PythonとDjangoで小数点以下の値をバリデーション:`core.validators.DecimalValidator`のしくみと使い方
DecimalValidator
は、Django の django.core.validators
モジュールにあるクラスで、小数点を含む数値の妥当性を検証するために使用されます。モデルフィールドやフォームフィールドに適用することで、入力された値が有効な範囲内であることを確認できます。
主な機能
- エラーメッセージのカスタマイズ
message
属性を使用して、エラーメッセージをカスタマイズすることができます。 - 特定の値の禁止
exclude
属性を使用して、特定の値を禁止することができます。 - 最大桁数と小数点以下の桁数の制限
max_digits
とdecimal_places
属性を使用して、入力できる数字の桁数と小数点以下の桁数を制限できます。
使い方
DecimalValidator
は、モデルフィールドやフォームフィールドの validators
属性にリストとして追加します。
例
from django.db import models
from django.core.validators import DecimalValidator
class MyModel(models.Model):
price = models.DecimalField(max_digits=10, decimal_places=2, validators=[
DecimalValidator(max_value=1000.00, exclude=[10.00]),
])
この例では、MyModel
モデルに price
という DecimalField
フィールドが定義されています。このフィールドは、最大10桁、小数点以下2桁までの数字を入力できます。また、max_value
属性を使用して、1000.00を超える値を禁止し、exclude
属性を使用して、10.00という特定の値を禁止しています。
- Django には、
RegexValidator
やMaxValueValidator
など、他にも様々なバリデーションクラスが用意されています。 DecimalValidator
は、clean()
メソッドを使用して、モデルフィールドの値を検証するためにも使用できます。DecimalValidator
は、文字列として入力された値を内部的にdecimal.Decimal
オブジェクトに変換してから検証します。
モデルフィールドの例
from django.db import models
from django.core.validators import DecimalValidator
class Product(models.Model):
price = models.DecimalField(
max_digits=10,
decimal_places=2,
validators=[
DecimalValidator(min_value=0.01, max_value=1000.00),
DecimalValidator(exclude=[10.00, 50.00]),
],
error_messages={
'min_value': '価格が低すぎます。',
'max_value': '価格が高すぎます。',
'exclude': 'この価格は利用できません。',
}
)
この例では、Product
モデルに price
という DecimalField
フィールドが定義されています。このフィールドは、以下の要件を満たす値を入力する必要があります。
- 10.00または50.00ではない
- 1000.00以下
- 最低0.01以上
フォームフィールドの例
from django import forms
from django.core.validators import DecimalValidator
class ProductForm(forms.ModelForm):
class Meta:
model = Product
fields = ['price']
price = forms.DecimalField(
validators=[
DecimalValidator(min_value=0.01, max_value=1000.00),
DecimalValidator(exclude=[10.00, 50.00]),
],
error_messages={
'min_value': '価格が低すぎます。',
'max_value': '価格が高すぎます。',
'exclude': 'この価格は利用できません。',
}
)
この例では、ProductForm
というフォームが定義されています。このフォームには、price
という DecimalField
フィールドが含まれています。このフィールドは、モデルフィールドと同じ要件を満たす値を入力する必要があります。
error_messages
属性を使用して、エラーメッセージをカスタマイズすることができます。exclude
属性を使用して、特定の値を禁止することができます。min_value
とmax_value
属性を使用して、入力できる数字の最小値と最大値を制限できます。DecimalValidator
は、validators
属性を使用してモデルフィールドとフォームフィールドに追加されます。
- モデルフィールドとフォームフィールドの検証ロジックは、必要に応じて変更できます。
- このコードは、Django バージョン 5.0 を前提としています。
カスタムバリデーション関数
最も柔軟な方法は、カスタムバリデーション関数を作成することです。 この方法は、DecimalValidator
では提供されていない高度なロジックを実装する場合に役立ちます。
利点
- エラーメッセージを完全に制御できる
- 高度なロジックを実装できる
欠点
- テストが必要
- コードが増える
例
from django.core.exceptions import ValidationError
def validate_price(value):
if value < 0.01:
raise ValidationError('価格が低すぎます。')
elif value > 1000.00:
raise ValidationError('価格が高すぎます。')
elif value in [10.00, 50.00]:
raise ValidationError('この価格は利用できません。')
この例では、validate_price
というカスタムバリデーション関数を定義しています。 この関数は、DecimalValidator
と同じロジックを実装していますが、エラーメッセージを完全に制御することができます。
別のバライデーターモジュール
Django 以外のライブラリには、独自のバリデーターを提供するものがあります。 これらのライブラリは、DecimalValidator
よりも多くの機能を提供したり、特定のユースケースに特化したものがあります。
利点
DecimalValidator
よりも多くの機能を提供するものがある- 既存のライブラリを使用できる
欠点
- 学習曲線が上がる
- Django との統合が必要になる場合がある
例
手動検証
単純な検証であれば、手動で行うこともできます。 これは、カスタムロジックが不要な場合や、パフォーマンスが重要な場合に役立ちます。
利点
- パフォーマンスが優れている
- コードがシンプル
欠点
- テストが必要
- エラーが発生しやすい
例
def clean_price(self):
try:
value = decimal.Decimal(self.cleaned_data['price'])
except decimal.DecimalException:
raise ValidationError('有効な数値を入力してください。')
if value < 0.01:
raise ValidationError('価格が低すぎます。')
elif value > 1000.00:
raise ValidationError('価格が高すぎます。')
elif value in [10.00, 50.00]:
raise ValidationError('この価格は利用できません。')
return value
この例では、clean_price
というメソッドを定義して、手動で価格を検証しています。 この方法は、DecimalValidator
よりもコードがシンプルですが、エラーが発生しやすいという欠点があります。
最適な代替方法の選択
最適な代替方法は、要件によって異なります。 高度なロジックが必要な場合は、カスタムバリデーション関数を使用するのが最善です。 既存のライブラリを使用できる場合は、別のバライデーターモジュールを使用するのが良いでしょう。 シンプルでパフォーマンスが重要な場合は、手動検証を使用するのが良いでしょう。
- パフォーマンス: パフォーマンスが重要な場合は、使用するバリデーション方法を慎重に選択する必要があります。
- テスト: すべてのバリデーションロジックは、十分にテストする必要があります。
- エラーメッセージ: エラーメッセージは、ユーザーにとってわかりやすく、具体的なものでなければなりません。