プログラミング初心者向け: Django で `method_decorator()` を使ってメソッドをデコレートする方法
django.utils.decorators.method_decorator()
は、関数デコレータをメソッドデコレータに変換するためのユーティリティ関数です。メソッドデコレータは、クラスメソッドやインスタンスメソッドをデコレートするために使用されます。
使い方
method_decorator()
を使用するには、デコレートしたいメソッドとオプションの名前を渡すだけです。名前は、デコレートしたいクラスメソッドまたはインスタンスメソッドの名前です。名前を省略すると、現在のメソッドが使用されます。
from django.utils.decorators import method_decorator
@method_decorator(login_required)
def my_view(self, request, *args, **kwargs):
# ...
上記の場合、my_view
メソッドは login_required
デコレータでデコレートされます。これは、メソッドが呼び出される前にユーザーがログインしていることを確認することを意味します。
例
以下は、method_decorator()
を使用してクラスメソッドとインスタンスメソッドをデコレートする例です。
クラスメソッドをデコレートする
from django.utils.decorators import method_decorator
class MyModel(models.Model):
# ...
@method_decorator(validate_email)
@classmethod
def create(cls, **kwargs):
# ...
上記の場合、MyModel.create()
クラスメソッドは validate_email
デコレータでデコレートされます。これは、メソッドが呼び出される前に、kwargs['email']
引数が有効な電子メールアドレスであることを確認することを意味します。
インスタンスメソッドをデコレートする
from django.utils.decorators import method_decorator
class MyModel(models.Model):
# ...
def get_absolute_url(self):
# ...
@method_decorator(cache_page)
def get_absolute_url(self):
# ...
上記の場合、MyModel.get_absolute_url()
インスタンスメソッドは cache_page
デコレータでデコレートされます。これは、メソッドの結果がキャッシュされることを意味します。
利点
method_decorator()
を使用すると、次の利点があります。
- メソッドデコレータは、デコレータの引数を指定するために使用できます。
- メソッドデコレータは、クラスメソッドとインスタンスメソッドの両方をデコレートするために使用できます。
- メソッドデコレータは、関数デコレータよりも読みやすく、理解しやすいです。
method_decorator()
は、Django でメソッドをデコレートするための強力で便利なツールです。クラスメソッドとインスタンスメソッドの両方をデコレートするために使用でき、デコレータの引数を指定するために使用できます。
method_decorator()
は、デコレータの引数を指定するために使用できますが、すべてのデコレータが引数をサポートしているわけではありません。method_decorator()
は、デコレータのネストをサポートしていません。method_decorator()
は、Django 1.7 以降で使用できます。
ログイン必須のビュー
from django.contrib.auth.decorators import login_required
from django.utils.decorators import method_decorator
class MyView(View):
@method_decorator(login_required)
def get(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
@method_decorator(login_required)
def post(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
上記のようにデコレートすることで、MyView
クラスの get
メソッドと post
メソッドは、ユーザーがログインしていない場合はアクセスできなくなります。
キャッシュ付きのインスタンスメソッド
この例では、method_decorator()
を使ってキャッシュデコレータをインスタンスメソッドに適用する方法を示します。
from django.utils.decorators import method_decorator
from functools import cache
class MyModel(models.Model):
# ...
@method_decorator(cache(timeout=60))
def get_absolute_url(self):
# 絶対URLを生成する処理
return f"/{self.id}/"
上記のようにデコレートすることで、MyModel.get_absolute_url()
メソッドの結果は60秒間キャッシュされます。
この例では、method_decorator()
を使ってバリデーションデコレータをクラスメソッドに適用する方法を示します。
from django.core.exceptions import ValidationError
from django.utils.decorators import method_decorator
from functools import wraps
def validate_email(email):
if not re.match(r"^[a-z0-9]+[\._]?[a-z0-9]+[@]\w+[.]\w{2,3}$", email):
raise ValidationError("有効なメールアドレスではありません")
def validate_data(data):
# データのバリデーション処理
pass
@method_decorator(validate_email)
@method_decorator(validate_data)
class MyModel(models.Model):
# ...
@classmethod
def create(cls, **kwargs):
# 新しいレコードを作成する処理
pass
上記のようにデコレートすることで、MyModel.create()
クラスメソッドは、validate_email
デコレータと validate_data
デコレータでデコレートされます。これらのデコレータは、メソッドが呼び出される前に、引数が有効であることを確認します。
- スロットルデコレータを使用してメソッド呼び出しのレートを制限する
- アクセス制御デコレータを使用してメソッドへのアクセスを制限する
- ログデコレータを使用してメソッド呼び出しをログ記録する
これらの例は、method_decorator()
の可能性をさらに示しています。
method_decorator()
は、デコレータの引数を指定するために使用できますが、すべてのデコレータが引数をサポートしているわけではありません。method_decorator()
は、デコレータのネストをサポートしていません。
関数デコレータ
最も基本的な方法は、関数デコレータを使用することです。これは、デコレートしたいメソッドをデコレータ関数でラップするだけです。
from django.contrib.auth.decorators import login_required
def login_required_view(view_func):
@wraps(view_func)
def decorated_view_func(request, *args, **kwargs):
if not request.user.is_authenticated:
return redirect('/login/')
return view_func(request, *args, **kwargs)
return decorated_view_func
@login_required_view
def my_view(request, *args, **kwargs):
# ...
上記の場合、login_required_view
デコレータ関数は、デコレートされたビュー関数が呼び出される前にユーザーがログインしていることを確認します。
Mixin を使用する
もう 1 つの方法は、Mixin を使用することです。Mixin は、共通の機能を提供するクラスです。Django には、ログイン必須のビューを作成するために使用できる LoginRequiredMixin
ミックスインなど、いくつかの組み込みミクスインがあります。
from django.contrib.auth.mixins import LoginRequiredMixin
class MyView(LoginRequiredMixin, View):
def get(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
def post(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
上記の場合、LoginRequiredMixin
ミックスインは、MyView
クラスの get
メソッドと post
メソッドが呼び出される前にユーザーがログインしていることを確認します。
クラスデコレータ
最後に、クラスデコレータを使用することもできます。クラスデコレータは、クラスのメソッドをデコレートするために使用されます。
from django.utils.decorators import class_decorator
from django.contrib.auth.decorators import login_required
@class_decorator(login_required)
class MyView(View):
def get(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
def post(self, request, *args, **kwargs):
# ログイン済みユーザーのみがアクセスできる処理
pass
上記の場合、login_required
デコレータは、MyView
クラスのすべてのメソッドをデコレートします。
どの方法を使用するか
使用する方法は、ニーズによって異なります。
- クラスデコレータは、クラスのすべてのメソッドをデコレートする必要がある場合に役立ちます。
- Mixin は、共通の機能を共有する複数のビューがある場合に役立ちます。
- 関数デコレータは、最も単純な方法ですが、最も柔軟ではありません。
Django でメソッドをデコレートする方法はいくつかあります。どの方法を使用するかは、ニーズによって異なります。