Pythonプログラミング:NumPyテストの便利なツール `testing.assert_no_warnings()` の使い方


この関数は、以下の2つの方法で使用できます。

関数引数として使用する

import numpy.testing as npt

def my_function():
    # 警告が発生するようなコード

npt.assert_no_warnings(my_function)

上記の例では、my_functionを実行しても警告が発生しないことを確認します。もし警告が発生した場合、テストは失敗します。

コンテキストマネージャーとして使用する

import numpy.testing as npt

def my_function():
    # 警告が発生するようなコード

with npt.assert_no_warnings():
    my_function()

上記の例では、withステートメントを使用してassert_no_warnings()をコンテキストマネージャーとして使用しています。この場合、my_functionを実行しても警告が発生しないことを確認します。もし警告が発生した場合、例外が発生し、テストは失敗します。

testing.assert_no_warnings()の利点

  • テストコードをより読みやすく、理解しやすいものにすることができる
  • テスト対象のコードが予期しない警告を出していないことを確認できる
  • テスト対象のコードが実際に実行されることを確認する必要がある
  • すべての警告を抑制するわけではない。無視したい特定の警告クラスを指定する必要がある
  • 警告を抑制する代わりに、特定の警告が発生することを確認したい場合は、testing.assert_warns()関数を使用することができます。
  • testing.assert_no_warnings()は、NumPy v1.7.0以降で使用できます。


例1: 関数引数として使用する

import numpy.testing as npt

def my_function(a, b):
    # 警告が発生するような計算を行う
    c = np.divide(a, b)

a = np.array([1, 2, 3])
b = np.array([0, 1, 0])

npt.assert_no_warnings(my_function, a, b)

この例では、my_functionを実行しても警告が発生しないことを確認します。my_functionは、abの要素同士を逐次除算しており、bの2番目の要素が0であるため、ゼロ除算警告が発生します。しかし、assert_no_warnings()によって警告が抑制されるため、テストは成功します。

例2: コンテキストマネージャーとして使用する

import numpy.testing as npt

def my_function(a):
    # 警告が発生するようなデータ型変換を行う
    b = np.array(a, dtype=np.float16)

a = np.array([1, 2, 3, 4, 5], dtype=np.int32)

with npt.assert_no_warnings():
    my_function(a)

この例では、withステートメントを使用してassert_no_warnings()をコンテキストマネージャーとして使用しています。my_functionは、anp.float16型に変換していますが、aの値の中にはnp.float16で表現できない値が含まれているため、データ型変換警告が発生します。しかし、assert_no_warnings()によって警告が抑制されるため、テストは成功します。

例3: 特定の警告クラスを無視する

import numpy.testing as npt

def my_function():
    # ランタイム警告が発生するような操作を行う
    np.seterr(all='warn')
    np.divide(1, 0)

with npt.assert_no_warnings(RuntimeWarning):
    my_function()

この例では、assert_no_warnings()の引数にRuntimeWarningを指定することで、ランタイム警告のみを抑制しています。my_functionは、1を0で除算するため、ランタイム警告が発生します。しかし、RuntimeWarningのみが抑制されるため、テストは成功します。

import numpy.testing as npt

def my_function():
    # 異なる警告が発生するような操作を行う
    np.seterr(all='warn')
    np.divide(1, 0)
    np.full((10, 10), np.inf)

with npt.assert_no_warnings(RuntimeWarning, FutureWarning):
    my_function()

この例では、assert_no_warnings()の引数にRuntimeWarningFutureWarningを指定することで、ランタイム警告と将来警告のみを抑制しています。my_functionは、1を0で除算し、np.infを要素とする10x10行列を作成するため、ランタイム警告と将来警告が発生します。しかし、指定した警告のみが抑制されるため、テストは成功します。



以下に、testing.assert_no_warnings()の代替方法として考えられる方法をいくつか紹介します。

warnings.catch_warnings()を使用する

warnings.catch_warnings()は、コンテキストマネージャーとして使用し、コード実行中に発生した警告を捕捉することができます。捕捉された警告は、リストとして取得して、必要な処理を行うことができます。

import warnings
import numpy as np

def my_function():
    # 警告が発生するようなコード

with warnings.catch_warnings() as w:
    my_function()

    # 捕捉された警告を確認する
    for warning in w:
        print(warning)

この例では、my_functionを実行中に発生した警告をwというリストに捕捉しています。その後、wの内容を確認することで、どのような警告が発生したのかを確認することができます。

アサーションライブラリを使用する

pytestのようなアサーションライブラリを使用すれば、より柔軟なテストコードを書くことができます。例えば、以下のように、特定の警告メッセージが出力されたことを確認するアサーションを書くことができます。

import pytest
import numpy as np

def my_function():
    # 警告が発生するようなコード

with pytest.warns(RuntimeWarning):
    my_function()

この例では、my_functionを実行中にRuntimeWarningが発生することを確認するアサーションを書いています。もし警告が発生しない場合は、テストは失敗します。

カスタムコンテキストマネージャーを作成する

import warnings

def assert_no_warnings(func):
    """
    特定の警告が発生しないことを確認するコンテキストマネージャー

    Args:
        func: テスト対象の関数

    Returns:
        None
    """

    with warnings.catch_warnings() as w:
        warnings.filterwarnings("ignore", category=FutureWarning)
        func()

        for warning in w:
            if not isinstance(warning, FutureWarning):
                raise AssertionError(f"Unexpected warning: {warning}")

@assert_no_warnings
def my_function():
    # 警告が発生するようなコード

my_function()

この例では、assert_no_warningsというコンテキストマネージャーを作成しています。このコンテキストマネージャーは、funcを実行してもFutureWarning以外の警告が発生しないことを確認します。

それぞれの方法の利点と欠点

方法利点欠点
warnings.catch_warnings()柔軟性が高い警告処理を自分で行う必要がある
アサーションライブラリ読みやすく、理解しやすい特定のアサーションライブラリが必要
カスタムコンテキストマネージャー細かい制御が可能開発コストがかかる

どの方法を選択するかは、状況によって異なります。 以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。

  • 開発者のスキルと経験
  • 必要とされる警告処理の複雑さ
  • テスト対象のコードの複雑さ