Djangoで例外が発生した時に知っておくべきこと - `core.signals.got_request_exception` シグナル徹底解説

django.core.signals.got_request_exception シグナルは、DjangoがHTTPリクエスト処理中に例外が発生した際に送信されるシグナルです。このシグナルは、エラーハンドリングやロギングなどの処理を行うために使用することができます。

引数

このシグナルは以下の引数を持ちます。

request: 例外が発生したリクエストオブジェクト。
sender: シグナルを送信したオブジェクト。この場合、常に None になります。

シグナルの送信タイミング

このシグナルは以下のタイミングで送信されます。

テンプレート処理中に例外が発生した場合
ミドルウェアの実行中に例外が発生した場合
ビュー関数の実行中に例外が発生した場合

シグナルの接続

このシグナルに接続するには、以下のコードのように django.dispatch.Signal.connect() 関数を使用します。

from django.core.signals import got_request_exception

def my_handler(sender, request, **kwargs):
    # 例外処理を行う
    pass

got_request_exception.connect(my_handler)

シグナルハンドラの作成

シグナルハンドラは、シグナルが送信されたときに呼び出される関数です。シグナルハンドラは、以下の引数を受け取ります。

**kwargs: シグナル送信時に渡された追加引数。
request: 例外が発生したリクエストオブジェクト。
sender: シグナルを送信したオブジェクト。

シグナルハンドラは、例外処理やロギングなどの処理を行うことができます。

例

以下の例は、got_request_exception シグナルに接続し、例外が発生した場合はコンソールにログを出力するシグナルハンドラを作成するコードです。

from django.core.signals import got_request_exception
import logging

def my_handler(sender, request, **kwargs):
    logger = logging.getLogger('django.request')
    logger.error('Exception occurred during request processing:')
    logger.exception()

got_request_exception.connect(my_handler)

例外が MyCustomException の場合は、カスタムエラーページにリダイレクトする
例外が発生した場合はコンソールにログを出力する

from django.core.signals import got_request_exception
from django.shortcuts import render
from myapp.exceptions import MyCustomException
import logging

def my_handler(sender, request, **kwargs):
    logger = logging.getLogger('django.request')
    logger.error('Exception occurred during request processing:')
    logger.exception()

    exception = kwargs['exception']
    if isinstance(exception, MyCustomException):
        return render(request, 'myapp/custom_error_page.html')

got_request_exception.connect(my_handler)

このコードの説明

from django.core.signals import got_request_exception 行は、got_request_exception シグナルをインポートします。
from django.shortcuts import render 行は、render 関数をインポートします。
from myapp.exceptions import MyCustomException 行は、MyCustomException 例外クラスをインポートします。
import logging 行は、logging モジュールをインポートします。
def my_handler(sender, request, **kwargs) 行は、シグナルハンドラ関数を定義します。この関数は、シグナルが送信されたときに呼び出されます。
logger = logging.getLogger('django.request') 行は、django.request ロガーを取得します。
logger.error('Exception occurred during request processing:') 行は、コンソールにエラーメッセージを出力します。
exception = kwargs['exception'] 行は、シグナル送信時に渡された例外オブジェクトを取得します。
isinstance(exception, MyCustomException) 行は、例外が MyCustomException のかどうかを確認します。
if isinstance(exception, MyCustomException): ブロックは、例外が MyCustomException の場合に実行されます。
return render(request, 'myapp/custom_error_page.html') 行は、カスタムエラーページテンプレートをレンダリングし、レスポンスとして返します。
got_request_exception.connect(my_handler) 行は、my_handler 関数を got_request_exception シグナルに接続します。

このコードは、got_request_exception シグナルを使用して、アプリケーションで発生した例外をより効果的に処理する方法を示しています。

ログメッセージのフォーマットは、必要に応じて変更することができます。
カスタムエラーページテンプレートは、アプリケーションに合わせて作成する必要があります。
このコードはあくまで一例であり、アプリケーションの要件に応じて変更する必要があります。

しかし、このシグナルにはいくつかの欠点があります。

シグナルハンドラは、同期的に実行されます。つまり、シグナルハンドラの実行が完了するまで、リクエスト処理は続行されません。
シグナルハンドラは、例外が発生したリクエストオブジェクトにしかアクセスできません。
すべての例外が送信されるわけではない。例えば、テンプレートレンダリング中に発生する例外は送信されない。

これらの欠点を克服するために、got_request_exception シグナルの代替方法として以下の方法を検討することができます。

ミドルウェアを使用する

ミドルウェアを使用して、例外を捕捉し、処理することができます。ミドルウェアは、リクエストとレスポンスの処理に関与する関数の集合です。ミドルウェアは、リクエスト処理のさまざまな段階で実行されるため、got_request_exception シグナルよりも多くの例外を捕捉することができます。

ミドルウェアを使用した例外処理の例を以下に示します。

from django.http import HttpResponseServerError


class MyExceptionMiddleware:
    def process_exception(self, request, exception):
        if isinstance(exception, MyCustomException):
            return HttpResponseServerError('Custom error page')
        else:
            return super().process_exception(request, exception)

カスタム例外ハンドラを使用する

カスタム例外ハンドラを使用して、例外を捕捉し、処理することができます。カスタム例外ハンドラは、django.views.generic.base.View クラスを継承したクラスです。カスタム例外ハンドラは、特定の例外クラスに対応するように設定することができます。

カスタム例外ハンドラを使用した例外処理の例を以下に示します。

from django.views.generic.base import View
from myapp.exceptions import MyCustomException


class MyCustomExceptionHandler(View):
    def handle(self, request, exception):
        if isinstance(exception, MyCustomException):
            return render(request, 'myapp/custom_error_page.html')
        else:
            return super().handle(request, exception)

カスタムシグナルを使用する

カスタムシグナルを使用して、例外を捕捉し、処理することができます。カスタムシグナルは、django.dispatch.Signal クラスのインスタンスです。カスタムシグナルは、アプリケーション内でイベントを伝達するために使用することができます。

カスタムシグナルを使用した例外処理の例を以下に示します。

from django.dispatch import Signal

request_exception_signal = Signal()


def my_handler(sender, request, exception, **kwargs):
    # 例外処理を行う
    pass


request_exception_signal.connect(my_handler)