、主に以下の用途で使用されます。

  • キャッシュ更新
    トランザクション内のデータ操作によって更新されたデータをキャッシュに反映したい場合。
  • ログ記録
    トランザクション内のデータ操作が成功したことを記録したい場合。
  • 非同期処理の実行
    トランザクション内のデータ操作が完了した後に、非同期処理を実行したい場合。例えば、Celery タスクをキューイングしたり、メール送信処理を実行したりするのに役立ちます。

使い方

db.transaction.on_commit() は、以下のコードのように使用します。

from django.db import transaction

def my_on_commit_function():
    # トランザクションコミット後に実行したい処理を記述

transaction.on_commit(my_on_commit_function)

# トランザクション内のデータ操作
...

# トランザクションコミット
transaction.commit()

注意点

  • テストコード内で db.transaction.on_commit() を使用する場合、テスト終了後にトランザクションが自動的にロールバックされるため、on_commit 関数は呼び出されません。
  • db.transaction.on_commit() で登録された関数は、例外が発生しても自動的にロールバックされません。例外が発生した場合は、自分でロールバック処理を行う必要があります。
  • db.transaction.on_commit() は、オートコミットモードでしか使用できません。

db.transaction.on_commit() は、トランザクション内のデータ操作が成功した後に実行される関数を登録するためのシンプルな機能です。非同期処理の実行、ログ記録、キャッシュ更新など、様々な用途に活用できます。



非同期処理の実行

from django.db import transaction
from celery_tasks.tasks import my_celery_task

def my_on_commit_function():
    my_celery_task.delay()

transaction.on_commit(my_on_commit_function)

# トランザクション内のデータ操作
...

# トランザクションコミット
transaction.commit()

ログ記録

以下のコードは、トランザクション内のデータ操作が成功したことをログに記録する例です。

from django.db import transaction
import logging

logger = logging.getLogger(__name__)

def my_on_commit_function():
    logger.info('トランザクションコミットされました')

transaction.on_commit(my_on_commit_function)

# トランザクション内のデータ操作
...

# トランザクションコミット
transaction.commit()

以下のコードは、トランザクション内のデータ操作によって更新されたデータをキャッシュに反映する例です。

from django.db import transaction
from my_cache import cache

def my_on_commit_function():
    # キャッシュ更新処理
    cache.set('my_cache_key', updated_data)

transaction.on_commit(my_on_commit_function)

# トランザクション内のデータ操作
...

# トランザクションコミット
transaction.commit()


代替方法

以下に、db.transaction.on_commit() の代替方法をいくつか紹介します。

シグナルを使用する

Django は、トランザクションコミット時に送信されるシグナルを提供しています。このシグナルをリスナーとして登録することで、トランザクションコミット後に実行したい処理を記述することができます。

from django.db.signals import transaction_committed
from my_app.listeners import my_on_commit_function

transaction_committed.connect(my_on_commit_function)

# トランザクション内のデータ操作
...

# トランザクションコミット
transaction.commit()

コンテキストマネージャーを使用する

Django は、トランザクションを管理するためのコンテキストマネージャーを提供しています。このコンテキストマネージャーを使用することで、トランザクションコミット後に実行したい処理を exit ブロック内に記述することができます。

from django.db import transaction

with transaction.atomic():
    # トランザクション内のデータ操作

    # トランザクションコミット後に実行したい処理
    print('トランザクションコミットされました')

カスタムミドルウェアを使用する

Django は、ミドルウェアを使用して、リクエストとレスポンスの処理をカスタマイズすることができます。カスタムミドルウェアを作成することで、トランザクションコミット時に実行したい処理をミドルウェア内で記述することができます。

非同期タスクを使用する

トランザクションコミット後に実行したい処理が非同期であれば、非同期タスクを使用することができます。Celery などのタスクキューイングシステムを使用して、トランザクションコミット後にタスクをキューイングすることができます。

方法利点欠点
db.transaction.on_commit()シンプルで使いやすいオートコミットモードでのみ使用可能
シグナル柔軟性が高いシグナルの仕組みを理解する必要がある
コンテキストマネージャーコードの見通しがよいネストされたトランザクションには対応していない
カスタムミドルウェア柔軟性が高いミドルウェアの仕組みを理解する必要がある
非同期タスク非同期処理に適している複雑な処理には向いていない