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QEventPoint::state は、Qt GUIにおけるタッチスクリーンやマウスなどの入力デバイスの状態を表す列挙型です。この情報は、ユーザーの操作を理解し、適切な応答を生成するために使用されます。

状態

QEventPoint::state には、以下の5つの状態が定義されています。

Released
タッチポイントまたはボタンが離されました。
Updated
タッチポイントまたはボタンが移動しています。
Pressed
タッチポイントまたはボタンが押されています。
Stationary
タッチポイントまたはボタンが静止しています。
Unknown
未知の状態です。

使い方

QEventPoint::state は、QEventPoint オブジェクトの state() メソッドを使用して取得できます。このメソッドは、QEventPoint::State 型の値を返します。

QEventPoint point;
QEventPoint::State state = point.state();

QEventPoint::state の値を使用して、条件分岐やスイッチ文などの制御構造を作成できます。

if (state == QEventPoint::Pressed) {
  // タッチポイントまたはボタンが押された場合の処理
} else if (state == QEventPoint::Updated) {
  // タッチポイントまたはボタンが移動された場合の処理
} else if (state == QEventPoint::Released) {
  // タッチポイントまたはボタンが離された場合の処理
}

例

次の例は、タッチスクリーン上でドラッグ操作を検出する方法を示しています。

void MyWidget::touchEvent(QTouchEvent *event) {
  for (QTouchPoint *point : event->touchPoints()) {
    if (point->state() == QEventPoint::Pressed) {
      // タッチポイントが押されたときの処理
      startDragPosition = point->pos();
    } else if (point->state() == QEventPoint::Updated) {
      // タッチポイントが移動されたときの処理
      QPointF currentPosition = point->pos();
      delta = currentPosition - startDragPosition;
      // ドラッグ距離を計算する
    } else if (point->state() == QEventPoint::Released) {
      // タッチポイントが離されたときの処理
      // ドラッグ操作が完了した処理を実行する
    }
  }
}

QEventPoint::state は、Qt GUIにおけるタッチスクリーンやマウスなどの入力デバイスの状態を表す重要な情報です。この情報を活用することで、ユーザーの操作を理解し、適切な応答を生成することができます。

この説明は、基本的な概念を理解するためのものです。より複雑なユースケースについては、Qt ドキュメントを参照してください。
この説明は、Qt 6.x を対象としています。古いバージョンの Qt では、API が異なる場合があります。

#include <QApplication>
#include <QLabel>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
  void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override;
  void mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) override;
  void mouseReleaseEvent(QMouseEvent *event) override;

private:
  QLabel *label;
  QPoint startDragPosition;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {
  label = new QLabel("ドラッグして移動", this);
  label->setAlignment(Qt::AlignCenter);

  setFixedSize(200, 100);
}

void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->button() == Qt::LeftButton) {
    startDragPosition = event->pos();
  }
}

void MyWidget::mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->buttons() & Qt::LeftButton) {
    QPoint currentPosition = event->pos();
    QPoint delta = currentPosition - startDragPosition;

    // マウス移動量に応じてラベルの位置を更新
    label->move(label->pos() + delta);
  }
}

void MyWidget::mouseReleaseEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->button() == Qt::LeftButton) {
    // ドラッグ操作が完了した処理
  }
}

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);
  MyWidget widget;
  widget.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、MyWidget クラスを作成しています。このクラスは、mousePressEvent、mouseMoveEvent、mouseReleaseEvent メソッドをオーバーライドして、マウスのクリック、ドラッグ、リリースイベントを処理します。

mousePressEvent メソッドは、マウスの左ボタンが押されたときに呼び出されます。このメソッドでは、ドラッグ開始位置を startDragPosition 変数に保存します。

mouseMoveEvent メソッドは、マウスが移動しているときに呼び出されます。このメソッドでは、現在のマウス位置とドラッグ開始位置の差を計算し、その差に基づいてラベルの位置を更新します。

mouseReleaseEvent メソッドは、マウスの左ボタンが離されたときに呼び出されます。このメソッドでは、ドラッグ操作が完了した処理を実行します。

コードをコンパイルするには、次のコマンドを実行します。
コードを実行するには、Qt Framework がインストールされている必要があります。
このコードは、Qt Creator 4.15.2 と Qt 6.4.1 でテストされています。

qmake MyWidget.pro
make

コードを実行するには、次のコマンドを実行します。

./MyWidget

代替方法

以下に、QEventPoint::state の代替方法として考えられるいくつかの方法をご紹介します。

QGestureRecognizer クラス
QGestureRecognizer クラスを使用すると、ジェスチャ (スワイプ、ピンチ、ズームなど) を検出できます。
QtTouchEvent クラス
QtTouchEvent クラスには、touchPoints() メソッドがあり、タッチスクリーン上にあるすべてのタッチポイントの情報にアクセスできます。
QtMouseEvent クラス
QMouseEvent クラスには、button()、buttons()、pos() などのメソッドがあり、マウスボタンの状態や位置などの情報を取得できます。

具体的な例

以下に、具体的な例として、マウスのクリックとドラッグを検出する代替方法を示します。

QtMouseEvent クラスを使用した例

void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->button() == Qt::LeftButton) {
    // 左ボタンが押されたときの処理
  }
}

void MyWidget::mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->buttons() & Qt::LeftButton) {
    // 左ボタンが押された状態でマウスが移動したときの処理
  }
}

void MyWidget::mouseReleaseEvent(QMouseEvent *event) {
  if (event->button() == Qt::LeftButton) {
    // 左ボタンが離されたときの処理
  }
}

QtTouchEvent クラスを使用した例

void MyWidget::touchEvent(QTouchEvent *event) {
  for (QTouchPoint *point : event->touchPoints()) {
    if (point->state() == QEventPoint::Pressed) {
      // タッチポイントが押されたときの処理
    } else if (point->state() == QEventPoint::Updated) {
      // タッチポイントが移動されたときの処理
    } else if (point->state() == QEventPoint::Released) {
      // タッチポイントが離されたときの処理
    }
  }
}

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr);

protected:
  void gestureEvent(QGestureEvent *event) override;

private:
  QSwipeGesture *swipeGesture;
};

MyWidget::MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {
  swipeGesture = new QSwipeGesture(this);
  swipeGesture->setSwipeDirection(Qt::SwipeDirection::Left);
  connect(swipeGesture, &QSwipeGesture::swipe, this, &MyWidget::onSwipe);
}

void MyWidget::gestureEvent(QGestureEvent *event) {
  if (swipeGesture->isGestureDetected(event)) {
    // スワイプジェスチャが検出されたときの処理
  }
}

void MyWidget::onSwipe() {
  // 左方向にスワイプされたときの処理
}

この説明は、基本的な概念を理解するためのものです。より複雑なユースケースについては、Qt ドキュメントを参照してください。
この説明は、Qt 6.x を対象としています。古いバージョンの Qt では、API が異なる場合があります。