Django: [超解説] InMemoryStorage を含む主要なストレージバックエンド徹底比較


InMemoryStorage の利点

  • スケーラブル
    メモリ容量の許す限り、ファイルを保存できます。
  • シンプル
    設定や管理が簡単です。
  • 高速
    ファイルシステムへのアクセスよりもはるかに高速です。

InMemoryStorage の欠点

  • セキュリティ
    メモリに保存されたファイルは、不正アクセスに対して脆弱です。
  • メモリ使用量
    大量のファイルを保存すると、メモリ容量を大量に消費する可能性があります。
  • 揮発性
    サーバが再起動されると、すべてのファイルが失われます。

InMemoryStorage のユースケース

  • 一時的なアップロード
    ユーザーがアップロードしたファイルを短期間処理する場合。
  • キャッシュ
    静的ファイルや生成されたファイルをキャッシュする場合。
  • テスト
    テスト環境で一時的にファイルを保存する場合。

InMemoryStorage の使用方法

InMemoryStorage を使用するには、まず設定ファイルで DEFAULT_FILE_STORAGE 設定を django.core.files.storage.InMemoryStorage に設定する必要があります。

DEFAULT_FILE_STORAGE = 'django.core.files.storage.InMemoryStorage'

次に、モデルで FileField または ImageField を使用してファイルを保存できます。

class MyModel(models.Model):
    file = models.FileField(storage=InMemoryStorage())
    image = models.ImageField(storage=InMemoryStorage())

ファイルを保存するには、モデルインスタンスのフィールドにファイルを割り当てます。

model = MyModel()
model.file = open('myfile.txt', 'rb')
model.save()

ファイルを保存すると、InMemoryStorage によってメモリ内に保存されます。ファイルをメモリから取得するには、モデルインスタンスのフィールドにアクセスします。

model = MyModel.objects.get(id=1)
with open('myfile.txt', 'wb') as f:
    f.write(model.file.read())

ファイルをメモリから削除するには、モデルインスタンスのフィールドを None に設定します。

model = MyModel.objects.get(id=1)
model.file = None
model.save()
  • 大量のファイルを保存する必要がある場合は、別のストレージバックエンドを使用してください。
  • テストや開発環境でのみ使用してください。
  • InMemoryStorage は、本番環境での使用にはお勧めできません。
  • 詳細については、Django のドキュメントを参照してください。
  • 以前のバージョンの Django を使用している場合は、InMemoryStorage が利用できない場合があります。


設定

DEFAULT_FILE_STORAGE = 'django.core.files.storage.InMemoryStorage'

モデル

class MyModel(models.Model):
    file = models.FileField(storage=InMemoryStorage())
    image = models.ImageField(storage=InMemoryStorage())

ファイルの保存

model = MyModel()
with open('myfile.txt', 'rb') as f:
    model.file.save('myfile.txt', f.read())
model.save()

このコードは、myfile.txt という名前のファイルをメモリに保存します。

ファイルの取得

model = MyModel.objects.get(id=1)
with open('myfile.txt', 'wb') as f:
    f.write(model.file.read())

このコードは、myfile.txt という名前のファイルをメモリから取得し、ハードディスクに保存します。

model = MyModel.objects.get(id=1)
model.file.delete()
model.save()

このコードは、メモリから myfile.txt という名前のファイルを削除します。

  • 静的ファイルや生成されたファイルをキャッシュする
  • ユーザーがアップロードしたファイルを短期間処理する
  • テストで一時ファイルを保存する
  • 大量のファイルを保存する必要がある場合は、別のストレージバックエンドを使用してください。
  • テストや開発環境でのみ使用してください。
  • InMemoryStorage は、本番環境での使用にはお勧めできません。


本番環境でのファイル保存には InMemoryStorage は適していないため、代替となるストレージバックエンドをいくつかご紹介します。

ファイルシステムベースのストレージ

  • FileSystemStorage
    ファイルを任意の場所に保存できます。ネットワークドライブやクラウドストレージにも使用できます。
  • LocalStorage
    ファイルをローカルのディレクトリに保存します。DefaultStorage よりも柔軟性が高く、カスタムディレクトリ構造を使用できます。
  • DefaultStorage
    Django のデフォルトストレージで、最も一般的によく使用されます。ファイルをローカルのファイルシステムに保存します。

クラウドストレージ

  • AzureStorage
    Microsoft Azure を使用してファイルを保存します。
  • GoogleCloudStorage
    Google Cloud Storage を使用してファイルを保存します。Amazon S3 と同様の機能を提供します。
  • AmazonS3Storage
    Amazon S3 を使用してファイルを保存します。スケーラブルで耐久性に優れています。
  • CacheStorage
    ファイルをキャッシュシステムに保存します。静的ファイルや生成されたファイルをキャッシュする場合に適しています。
  • DatabaseStorage
    ファイルをデータベースに保存します。少量のファイルを保存する場合に適しています。

InMemoryStorage の代替ストレージを選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。

  • コスト
    ストレージプロバイダの料金
  • セキュリティ
    ファイルへの不正アクセスを防ぐための対策
  • 耐久性
    ファイルが失われるリスク
  • スケーラビリティ
    将来的にファイルをどれだけ保存する必要があるか
  • パフォーマンス
    ファイルの保存と取得にかかる時間

以下に、各ストレージバックエンドの簡単な比較表を示します。

ストレージバックエンド利点欠点
DefaultStorageシンプル、使いやすい揮発性、セキュリティ面で脆弱
LocalStorage柔軟性が高い、カスタムディレクトリ構造を使用できる複雑さやや増す
FileSystemStorage汎用性が高い、ネットワークドライブやクラウドストレージにも使用できる設定が複雑になる場合がある
AmazonS3Storageスケーラブル、耐久性に優れているコストがかかる
GoogleCloudStorageスケーラブル、耐久性に優れているコストがかかる
AzureStorageスケーラブル、耐久性に優れているコストがかかる
DatabaseStorage少量のファイルを保存する場合に適している大量のファイルを保存するには適していない
CacheStorage静的ファイルや生成されたファイルをキャッシュする場合に適している長期的なファイル保存には適していない
  • 詳細については、それぞれのストレージバックエンドのドキュメントを参照してください。
  • 以前のバージョンの Django を使用している場合は、利用可能なストレージバックエンドが異なる場合があります。