Djangoでトランザクションを安全に使う：`db.transaction.rollback()` を含めたトランザクション管理の全体像

django.db.transaction.rollback() は、Django のトランザクション管理機能の一部であり、データベースへの変更を破棄して以前の状態に戻すために使用されます。これは、操作中にエラーが発生した場合や、変更をコミットしないことを選択した場合に役立ちます。

使い方

db.transaction.rollback() は、with ステートメントを使用してコンテキストマネージャーとして使用するのが一般的です。

from django.db import transaction

with transaction.atomic():
    # データベース操作を実行
    # ...

    # エラーが発生した場合、または変更をコミットしないことを選択した場合
    transaction.rollback()

上記のコードでは、transaction.atomic() コンテキストマネージャーを使用して、データベース操作をトランザクションで囲みます。トランザクション内でエラーが発生した場合、または transaction.rollback() が明示的に呼び出された場合、すべての変更が破棄され、データベースは以前の状態に戻ります。

注意点

• db.transaction.rollback() は、データベース接続エラーが発生した場合には自動的に呼び出されません。データベース接続エラーが発生した場合、トランザクションはロールバックされず、アプリケーションがクラッシュする可能性があります。
• db.transaction.rollback() は、トランザクションがコミットされる前にのみ呼び出すことができます。コミットされたトランザクションはロールバックできません。
• db.transaction.rollback() は、トランザクション内で実行されたすべての変更を破棄します。これは、部分的なロールバックはできないことを意味します。

例

以下の例は、db.transaction.rollback() を使用して、エラーが発生した場合にトランザクションをロールバックする方法を示しています。

from django.db import transaction

def transfer_funds(from_account_id, to_account_id, amount):
    with transaction.atomic():
        from_account = Account.objects.get(pk=from_account_id)
        to_account = Account.objects.get(pk=to_account_id)

        if from_account.balance < amount:
            raise ValueError("Insufficient funds")

        from_account.balance -= amount
        to_account.balance += amount

        from_account.save()
        to_account.save()

この例では、transfer_funds() 関数は、2 つのアカウント間で資金を転送します。トランザクション内でエラーが発生した場合 (ValueError が発生した場合)、transaction.rollback() が呼び出され、すべての変更が破棄されます。

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エラー発生時のロールバック

from django.db import transaction

def transfer_funds(from_account_id, to_account_id, amount):
    with transaction.atomic():
        from_account = Account.objects.get(pk=from_account_id)
        to_account = Account.objects.get(pk=to_account_id)

        if from_account.balance < amount:
            raise ValueError("Insufficient funds")

        from_account.balance -= amount
        to_account.balance += amount

        from_account.save()
        to_account.save()

手動によるロールバック

この例では、update_profile() 関数は、ユーザーのプロファイル情報を更新します。ユーザーの電子メールアドレスがすでに別のユーザーによって使用されている場合、transaction.rollback() が呼び出され、変更が破棄されます。

from django.db import transaction

def update_profile(user, email):
    with transaction.atomic():
        user.email = email
        user.save()

        if User.objects.filter(email=email).exclude(pk=user.pk).exists():
            transaction.rollback()
            raise ValueError("Email already exists")

この例では、create_order() 関数は、注文を作成し、注文明細行を作成します。注文明細行の作成中にエラーが発生した場合、savepoint を使用して、注文のみをコミットし、注文明細行をロールバックします。

from django.db import transaction

def create_order(order_data, order_items_data):
    with transaction.atomic() as savepoint:
        order = Order.objects.create(**order_data)

        try:
            for order_item_data in order_items_data:
                OrderItem.objects.create(order=order, **order_item_data)
        except Exception as e:
            # 注文明細行の作成中にエラーが発生した場合
            transaction.savepoint_rollback(savepoint)
            raise e

        # 注文と注文明細行が正常に作成されたらコミット
        transaction.commit()

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savepoint を使用する

savepoint は、トランザクション内で個別のコミットポイントを作成できる機能です。これにより、トランザクションの一部のみをロールバックし、残りの部分はコミットすることができます。

from django.db import transaction

def create_order(order_data, order_items_data):
    with transaction.atomic() as savepoint:
        order = Order.objects.create(**order_data)

        try:
            for order_item_data in order_items_data:
                OrderItem.objects.create(order=order, **order_item_data)
        except Exception as e:
            # 注文明細行の作成中にエラーが発生した場合
            transaction.savepoint_rollback(savepoint)
            raise e

        # 注文と注文明細行が正常に作成されたらコミット
        transaction.commit()

この例では、savepoint を使用して、注文の作成と注文明細行の作成を個別のコミットポイントに分けています。注文明細行の作成中にエラーが発生した場合、transaction.savepoint_rollback(savepoint) を呼び出すことで、注文のみをコミットし、注文明細行をロールバックすることができます。

例外処理を使用する

トランザクション内で例外が発生した場合、例外処理を使用してトランザクションをロールバックすることができます。

from django.db import transaction

def transfer_funds(from_account_id, to_account_id, amount):
    try:
        with transaction.atomic():
            from_account = Account.objects.get(pk=from_account_id)
            to_account = Account.objects.get(pk=to_account_id)

            if from_account.balance < amount:
                raise ValueError("Insufficient funds")

            from_account.balance -= amount
            to_account.balance += amount

            from_account.save()
            to_account.save()
    except Exception as e:
        # エラーが発生した場合、トランザクションをロールバック
        transaction.rollback()
        raise e

この例では、transfer_funds() 関数は、トランザクション内で ValueError が発生した場合に transaction.rollback() を呼び出すようにしています。

ATOMIC_REQUESTS 設定を使用する

ATOMIC_REQUESTS 設定を True に設定すると、Django はビュー関数の開始時に自動的にトランザクションを開始し、ビュー関数終了時にコミットまたはロールバックします。これにより、手動でトランザクションを管理する必要がなくなります。

DATABASES = {
    'default': {
        # ...
        'ATOMIC_REQUESTS': True,
    }
}

django-transaction-decorators ライブラリを使用する

django-transaction-decorators は、Django のトランザクション管理をより簡単にするためのサードパーティ製のライブラリです。このライブラリには、デコレータやヘルパー関数などが用意されており、トランザクションの開始、コミット、ロールバックをより直感的に行うことができます。

詳細は、django-transaction-decorators のドキュメント を参照してください。

db.transaction.rollback() の代替方法はいくつかあり、それぞれ長所と短所があります。状況に応じて適切な方法を選択してください。

• django-transaction-decorators ライブラリは、より高度なトランザクション管理機能が必要な場合に適しています。
• ATOMIC_REQUESTS 設定は、シンプルで使いやすい方法でトランザクションを管理したい場合に適しています。
• 例外処理 は、トランザクション内で予期しないエラーが発生した場合に適しています。
• savepoint は、トランザクションの一部のみをロールバックしたい場合に適しています。