Web開発の常識を超えていく! Djangoのget_language_bidi() 関数で実現する高度な国際化


django.utils.translation.get_language_bidi() 関数は、現在選択されている言語の方向性 (左から右、または右から左) を返します。これは、テキストの表示やレイアウトを正しく行うために重要です。

使い方

この関数は、以下の例のように呼び出すことができます。

from django.utils.translation import get_language_bidi

is_bidi = get_language_bidi()

if is_bidi:
    # 右から左のレイアウトを使用する
    pass
else:
    # 左から右のレイアウトを使用する
    pass

返り値

  • False:現在選択されている言語は左から右の方向性である
  • True:現在選択されている言語は右から左の方向性である

動作原理

この関数は、以下の手順で動作します。

  1. 現在選択されている言語を取得します。
  2. 選択された言語が LANGUAGES_BIDI 設定にリストされているかどうかを確認します。
  3. リストされている場合、True を返します。
  4. リストされていない場合、False を返します。

LANGUAGES_BIDI 設定

LANGUAGES_BIDI 設定は、右から左の方向性を持つ言語のリストを定義します。この設定は、settings.py ファイルで定義できます。

LANGUAGES_BIDI = [
    'ar',
    'fa',
    'he',
    'iw',
    'ur',
    'yi',
]

ar (アラビア語) が現在選択されている言語である場合、get_language_bidi() 関数は True を返します。これは、アラビア語は右から左の方向性を持つ言語であるためです。

  • この関数は、テンプレートやビューコードなど、さまざまな場所で呼び出すことができます。
  • get_language_bidi() 関数は、常に最新の情報に基づいて返り値を計算します。つまり、ユーザーが言語を変更した場合、関数は自動的に新しい言語の方向性を返します。


{% if get_language_bidi %}
    <div dir="rtl">
        {% block content %}
            ...
        {% endblock %}
    </div>
{% else %}
    <div dir="ltr">
        {% block content %}
            ...
        {% endblock %}
    </div>
{% endif %}

このテンプレートは、現在選択されている言語が右から左の方向性である場合、dir="rtl" 属性を持つ div タグを出力します。そうでない場合は、dir="ltr" 属性を持つ div タグを出力します。

例 2: ビューコードで get_language_bidi() 関数を使用する

from django.utils.translation import get_language_bidi

def my_view(request):
    is_bidi = get_language_bidi()

    if is_bidi:
        # 右から左のレイアウトを使用する
        context = {
            'direction': 'rtl',
        }
    else:
        # 左から右のレイアウトを使用する
        context = {
            'direction': 'ltr',
        }

    return render(request, 'my_template.html', context)

このビューは、my_template.html テンプレートに direction というコンテキスト変数を渡します。この変数は、現在選択されている言語の方向性に基づいて設定されます。

例 3: カスタムテンプレートタグを作成する

この例では、get_language_bidi() 関数を使用して、テキストの方向性を決定するカスタムテンプレートタグを作成します。

from django import template

register = template.Library()

@register.simple_tag
def language_direction():
    is_bidi = get_language_bidi()

    if is_bidi:
        return 'rtl'
    else:
        return 'ltr'

このテンプレートタグは、以下の例のようにテンプレート内で使用できます。

<div dir="{{ language_direction }}">
    ...
</div>

このテンプレートは、language_direction テンプレートタグの出力に基づいて、div タグの dir 属性を設定します。



代替方法

  1. django.core.signals.request_started シグナルを使用する

このシグナルは、リクエストが処理される前に送信されます。シグナルハンドラで、現在の言語の方向性を取得することができます。

from django.core.signals import request_started
from django.utils.translation import get_language_bidi

def handle_request_started(sender, **kwargs):
    request = kwargs['request']
    is_bidi = get_language_bidi(request.language)

    # is_bidi を使用して処理を行う

request_started.connect(handle_request_started)
  1. テンプレート内で {% if language %} タグを使用する

このタグを使用して、現在の言語が右から左の方向性かどうかを判断できます。

{% if language == 'ar' or language == 'fa' or language == 'he' or language == 'iw' or language == 'ur' or language == 'yi' %}
    <div dir="rtl">
        ...
    </div>
{% else %}
    <div dir="ltr">
        ...
    </div>
{% endif %}
  1. カスタムロジックを使用する

上記の代替方法が適切でない場合は、カスタムロジックを使用して、現在の言語の方向性を取得することができます。

def get_language_direction(language):
    if language in ['ar', 'fa', 'he', 'iw', 'ur', 'yi']:
        return 'rtl'
    else:
        return 'ltr'

どの方法を選択するべきか

どの方法を選択するかは、状況によって異なります。

  • カスタムロジックを使用する方法は、複雑なロジックを実装する必要がある場合に適しています。
  • {% if language %} タグを使用する方法は、テンプレート内で簡単なロジックを実装する場合に適しています。
  • django.core.signals.request_started シグナルを使用する方法は、リクエスト処理の早い段階で言語の方向性を取得する必要がある場合に適しています。
  • django.utils.translation.get_language_bidi() 関数は、最も簡単で汎用性の高い方法です。
  • カスタムロジックを使用する場合は、すべての右から左の方向性の言語を網羅するようにしてください。
  • 上記の代替方法は、すべて LANGUAGES_BIDI 設定にリストされている言語のみを考慮します。