【保存版】Qt Widgets:QTreeWidgetの非表示ルートアイテムを駆使して、使いやすく見やすいツリー構造を実現する
QTreeWidget::invisibleRootItem()
は、Qt Widgetsライブラリにおける QTreeWidget
クラスのメソッドで、ツリーウィジェットの非表示ルートアイテムを取得するものです。ツリーウィジェットは、階層構造データを視覚的に表現するために使用される便利なウィジェットです。各アイテムは、子アイテムを持つことができ、ツリー状に表示されます。
非表示ルートアイテムとは
ツリーウィジェットには、非表示ルートアイテムと呼ばれる特別なアイテムが存在します。このアイテムは、ツリーの最上位レベルに位置しますが、実際には表示されません。これは、ツリー構造を論理的に表現するために必要なアイテムであり、ユーザーインターフェース上には表示されないように設計されています。
QTreeWidget::invisibleRootItem() の役割
QTreeWidget::invisibleRootItem()
メソッドは、この非表示ルートアイテムへの参照を取得するために使用されます。この参照を使用して、ツリー構造の操作やデータへのアクセスを行うことができます。例えば、以下の操作を実行するために使用できます。
- ツリー構造を反復処理する
- アイテムのデータを取得または設定する
- 子アイテムを追加または削除する
コード例
QTreeWidget *treeWidget = new QTreeWidget;
// 非表示ルートアイテムを取得
QTreeWidgetItem *rootItem = treeWidget->invisibleRootItem();
// 子アイテムを追加
QTreeWidgetItem *childItem = new QTreeWidgetItem(rootItem);
childItem->setText(0, "子アイテム");
// アイテムのデータを取得
QString text = childItem->text(0);
// ツリー構造を反復処理
for (int i = 0; i < rootItem->childCount(); ++i) {
QTreeWidgetItem *item = rootItem->child(i);
// アイテムの操作を行う
}
注意点
- 非表示ルートアイテムを削除することはできません。
- 非表示ルートアイテムは、直接操作することはできません。子アイテムを追加したり、データを取得したりするには、
invisibleRootItem()
メソッドを使用して参照を取得する必要があります。
QTreeWidget::invisibleRootItem()
メソッドは、ツリーウィジェットの非表示ルートアイテムを取得するための重要なメソッドです。このメソッドを使用して、ツリー構造の操作やデータへのアクセスを行うことができます。
コード
#include <QApplication>
#include <QTreeWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ツリーウィジェットを作成
QTreeWidget treeWidget;
// 非表示ルートアイテムを取得
QTreeWidgetItem *rootItem = treeWidget->invisibleRootItem();
// 子アイテムを追加
QTreeWidgetItem *childItem1 = new QTreeWidgetItem(rootItem);
childItem1->setText(0, "子アイテム1");
childItem1->setData(0, Qt::UserRole, QVariant("データ1"));
QTreeWidgetItem *childItem2 = new QTreeWidgetItem(rootItem);
childItem2->setText(0, "子アイテム2");
childItem2->setData(0, Qt::UserRole, QVariant("データ2"));
// アイテムのデータを取得
QString text1 = childItem1->text(0);
QVariant data1 = childItem1->data(0, Qt::UserRole);
QString text2 = childItem2->text(0);
QVariant data2 = childItem2->data(0, Qt::UserRole);
// 取得したデータを出力
qDebug() << "子アイテム1のテキスト:" << text1;
qDebug() << "子アイテム1のデータ:" << data1;
qDebug() << "子アイテム2のテキスト:" << text2;
qDebug() << "子アイテム2のデータ:" << data2;
treeWidget.show();
return app.exec();
}
説明
このコードでは、以下の手順を実行しています。
QApplication
オブジェクトを作成し、Qtアプリケーションを初期化します。QTreeWidget
オブジェクトを作成し、ツリーウィジェットを作成します。treeWidget->invisibleRootItem()
メソッドを使用して、非表示ルートアイテムを取得します。new QTreeWidgetItem(rootItem)
メソッドを使用して、非表示ルートアイテムの下に子アイテムを作成します。setText(0, "子アイテム1")
メソッドを使用して、子アイテムのテキストを設定します。setData(0, Qt::UserRole, QVariant("データ1"))
メソッドを使用して、子アイテムにユーザーロールデータを設定します。childItem1->text(0)
メソッドを使用して、子アイテム1のテキストを取得します。childItem1->data(0, Qt::UserRole)
メソッドを使用して、子アイテム1のユーザーロールデータを取得します。- 同様の操作で、子アイテム2のテキストとユーザーロールデータを取得します。
- 取得したデータを出力します。
treeWidget.show()
メソッドを使用して、ツリーウィジェットを表示します。app.exec()
メソッドを使用して、Qtアプリケーションを実行します。
実行結果
このコードを実行すると、以下の出力が表示されます。
子アイテム1のテキスト:子アイテム1
子アイテム1のデータ:データ1
子アイテム2のテキスト:子アイテム2
子アイテム2のデータ:データ2
indexFromItem() メソッドを使用する
QTreeWidgetItem *rootItem = treeWidget->indexFromItem(treeWidget->topLevelItem(0)).parent();
このコードは、以下の手順を実行します。
treeWidget->topLevelItem(0)
メソッドを使用して、ツリーウィジェットの最上位レベルアイテムを取得します。indexFromItem()
メソッドを使用して、そのアイテムのインデックスを取得します。parent()
メソッドを使用して、そのインデックスの親アイテムを取得します。
取得された rootItem
は、非表示ルートアイテムへの参照となります。
headerItem() メソッドを使用する
QTreeWidgetItem *rootItem = treeWidget->headerItem();
このコードは、ツリーウィジェットのヘッダーアイテムを取得します。ヘッダーアイテムは、非表示ルートアイテムの子アイテムとして存在するため、この方法でも非表示ルートアイテムへの参照を取得することができます。
どちらの代替方法を選択するべきか
どちらの代替方法を選択しても、非表示ルートアイテムへの参照を取得することができます。しかし、一般的には indexFromItem()
メソッドを使用する方が推奨されます。これは、headerItem()
メソッドは、すべてのツリーウィジェットでヘッダーアイテムが存在するとは限らないためです。
- 非表示ルートアイテムを削除することはできません。
- 非表示ルートアイテムは、直接操作することはできません。子アイテムを追加したり、データを取得したりするには、上記の代替方法を使用して参照を取得する必要があります。
QTreeWidget::invisibleRootItem()
は非推奨となったため、Qt Widgets 6.3.x 以降では indexFromItem()
メソッドまたは headerItem()
メソッドを使用して、非表示ルートアイテムを取得することを推奨します。