MariaDBユーザーの特権を削除する方法:DROP USERとREVOKE ALL PRIVILEGESの違い


MariaDB の DROP USER ステートメントは、データベースからユーザーアカウントとその関連する特権を削除するために使用されます。データベースのセキュリティを強化し、不要になったアカウントを管理する際に役立ちます。

構文

DROP USER [IF EXISTS] username [, username] ...;

説明

  • username: 削除するユーザーの名前を1つ以上カンマ区切りで指定します。
  • IF EXISTS: この句はオプションであり、指定されたユーザーが存在しない場合でもエラーを発生させないようにします。

権限

DROP USER ステートメントを実行するには、以下のいずれかの権限が必要です。

  • mysql システムスキーマに対する DELETE 権限
  • GLOBAL CREATE USER 権限

以下の例では、user1user2 という名前のユーザーアカウントを削除します。

DROP USER user1, user2;

注意事項

  • 権限を持つユーザーのみがユーザーアカウントを削除できます。
  • DROP USER ステートメントは取り消しができないため、実行前に注意が必要です。
  • ユーザーを削除する前に、そのユーザーが所有するすべてのオブジェクト (テーブル、ビュー、プロシージャなど) を削除する必要があります。
  • ユーザーアカウントを削除すると、そのアカウントに関連するすべてのセッションが強制終了されます。
  • ワイルドカードを使用して複数のユーザーアカウントを削除できます。たとえば、DROP USER 'user%'; コマンドは、user1user2user3 などの名前を持つすべてのユーザーアカウントを削除します。
  • DROP USER ステートメントは、MariaDB 5.0 以降で使用できます。


例 1: 単一のユーザーアカウントを削除する

この例では、user1 という名前のユーザーアカウントを削除します。

DROP USER user1;

例 2: 存在するかどうかを確認してからユーザーアカウントを削除する

この例では、user2 という名前のユーザーアカウントが存在するかどうかを確認してから削除します。ユーザーが存在しない場合は、エラーが発生しません。

DROP USER IF EXISTS user2;

例 3: ワイルドカードを使用して複数のユーザーアカウントを削除する

この例では、user% という名前を持つすべてのユーザーアカウントを削除します。

DROP USER user%;

例 4: 特定のホストからのユーザーアカウントを削除する

この例では、localhost ホストからの user3 という名前のユーザーアカウントを削除します。

DROP USER user3@localhost;

例 5: ユーザーアカウントを削除し、そのアカウントに関連するすべての特権を削除する

この例では、user4 という名前のユーザーアカウントを削除し、そのアカウントに関連するすべての特権を削除します。

DROP USER user4,
  REVOKE ALL PRIVILEGES ON * FROM user4;

これらの例は、DROP USER ステートメントを様々な状況で使用する方法を示すほんの一例です。



代替手段の選択肢

  1. REVOKE ALL PRIVILEGES を使用する

    この方法は、ユーザーの特権をすべて削除することで、間接的にユーザーアカウントを無効化します。 その後、DROP USER ステートメントを使用してアカウントを完全に削除できます。

    REVOKE ALL PRIVILEGES ON * FROM username;
    DROP USER username;
    

    利点

    • 特権の変更履歴が残るため、監査目的で役立ちます。
    • 2 つのステートメントが必要になるため、DROP USER 単体よりも操作が煩雑になります。
  2. SET PASSWORD を使用してパスワードを無効にする

    この方法は、ユーザーのパスワードを無効化することで、ログインを不可能にします。 その後、DROP USER ステートメントを使用してアカウントを削除できます。

    SET PASSWORD FOR username = '';
    DROP USER username;
    

    利点

    • シンプルで分かりやすい方法です。

    欠点

    • ユーザーがパスワードリセットメカニズムを使用してパスワードを再設定できる可能性があるため、完全に安全ではありません。
  3. GRANT を使用して特権を制限する

    この方法は、ユーザーに最低限の特権のみを付与することで、データベースへのアクセスを制限します。 その後、不要になった場合は、アカウントを削除できます。

    GRANT SELECT, INSERT ON my_database.* TO username;
    

    利点

    • ユーザーに与える特権を細かく制御できます。

    欠点

    • 適切な特権レベルの設定には、データベースに対する深い理解が必要となります。

最良の代替手段は、特定の状況によって異なります。

考慮すべき要素

  • 操作の簡便性
    最もシンプルで分かりやすい方法を選択したいのか。
  • 監査要件
    特権の変更を追跡する必要があるのか。
  • 必要なセキュリティレベル
    完全にアクセスを無効にする必要があるのか、それとも特権を制限するだけで十分なのか。

決定を下す前に、各オプションの利点と欠点を比較検討することが重要です。