Djangoでメール送信を行う際の「settings.EMAIL_HOST_USER」設定を徹底解説


settings.EMAIL_HOST_USER は、Djangoでメール送信を行う際に使用するSMTPサーバー認証用のユーザー名を定義する設定項目です。

設定方法

settings.pyファイルに以下の設定を追加します。

EMAIL_HOST_USER = "your_email_username"

ポイント

  • Gmailの場合は、"@"以降の部分を除いた部分がユーザー名となります。
  • 多くの場合、メールアドレス全体ではなく、ユーザー名のみを入力します。
  • your_email_usernameは、実際にメール送信に使用するメールアドレスのユーザー名部分を入力します。
  • セキュリティ上、本番環境ではパスワードを平文で設定することは避けてください。環境変数やキーファイルなどを利用した方法で設定することを推奨します。
  • EMAIL_HOST_USER が設定されていない場合、Djangoは代わりに EMAIL_HOST_USER の値を使用します。
  • EMAIL_HOST_PASSWORD と合わせて設定することで、SMTPサーバーへの認証が可能になります。

Gmailを利用する場合の例:

EMAIL_HOST = "smtp.gmail.com"
EMAIL_PORT = 587
EMAIL_HOST_USER = "your_gmail_username"
EMAIL_HOST_PASSWORD = "your_gmail_password"
EMAIL_USE_TLS = True
  • settings.EMAIL_HOST_USER は、SMTP認証以外にも、以下の用途に使用できます。
    • メールヘッダーの From アドレスを設定する
    • メール送信時に使用するドメインを設定する


EMAIL_BACKEND = "django.core.mail.backends.smtp.EmailBackend"
EMAIL_HOST = "smtp.gmail.com"
EMAIL_PORT = 587
EMAIL_HOST_USER = "your_gmail_username"
EMAIL_HOST_PASSWORD = "your_gmail_password"
EMAIL_USE_TLS = True
DEFAULT_FROM_EMAIL = "your_email_address"
  • DEFAULT_FROM_EMAIL は、送信されるメールのヘッダーに表示される送信元メールアドレスを設定します。
  • ご自身のGmailアカウント情報に置き換えて設定してください。
  • 上記は、Gmailを利用する場合の一般的な設定例です。

SMTPサーバーの設定方法は、利用するサーバーによって異なります。

例:Amazon SESを利用する場合

EMAIL_BACKEND = "django_ses.SESBackend"
AWS_ACCESS_KEY_ID = "your_aws_access_key_id"
AWS_SECRET_ACCESS_KEY = "your_aws_secret_access_key"
AWS_SES_REGION_NAME = "your_aws_ses_region_name"
DEFAULT_FROM_EMAIL = "your_email_address"

ポイント

  • 各SMTPサーバーの設定情報は、それぞれのサービス提供元のドキュメントを参照してください。
  • ご利用のSMTPサーバーの設定情報に置き換えて設定してください。
  • 上記は、Amazon SESを利用する場合の例です。
  • ご利用の環境や目的に合わせて、適宜設定を調整してください。
  • 上記の例はあくまでも基本的な設定例です。
  • 特に、パスワードなどの機密情報は適切に管理するようにしてください。
  • 実際のコードを記述する際には、必ずご自身の環境に合わせて設定内容を修正してください。


そこで、settings.EMAIL_HOST_USERの代替方法として以下の3つの方法が用意されています。

環境変数を使う

環境変数にパスワードを格納し、Djangoはその値を参照するように設定します。

メリット

  • settings.pyファイルにパスワードを記述する必要がないため、セキュリティが向上します。

デメリット

  • 環境変数の設定方法がOSやシステムによって異なるため、運用が複雑になる可能性があります。

設定方法

以下の手順で、環境変数にパスワードを設定します。

  1. OS or システムの環境変数設定ツールで、以下の環境変数を設定します。

    • EMAIL_HOST_USER: SMTPサーバー認証用のユーザー名
    • EMAIL_HOST_PASSWORD: SMTPサーバー認証用のパスワード
  2. import os
    EMAIL_HOST_USER = os.environ['EMAIL_HOST_USER']
    EMAIL_HOST_PASSWORD = os.environ['EMAIL_HOST_PASSWORD']
    

キーファイルを

パスワードを暗号化してキーファイルに保存し、Djangoはそのファイルを読み込んで認証を行う方法です。

メリット

  • 環境変数を使用するよりも、より安全にパスワードを管理できます。

デメリット

  • キーファイルの管理が必要となります。

設定方法

以下の手順で、キーファイルを**

  1. 以下のコマンドを実行して、キーファイルを生成します。
    openssl genrsa -out email_key.pem 2048
    
  2. 以下のコマンドを実行して、パスワードを設定します。
    openssl pkeyenc -in email_key.pem -out email_key.enc -aes-256
    
  3. settings.pyファイルで、以下の設定を追加します。
    import os
    from django.core.files.temp import NamedTemporaryFile
    
    with NamedTemporaryFile(delete=True) as tmpfile:
        tmpfile.write(open('email_key.enc', 'rb').read())
        tmpfile.flush()
        os.environ['EMAIL_HOST_PASSWORD'] = tmpfile.name
    
    EMAIL_HOST_USER = "your_email_username"
    

カスタム認証バックエンドを使う

独自の認証ロジックを実装したカスタム認証バックエンドを作成し、Djangoはそのバックエンドを使用して認証を行う方法です。

メリット

  • 柔軟性が高く、様々な認証方式に対応できます。

デメリット

  • 開発コストが高く、知識も必要となります。

設定方法

以下の手順で、カスタム認証バックエンドを作成します。

  1. 独自の認証ロジックを実装したカスタム認証バックエンドクラスを作成します。
  2. settings.pyファイルで、以下の設定を追加します。
    AUTHENTICATION_BACKENDS = (
        'your_project.apps.yourapp.backends.CustomEmailBackend',
        'django.contrib.auth.backends.ModelBackend',
    )
    

settings.EMAIL_HOST_USERの代替方法は、それぞれメリットとデメリットがあります。ご自身の環境や要件に合わせて、最適な方法を選択してください。

  • セキュリティを考慮した上で、適切な方法を選択するようにしてください。
  • 上記以外にも、サードライブラリなどを利用した代替方法もあります。