ニューラルネットワークのダイエット成功事例!PyTorchで`torch.nn.utils.prune.BasePruningMethod`を使ってモデルを軽量化


  • __call__(module, inputs): モジュール module に対して剪定を適用します。
  • apply_mask(module): モジュール module 内のテンソルにマスクを適用します。
  • compute_mask(t, default_mask): 入力テンソル t に対するマスクを計算します。このマスクは、どの要素を剪定するかを決定するために使用されます。

BasePruningMethod を継承することで、独自の剪定方法を定義することができます。そのためには、以下のメソッドをオーバーライドする必要があります。

  • apply_mask(module): モジュール module 内のテンソルにマスクを適用します。
  • compute_mask(t, default_mask): 剪定を行うためのマスクを計算します。

剪定方法の例

以下は、BasePruningMethod を継承した簡単な剪定方法の例です。この方法は、絶対値が小さい要素を剪定します。

from torch.nn.utils.prune import BasePruningMethod

class ThresholdPruning(BasePruningMethod):

    def __init__(self, threshold):
        self.threshold = threshold

    def compute_mask(self, t, default_mask):
        return torch.abs(t) > self.threshold

    def apply_mask(self, module):
        mask = getattr(module, self._tensor_name + '_mask')
        original_tensor = getattr(module, self._tensor_name + '_orig')
        pruned_tensor = original_tensor * mask
        setattr(module, self._tensor_name, pruned_tensor)

この方法を使用するには、以下の手順を実行する必要があります。

  1. ThresholdPruning オブジェクトを作成します。
  2. 剪定対象のモジュールとパラメータ名を指定して、prune() メソッドを呼び出します。
  3. モデルを訓練します。

剪定の利点

剪定には、以下の利点があります。

  • モデルの精度向上: 場合によっては、剪定によりモデルの精度が向上することがあります。これは、冗長なパラメータが削除されることで、モデルがより効率的に学習できるようになるためです。
  • モデルサイズと計算量の削減: 剪定により、モデルのパラメータ数が削減されるため、モデルのサイズと計算量が削減されます。

剪定には、以下の注意点があります。

  • モデルの汎化性能が低下する可能性: 剪定により、モデルの汎化性能が低下する可能性があります。
  • モデル精度が低下する可能性: 剪定しすぎると、モデル精度が低下する可能性があります。


import torch
from torch.nn.utils.prune import BasePruningMethod, Pruner

class ThresholdPruning(BasePruningMethod):

    def __init__(self, threshold):
        self.threshold = threshold

    def compute_mask(self, t, default_mask):
        return torch.abs(t) > self.threshold

    def apply_mask(self, module):
        mask = getattr(module, self._tensor_name + '_mask')
        original_tensor = getattr(module, self._tensor_name + '_orig')
        pruned_tensor = original_tensor * mask
        setattr(module, self._tensor_name, pruned_tensor)

# モデルを定義
model = torch.nn.Sequential(
    torch.nn.Linear(10, 100),
    torch.nn.ReLU(),
    torch.nn.Linear(100, 10)
)

# 剪定器を作成
pruner = Pruner(model)
pruner.add_pruning_method(ThresholdPruning(threshold=0.1))

# 剪定を実行
pruner.prune()

# モデルを訓練
...

# モデルを評価
...

このコードは以下の通り動作します。

  1. ThresholdPruning オブジェクトを作成します。
  2. pruner オブジェクトを作成し、モデルを指定します。
  3. add_pruning_method() メソッドを使用して、剪定方法を pruner オブジェクトに追加します。
  4. prune() メソッドを呼び出して剪定を実行します。
  5. モデルを訓練します。
  6. モデルを評価します。


手動による剪定

最も基本的な方法は、手動で剪定を行うことです。これは、以下の手順で行うことができます。

  1. 剪定対象のパラメータを特定します。
  2. パラメータを削除します。
  3. モデルを再構築します。

この方法は、柔軟性が高いですが、時間と労力がかかります。

構造的剪定

構造的剪定は、ネットワーク構造自体を剪定する方法です。代表的な手法として、以下のものがあります。

  • Connection pruning: 不要な接続を削除します。
  • Unit pruning: 不要なユニットを削除します。
  • Filter pruning: 不要なフィルタを削除します。

これらの手法は、torch.nn.utils.prune.BasePruningMethod よりも精度向上効果が期待できますが、実装が複雑になることがあります。

スパース化

スパース化は、パラメータ値をゼロに設定することで剪定を行う方法です。代表的な手法として、以下のものがあります。

  • L1 regularization: L1 正則化項を損失関数に追加することで、パラメータ値が小さくなるように訓練します。

これらの手法は、実装が比較的簡単ですが、精度向上効果が限定的な場合があります。

蒸留学習

蒸留学習は、教師モデルから生徒モデルへ知識を転移させることで、生徒モデルを剪定する方法です。この方法は、以下の手順で行うことができます。

  1. 教師モデルを訓練します。
  2. 生徒モデルを教師モデルから知識を転移させるように訓練します。
  3. 生徒モデルを剪定します。

この方法は、精度向上効果が期待できますが、教師モデルを訓練する必要があるため、計算コストがかかります。

どの方法を選択すべきか

どの方法を選択すべきかは、以下の要素によって異なります。

  • 実装難易度: 実装が簡単な方法が必要な場合は、スパース化が適しています。
  • 計算コスト: 計算コストを抑えたい場合は、手動による剪定やスパース化が適しています。
  • 精度要件: 高い精度が必要な場合は、構造的剪定や蒸留学習が適しています。