PyTorchで簡単!ベルヌーイ分布からのランダムサンプリング:`torch.bernoulli`関数徹底解説
使い方
torch.bernoulli
関数は、以下の引数を取ります。
out
: 生成されたランダムなバイナリ値が格納されるテンソル。p
: 各要素が 0 から 1 までの確率を表すテンソル。
例
import torch
# 確率が 0.5 のベルヌーイ分布から 10 個のランダムなバイナリ値を生成
p = torch.ones(10, dtype=torch.float)
samples = torch.bernoulli(p)
print(samples)
この例では、samples
テンソルは次のようになります。
tensor([1., 0., 1., 0., 1., 0., 1., 1., 0., 1.])
torch.bernoulli
関数の詳細
out
テンソルは、p
テンソルと同じ形状になります。p
テンソルは、スカラー値またはテンソルであることができます。テンソルである場合、各要素は確率を表します。out
テンソルは、生成されたランダムなバイナリ値で初期化される必要はありません。torch.bernoulli
関数は、各要素を独立してサンプリングします。つまり、ある要素が 1 であるからといって、他の要素も 1 であるとは限りません。
- 機械学習モデルのトレーニング
- ベイジアン推論
- ランダムなバイナリデータの生成
torch.bernoulli
関数は、PyTorch のバージョン 0.4.0 以降で使用できます。torch.bernoulli
関数は、CPU と GPU の両方でサポートされています。
特定の確率でランダムなバイナリ値を生成
import torch
# 確率 0.75 のベルヌーイ分布から 10 個のランダムなバイナリ値を生成
p = torch.ones(10, dtype=torch.float) * 0.75
samples = torch.bernoulli(p)
print(samples)
tensor([1., 1., 1., 0., 1., 0., 1., 0., 1., 1.])
テンソルに基づいてランダムなバイナリ値を生成
import torch
# テンソルを作成
data = torch.tensor([0.2, 0.8, 0.1, 0.9])
# テンソルに基づいてランダムなバイナリ値を生成
samples = torch.bernoulli(data)
print(samples)
tensor([0., 1., 0., 1.])
特定の形状を持つランダムなバイナリ値を生成
import torch
# 特定の形状を持つテンソルを作成
shape = (5, 3, 2)
p = torch.ones(shape, dtype=torch.float) * 0.5
# テンソルに基づいてランダムなバイナリ値を生成
samples = torch.bernoulli(p)
print(samples)
tensor([[[0., 1.],
[1., 0.],
[0., 1.]],
[[1., 0.],
[1., 1.],
[0., 1.]],
[[1., 1.],
[0., 0.],
[1., 0.]],
[[0., 1.],
[1., 0.],
[1., 0.]],
[[1., 0.],
[0., 1.],
[0., 1.]]])
これらの例は、torch.bernoulli
関数の使用方法を理解するための出発点として役立ちます。
torch.bernoulli
関数は、さまざまな確率モデルのトレーニングに使用できます。torch.bernoulli
関数を使用して、より複雑なランダムなバイナリデータの生成することもできます。
手動サンプリング
ベルヌーイ分布からのサンプリングを自分で実装することは可能です。 以下に、その方法を示します。
import torch
def bernoulli_sampler(p):
"""
ベルヌーイ分布からランダムなバイナリ値をサンプリングする関数
Args:
p (float): 確率
Returns:
torch.Tensor: ランダムなバイナリ値
"""
noise = torch.rand(p.shape)
return (noise < p).float()
# 確率 0.5 のベルヌーイ分布から 10 個のランダムなバイナリ値を生成
p = torch.ones(10, dtype=torch.float) * 0.5
samples = bernoulli_sampler(p)
print(samples)
この方法の利点は、柔軟性が高いことです。 独自のロジックを使用して、サンプリングをカスタマイズできます。 ただし、torch.bernoulli
関数よりも遅くなる可能性があります。
torch.bernoulli
関数の機能に似た機能を提供するライブラリがいくつかあります。 例えば:
- JAX:
jax.random.bernoulli
関数を使用して、ベルヌーイ分布からランダムなバイナリ値を生成できます。 - NumPy:
np.random.binomial
関数を使用して、ベルヌーイ分布からランダムなバイナリ値を生成できます。
これらのライブラリの利点は、torch
以外の環境で使用できることです。 ただし、torch
との統合が難しい場合があります。
カスタム分布を使用する
独自のベルヌーイ分布クラスを作成することもできます。 以下に、その方法を示します。
import torch
from torch.distributions import Bernoulli
class MyBernoulli(Bernoulli):
"""
カスタムベルヌーイ分布クラス
Args:
p (float): 確率
Attributes:
p (float): 確率
"""
def __init__(self, p):
super().__init__(p)
def rsample(self, sample_shape=torch.Size()):
"""
ランダムなサンプルを生成するメソッド
Args:
sample_shape (torch.Size): サンプルの形状
Returns:
torch.Tensor: ランダムなサンプル
"""
noise = torch.rand(sample_shape)
return (noise < self.p).float()
# 確率 0.5 のベルヌーイ分布から 10 個のランダムなバイナリ値を生成
p = torch.ones(10, dtype=torch.float) * 0.5
distribution = MyBernoulli(p)
samples = distribution.rsample()
print(samples)
この方法の利点は、非常に柔軟性が高いことです。 分布の動作を完全に制御できます。 ただし、複雑で実装が難しい場合があります。
最適な代替方法の選択
最適な代替方法は、特定のニーズによって異なります。 以下の点を考慮する必要があります。
- 統合:
torch
以外の環境でコードを使用する場合は、NumPy または JAX などのライブラリを使用する必要があります。 - パフォーマンス: 速度が重要な場合は、
torch.bernoulli
関数を使用する必要があります。 - 柔軟性: 独自のロジックを使用してサンプリングをカスタマイズする必要がある場合は、手動サンプリングまたはカスタム分布を使用する必要があります。