「RegExp.compile」はもう使わない!現代のJavaScriptにおける正規表現の書き方


RegExp.compile() は、JavaScript における正規表現オブジェクトのコンパイルを処理するメソッドです。しかし、このメソッドは非推奨であり、現代の JavaScript エンジンでは、パフォーマンス上の理由からほとんど使用されません。

機能

RegExp.compile() は、以下の機能を提供します。

  • すでに作成された正規表現オブジェクトに対して、新しいパターンとフラグを指定して再コンパイルを実行します。

構文

RegExp.prototype.compile(pattern, flags);

引数

  • flags: 新しいフラグを表す文字列
  • pattern: 新しいパターンを表す文字列

戻り値

なし

注意点

  • 再コンパイルされた正規表現オブジェクトは、元のオブジェクトとは異なる動作をする可能性があります。
  • RegExp.compile() は、正規表現オブジェクト自体を変更します。

非推奨理由

現代の JavaScript エンジンは、正規表現リテラルまたは RegExp コンストラクタを使用して作成された正規表現オブジェクトを、初回実行時に自動的にコンパイルします。そのため、RegExp.compile() を明示的に呼び出す必要はありません。

さらに、RegExp.compile() を使用すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。これは、再コンパイルプロセスが追加のオーバーヘッドを発生させるためです。

代替手段

正規表現オブジェクトを再コンパイルする必要がある場合は、代わりに新しい正規表現オブジェクトを作成することをお勧めします。

const oldRegExp = /pattern/flags;
const newRegExp = new RegExp(newPattern, newFlags);

const re = new RegExp('ab+c');

console.log(re.test('abc')); // true

re.compile('def');

console.log(re.test('abc')); // false

この例では、re という正規表現オブジェクトが 'ab+c' というパターンで作成されます。その後、re.compile('def') を呼び出して、パターンを 'def' に変更します。最後に、re.test('abc') を呼び出すと、'abc' は新しいパターンと一致しないため、false が返されます。



const re = new RegExp('ab+c');

console.log(re.test('abc')); // true

// パターンを 'def' に変更
re.compile('def');

console.log(re.test('abc')); // false

このコードは以下の動作をします。

  1. new RegExp('ab+c') を使用して、'ab+c' というパターンの正規表現オブジェクト re を作成します。
  2. console.log(re.test('abc')) を呼び出して、'abc're に一致するかどうかを確認します。一致するため、true が出力されます。
  3. re.compile('def') を呼び出して、re のパターンを 'def' に変更します。
  4. console.log(re.test('abc')) をもう一度呼び出して、'abc' が新しいパターンと一致するかどうかを確認します。一致しないため、false が出力されます。

この例では、RegExp.compile() を使用してパターンの変更のみを行っています。フラグを変更することもできますが、非推奨であるため、ここでは説明していません。

代替手段

前述のように、RegExp.compile() を使用する代わりに、新しい正規表現オブジェクトを作成する方が一般的です。

const oldRegExp = /pattern/flags;
const newRegExp = new RegExp(newPattern, newFlags);
  1. oldRegExp という名前で、patternflags を使用して正規表現オブジェクトを作成します。
  2. newRegExp という名前で、newPatternnewFlags を使用して新しい正規表現オブジェクトを作成します。


代替手段

RegExp.compile の代わりに、以下の方法で正規表現オブジェクトを作成および使用することができます。

正規表現リテラルを使用する

最も一般的で簡潔な方法は、正規表現リテラルを使用することです。これは、スラッシュ (/) で囲まれたパターン文字列で構成されます。フラグを指定するには、パターン文字列の後にカンマ (,) とフラグ文字列を続けます。

const regex = /pattern/flags;

const regex1 = /ab+c/; // パターン: "ab" が 1 回以上続く "c"
const regex2 = /pattern/i; // 大小文字を区別しない

RegExp コンストラクタを使用する

より柔軟な制御が必要な場合は、RegExp コンストラクタを使用することができます。このコンストラクタは、パターンとフラグを引数として受け取ります。

const regex = new RegExp(pattern, flags);

const regex1 = new RegExp('ab+c');
const regex2 = new RegExp('pattern', 'i');

フラグを動的に指定する

フラグは、パターン文字列の後にカンマ (,) とフラグ文字列を続.けることで、または RegExp コンストラクタの第二引数として渡すことで指定できます。

const regex1 = /pattern/i; // パターン文字列の後にフラグを指定
const regex2 = new RegExp('pattern', 'i'); // RegExpコンストラクタでフラグを指定
  • 複数の正規表現パターンを繰り返し使用する場合は、パフォーマンスを向上させるために、キャッシュを使用することを検討してください。
  • 正規表現オブジェクトを再コンパイルする必要がある場合は、代わりに新しい正規表現オブジェクトを作成することをお勧めします。