データベースレベルでモデルフィールドのデフォルト値を設定: Django 5.0の新機能
django.db.models.Field.db_default
は、Django 5.0 で導入された新しい機能で、モデルフィールドのデフォルト値をデータベースレベルで設定するためのものです。従来の default
属性とは異なり、db_default
はデータベースに格納される実際のデフォルト値を定義します。
利点
- デフォルト値の変更を容易にします。
- アプリケーションコードを簡潔に保ちやすくなります。
- データベースとの整合性を保ちやすくなります。
使い方
db_default
属性は、モデルフィールドの定義時に設定します。以下の例のように、値を直接指定したり、呼び出し可能なオブジェクトを設定したりできます。
from django.db import models
class MyModel(models.Model):
name = models.CharField(max_length=255, db_default='John Doe')
created_at = models.DateTimeField(db_default=models.functions.now())
default
属性との違い
db_default
属性と従来の default
属性は、以下の点で異なります。
- 優先順位
両方が設定されている場合、default
が優先されます。 - 適用タイミング
db_default
は新しいレコードが作成されるときに適用され、default
は新しいレコードが作成されるときと、save()
メソッドが呼び出されるときに適用されます。 - 設定場所
db_default
はデータベースに格納され、default
はアプリケーションコードに格納されます。
- 既存のデータベーススキーマを変更する場合は、慎重に行う必要があります。
db_default
属性は、データベースがサポートする型のみを使用できます。
db_default
属性は、すべてのデータベースでサポートされているわけではありません。db_default
属性は、Django 5.0 以降でのみ使用できます。
例 1: 単純な値
この例では、name
フィールドのデフォルト値を "John Doe" に設定します。
from django.db import models
class MyModel(models.Model):
name = models.CharField(max_length=255, db_default='John Doe')
例 2: 呼び出し可能なオブジェクト
この例では、created_at
フィールドのデフォルト値を現在時刻に設定します。
from django.db import models
class MyModel(models.Model):
created_at = models.DateTimeField(db_default=models.functions.now())
例 3: カスタム関数
この例では、age
フィールドのデフォルト値をランダムな整數に設定します。
from django.db import models
import random
def random_age():
return random.randint(18, 65)
class MyModel(models.Model):
age = models.IntegerField(db_default=random_age)
例 4: 既存のデータベーススキーマの変更
この例では、既存のデータベーススキーマに db_default
属性を追加する方法を示します。
ALTER TABLE my_app_mymodel
ALTER COLUMN created_at SET DEFAULT NOW();
- 既存のデータベーススキーマを変更する場合は、慎重に行う必要があります。
db_default
属性は、データベースがサポートする型のみを使用できます。
Django の django.db.models.Field.db_default
属性は、モデルフィールドのデフォルト値をデータベースレベルで設定するための便利な機能です。しかし、いくつかの状況では、db_default
の代替方法が必要になる場合があります。
代替方法
以下に、db_default
の代替方法をいくつか紹介します。
default 属性を使用する
default
属性は、モデルフィールドの定義時に設定する従来の方法です。db_default
と異なり、default
はアプリケーションコードに格納されます。
from django.db import models
class MyModel(models.Model):
name = models.CharField(max_length=255, default='John Doe')
シグナルを使用する
シグナルを使用して、新しいレコードが作成されるときにデフォルト値を設定することができます。
from django.db.models.signals import post_save
from django.dispatch import receiver
@receiver(post_save, sender=MyModel)
def set_default_value(sender, instance, created, **kwargs):
if created:
instance.name = 'John Doe'
instance.save()
モデルの save() メソッドをオーバーライドする
モデルの save()
メソッドをオーバーライドして、デフォルト値を設定することができます。
from django.db import models
class MyModel(models.Model):
name = models.CharField(max_length=255)
def save(self, *args, **kwargs):
if not self.name:
self.name = 'John Doe'
super().save(*args, **kwargs)
カスタムバリデーションを使用する
カスタムバリデーションを使用して、デフォルト値を設定することができます。
from django.core.validators import ValidationError
def validate_default_value(value):
if not value:
raise ValidationError('This field cannot be empty.')
class MyModel(models.Model):
name = models.CharField(max_length=255, validators=[validate_default_value])
db_default
を使用する場合は、その利点と制限を理解した上で使用してください。- 状況に合わせて適切な方法を選択してください。
- 上記の代替方法は、それぞれ一長一短があります。