分散ワークロードのデバッグに役立つ!PyTorch Distributed Elastic TimerRequestの使い方と代替手段
torch.distributed.elastic.timer.TimerRequest
は、PyTorch Distributed Elastic における分散ワークロードの同期と調整に使用されるクラスです。
機能
- 分散ワークフローの同期: 複数のワーカー間でタイマーを同期することで、分散ワークフローの進行を制御できます。
- コードブロックの保護: タイマーはコードブロックをラップし、ブロックが期限内に完了するようにすることができます。期限内に完了しない場合は、エラーが発生します。
- タイマーの作成と管理:
TimerRequest
を使用して、特定の期間後に期限切れになるタイマーを作成できます。
使用方法
TimerRequest
を使用する基本的な手順は次のとおりです。
TimerRequest
オブジェクトを作成します。- 保護するコードブロックを
with
ステートメント内に配置します。 TimerRequest
オブジェクトをacquire
メソッドを使用して取得します。- コードブロックを実行します。
TimerRequest
オブジェクトをrelease
メソッドを使用して解放します。
例
import torch.distributed.elastic as te
def my_function():
# このコードブロックは 5 秒以内に完了する必要があります。
# そうしないと、エラーが発生します。
with te.TimerRequest(5):
# ここにコードを記述します。
my_function()
詳細
TimerRequest
クラスには、次のメソッドと属性があります。
- cancel(): タイマーをキャンセルします。
- expires(): タイマーの有効期限が切れるまでの残り時間を秒単位で返します。
- release(): タイマーを解放し、コードブロックの実行を終了します。
- acquire(): タイマーを取得し、コードブロックの実行を開始します。
TimerRequest
クラスは、分散ワークフローの同期と調整に役立つ強力なツールです。 詳細については、PyTorch Distributed Elastic のドキュメントを参照してください。
TimerRequest
は、単一ノードワークロードでも使用できます。TimerRequest
は、分散ワークフローの同期と調整に使用されるだけでなく、コードのデバッグとテストにも役立ちます。
例 1: 単一ノードワークロード
import torch.distributed.elastic as te
def my_function():
# このコードブロックは 5 秒以内に完了する必要があります。
# そうしないと、エラーが発生します。
with te.TimerRequest(5):
# ここにコードを記述します。
my_function()
例 2: 分散ワークロード
import torch.distributed.elastic as te
def my_function(rank):
if rank == 0:
# ワーカー 0 は、他のワーカーが完了するのを 10 秒間待機します。
with te.TimerRequest(10):
te.get_world_size()
else:
# 他のワーカーは、10 秒以内に完了する必要があります。
# そうしないと、エラーが発生します。
with te.TimerRequest(10):
# ここにコードを記述します。
if __name__ == "__main__":
te.init_process_group("gloo")
world_size = te.get_world_size()
for rank in range(world_size):
my_function(rank)
例 3: コードブロックの保護
import torch.distributed.elastic as te
def my_function():
try:
# このコードブロックは 5 秒以内に完了する必要があります。
# そうしないと、エラーが発生します。
with te.TimerRequest(5):
# ここにコードを記述します。
except te.TimeoutException:
print("コードブロックがタイムアウトしました。")
my_function()
import torch.distributed.elastic as te
def my_function():
timer = te.TimerRequest(10)
try:
# このコードブロックは 5 秒以内に完了する必要があります。
# そうしないと、エラーが発生します。
with timer:
# ここにコードを記述します。
# タイマーをキャンセルします。
timer.cancel()
except te.TimeoutException:
print("コードブロックがタイムアウトしました。")
my_function()
イベントベースの同期
イベントベースの同期は、分散ワークロードの同期と調整に使用できるもう 1 つの方法です。 このアプローチでは、ワーカーは完了時にイベントを発行し、他のワーカーはイベントを待機して続行します。
イベントベースの同期は、いくつかの利点があります。
- エラー処理が簡単です。
TimerRequest
よりも柔軟性があります。
ただし、イベントベースの同期には、いくつかの欠点もあります。
- デバッグが難しい場合があります。
TimerRequest
よりもオーバーヘッドが大きい場合があります。
分散ロック
分散ロックは、排他アクセスを制御するために使用できるメカニズムです。 分散ワークロードでは、分散ロックを使用して、ワーカーが特定のリソースに同時にアクセスしないようにすることができます。
分散ロックには、いくつかの利点があります。
- シンプルです。
TimerRequest
やイベントベースの同期よりも効率的です。
ただし、分散ロックには、いくつかの欠点もあります。
- エラー処理が難しい場合があります。
- デッドロックが発生する可能性があります。
手動同期
最も単純な代替手段は、ワーカー間の手動同期です。 このアプローチでは、ワーカーは明示的にメッセージを送信して受信することで、互いを同期します。
手動同期には、いくつかの利点があります。
- オーバーヘッドが最小限です。
- 最も柔軟なソリューションです。
ただし、手動同期には、いくつかの欠点もあります。
- エラー処理が難しい場合があります。
- コードが煩雑になる可能性があります。
最適な代替手段を選択
TimerRequest
の代替手段を選択する際は、要件を慎重に検討する必要があります。 考慮すべき要素には、次のものがあります。
- エラー処理の要件
- ワークロードの複雑性
- ワークロードのパフォーマンス要件