【初心者向け】JavaScriptでString.rawを使いこなして、テンプレートリテラルをもっと便利に!


String.rawは、JavaScriptのテンプレートリテラルにおいて、エスケープシーケンスを処理せずに生の文字列を取得するためのメソッドです。テンプレートリテラルは、複数行にわたる文字列や、変数を埋め込んだ文字列を記述する際に便利な機能ですが、エスケープシーケンス(\n\t\\など) を扱う場合に煩雑になることがあります。String.rawを使うことで、このような問題を解決することができます。

String.rawの構文

String.rawには2つの構文があります。

  1. テンプレートリテラルと組み合わせて使用する構文
const path = String.raw`C:\Users\<username>\Documents`;
console.log(path); // 出力: C:\Users\<username>\Documents

この構文では、テンプレートリテラルの最初の引数にString.rawを指定することで、エスケープシーケンスを処理せずに生の文字列を取得することができます。

  1. 単独で使用する構文
const rawString = String.raw`\\n\\tThis is a raw string.`;
console.log(rawString); // 出力: \\n\\tThis is a raw string.

この構文では、String.rawを単独で呼び出し、引数に文字列を渡すことで、生の文字列を取得することができます。

String.rawの利点

  • コードを読みやすく、メンテナンスしやすい
  • テンプレートリテラルにおけるエスケープシーケンスの処理を明確に記述できる
  • エスケープシーケンスを処理せずに生の文字列を取得できる

String.rawの注意点

  • String.rawは、テンプレートリテラルの唯一の組み込みタグ関数です。
  • テンプレートリテラルのバッククォート(````) は、エスケープする必要はありません。

String.rawの使用例

  • JSON形式の文字列の記述
  • 正規表現のパターンの記述
  • ファイルパスの記述

String.rawは、JavaScriptのテンプレートリテラルにおいて、エスケープシーケンスを処理せずに生の文字列を取得するための便利なメソッドです。エスケープシーケンスの処理に煩わしさを感じている場合は、ぜひString.rawを活用してみてください。

  • String.raw以外にも、テンプレートリテラルを操作する方法はいくつかあります。詳細は、MDN Web Docsのテンプレートリテラルに関するドキュメントを参照してください。
  • 本説明は、JavaScriptのバージョンに依存する可能性があります。最新の情報については、MDN Web Docsなどの公式ドキュメントを参照してください。


ファイルパスの記述

const windowsPath = String.raw`C:\Users\<username>\Documents`;
console.log(windowsPath); // 出力: C:\Users\<username>\Documents

このコードでは、String.rawを使用して、バックスラッシュ(\)をエスケープせずに記述することができます。

正規表現のパターンの記述

以下のコードは、正規表現のパターンをString.rawを使用して記述する例です。

const regexPattern = String.raw`^\s*(?:[A-Za-z0-9_]+\s*){2,}\s*$`;
const text = "Hello, World!";
console.log(regexPattern.test(text)); // 出力: true

このコードでは、String.rawを使用して、バックスラッシュ(\)やスペースなどの特殊文字をエスケープせずに記述することができます。

以下のコードは、JSON形式の文字列をString.rawを使用して記述する例です。

const jsonData = String.raw`{
  "name": "John Doe",
  "age": 30,
  "occupation": "Software Engineer"
}`;
const parsedData = JSON.parse(jsonData);
console.log(parsedData.name); // 出力: John Doe

このコードでは、String.rawを使用して、ダブルクォート(") やコロン(:)などの特殊文字をエスケープせずに記述することができます。



String.rawは、テンプレートリテラルにおいてエスケープシーケンスを処理せずに生の文字列を取得できる便利な関数ですが、状況によっては代替手段の方が適切な場合もあります。ここでは、String.rawの代替方法として以下の3つを紹介します。

  1. テンプレートリテラルとエスケープシーケンス
  2. 関数による文字列連結
  3. 正規表現による置換

それぞれの方法について、詳細と具体的な使用例を説明します。

テンプレートリテラルとエスケープシーケンス

最もシンプルで基本的な方法は、テンプレートリテラルとエスケープシーケンスを使用して、必要な文字列を記述する方法です。

const path = `C:\\Users\\${username}\\Documents`;
console.log(path); // 出力: C:\Users\<username>\Documents

この例では、バックスラッシュ(\)をエスケープシーケンス(\\)を使用して、意図したとおりに記述しています。エスケープシーケンスの種類と用途については、以下の表を参照してください。

エスケープシーケンス説明
\\バックスラッシュ
\n改行
\tタブ
\"ダブルクォート
\'シングルクォート

利点

  • コード量が少ない
  • シンプルで分かりやすい

注意点

  • 読みづらくなる場合がある
  • 多くのエスケープシーケンスが必要になる場合、コードが煩雑になる

関数による文字列連結

複数の文字列を連結する必要がある場合は、関数を使用して文字列を連結する方法があります。

function createPath(username) {
  const segments = ["C:", "Users", username, "Documents"];
  return segments.join("\\");
}

const path = createPath("user123");
console.log(path); // 出力: C:\Users\user123\Documents

この例では、createPath関数を使用して、ファイルパスの各部分を配列に格納し、joinメソッドを使用して連結しています。

利点

  • コードをモジュール化できる
  • 複雑な文字列を柔軟に構築できる

注意点

  • 処理速度が遅くなる場合がある
  • 関数を使用するため、コード量が増える

正規表現による置換

エスケープシーケンスを含む文字列を生成する必要がある場合は、正規表現を使用して置換する方法があります。

const text = "C:\\Users\\${username}\\Documents";
const replacedText = text.replace(/\\/g, "\\\\");
console.log(replacedText); // 出力: C:\Users\\\<username>\Documents

この例では、正規表現 /\\/gを使用して、すべてのバックスラッシュ(\)を2つのバックスラッシュ(\\\\)に置換しています。

利点

  • 柔軟な置換が可能
  • 複雑なエスケープ処理を簡潔に記述できる
  • 処理速度が遅くなる場合がある
  • 正規表現の構文が複雑で分かりにくい場合がある