【初心者向け】MariaDBのSQLステートメント:演算子の優先順位をマスターしよう
優先順位の高い演算子は、優先順位の低い演算子よりも先に評価されます。
MariaDBの演算子は、以下の8つのグループに分類されます。
- カッコ
- 単項演算子
- 乗算・除算
- 加算・減算
- 比較演算子
- 論理否定演算子
- 論理AND演算子
- 論理OR演算子
各グループ内の演算子は、左から右へ評価されます。
例
SELECT 10 * 5 + 3 / 2
この式の場合、乗算と除算は加算・減算よりも優先順位が高いので、先に評価されます。よって、以下の順序で計算されます。
- 10 * 5 = 50
- 3 / 2 = 1.5
- 50 + 1.5 = 51.5
したがって、この式の結果は51.5となります。
括弧
括弧は、式の評価順序を強制的に変更するために使用できます。括弧内の式は、括弧外の式よりも先に評価されます。
例
SELECT (10 * 5) + (3 / 2)
この式の場合、括弧内の式が先に評価されるので、以下の順序で計算されます。
- (10 * 5) = 50
- (3 / 2) = 1.5
- 50 + 1.5 = 51.5
単項演算子
単項演算子は、1つのオペランドのみを持つ演算子です。代表的な単項演算子には、以下のものがあります。
!
: 論理否定+
: 正号化-
: 符号反転
例
SELECT -10
この式の場合、単項演算子-
はオペランド10
に作用し、以下の結果となります。
- -10
乗算・除算
乗算と除算は、同じグループに属しており、左から右へ評価されます。
例
SELECT 10 * 5 / 2
この式の場合、乗算と除算は同じグループに属しており、左から右へ評価されます。よって、以下の順序で計算されます。
- 10 * 5 = 50
- 50 / 2 = 25
したがって、この式の結果は25となります。
加算・減算
例
SELECT 10 + 5 - 2
- 10 + 5 = 15
- 15 - 2 = 13
比較演算子
比較演算子は、2つのオペランドを比較し、真偽値を返す演算子です。代表的な比較演算子には、以下のものがあります。
>=
: 以上>
: 超過<=
: 以下<
: 未満!=
: 不等価=
: 等価
例
SELECT 10 = 5
この式の場合、比較演算子=
はオペランド10
と5
を比較し、以下の結果となります。
- FALSE
論理否定演算子
論理否定演算子は、オペランドの真偽値を反転する演算子です。代表的な論理否定演算子には、以下のものがあります。
NOT
: 論理否定
SELECT NOT 10 = 5
例 1: 単項演算子と乗算・除算
SELECT -10 * 5 / 2
このコードは、以下の結果を出力します。
25
単項演算子-
は、乗算よりも先に評価されるため、-10
が計算されます。その後、乗算と除算が左から右へ評価され、25
が結果となります。
例 2: 加算・減算と比較演算子
SELECT 10 + 5 < 20 - 2
TRUE
加算と減算は左から右へ評価され、15
と18
が計算されます。その後、比較演算子<
が評価され、TRUE
が結果となります。
例 3: 論理演算子と比較演算子
SELECT 10 = 5 AND 20 > 10 OR 30 < 15
FALSE
論理演算子は、左から右へ評価されます。まず、10 = 5
と20 > 10
が評価され、それぞれFALSE
とTRUE
となります。その後、FALSE
とTRUE
がOR
演算子で評価され、TRUE
となります。最後に、TRUE
と30 < 15
がAND
演算子で評価され、FALSE
となります。
例 4: 括弧による評価順序の制御
SELECT (10 + 5) * (20 - 2) / 3
100
上記の例では、括弧内の式10 + 5
と20 - 2
が先に評価され、それぞれ15
と18
となります。その後、乗算と除算が左から右へ評価され、100
が結果となります。
以下に、演算子の優先順位の代替方法をいくつか紹介します。
括弧を使用する
括弧を使用すると、式の評価順序を明示的に指定することができます。括弧内の式は、括弧外の式よりも先に評価されます。
例
SELECT (10 + 5) * (20 - 2) / 3
関数を使用する
演算子と同じ機能を持つ関数を代わりに使用することができます。関数は、常に一定の順序で評価されます。
例
SELECT POW(10, 2) * 5 / 3
この式は、POW()
関数を使用して累乗を計算するため、10 * 5
と20 / 3
を先に評価する必要がなくなり、計算順序が明確になります。
式を書き換える
式を書き換えることで、演算子の優先順位に頼らずに評価できるようにすることができます。
例
SELECT 10 / 2 * 5
この式は、乗算を先に評価するために、以下の式に書き換えることができます。
SELECT (10 / 2) * 5
演算子プレフィックスとポストフィックスを使用する
一部のプログラミング言語では、演算子プレフィックスとポストフィックスを使用して、演算子の優先順位を変更することができます。
例
int a = 10;
int b = 5;
int c = a * b++; // 演算子プレフィックス: b++ は先に評価され、10 * 5 となる
int d = a * ++b; // 演算子ポストフィックス: ++b は後に評価され、10 * 6 となる
拡張演算子を使用する
一部のプログラミング言語では、拡張演算子を使用して、新しい演算子や演算子の優先順位を定義することができます。
演算子の優先順位は、式を評価する便利な方法ですが、状況によっては、他の方法がより適切な場合があります。上記で紹介した代替方法を理解することで、より柔軟で読みやすいコードを書くことができます。