多角形だけじゃない！ 線や点の境界も計算できる Django の gis.geos.GEOSGeometry.boundary
- 幾何学コレクション (GeometryCollection)
- マルチポリゴン (MultiPolygon)
- マルチラインストリング (MultiLineString)
- マルチポイント (MultiPoint)
- 多角形 (Polygon)
- 線形リング (LinearRing)
- 線 (LineString)
- 点 (Point)
gis.geos.GEOSGeometry.boundary メソッドは、以下の引数を取ります。
no_holes: ブール値。True に設定すると、穴 (hole) を含めない境界を計算します。デフォルトは False です。
このメソッドは、GEOS ライブラリの GEOSBoundary 関数を使用して境界を計算します。
gis.geos.GEOSGeometry.boundary メソッドは、以下の様に使用できます。
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# 点 (Point) の境界を計算する
point = GEOSGeometry('POINT(5 10)', srid=4326)
boundary = point.boundary()
# 線 (LineString) の境界を計算する
line = GEOSGeometry('LINESTRING(0 0, 10 0, 10 10)', srid=4326)
boundary = line.boundary()
# 線形リング (LinearRing) の境界を計算する
linear_ring = GEOSGeometry('LINESTRING(0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0)', srid=4326)
boundary = linear_ring.boundary()
# 多角形 (Polygon) の境界を計算する
polygon = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0), (5 5, 7 5, 7 7, 5 7, 5 5))', srid=4326)
boundary = polygon.boundary()
# マルチポイント (MultiPoint) の境界を計算する
multi_point = GEOSGeometry('MULTIPOINT((0 0), (5 10), (10 20))', srid=4326)
boundary = multi_point.boundary()
# マルチラインストリング (MultiLineString) の境界を計算する
multi_line_string = GEOSGeometry('MULTILINESTRING((0 0, 10 0), (5 10, 15 20))', srid=4326)
boundary = multi_line_string.boundary()
# マルチポリゴン (MultiPolygon) の境界を計算する
multi_polygon = GEOSGeometry('MULTIPOLYGON(((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0), (5 5, 7 5, 7 7, 5 7, 5 5)), ((20 20, 30 20, 30 30, 20 30, 20 20)))', srid=4326)
boundary = multi_polygon.boundary()
# 幾何学コレクション (GeometryCollection) の境界を計算する
geometry_collection = GEOSGeometry('GEOMETRYCOLLECTION(POINT(0 0), LINESTRING(0 0, 10 0, 10 10), POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0)))', srid=4326)
boundary = geometry_collection.boundary()
上記の例では、様々な種類の幾何学オブジェクトに対して gis.geos.GEOSGeometry.boundary メソッドを使用し、境界を計算しています。
穴のない多角形の境界を計算する
この例では、穴のない多角形の境界を計算し、その結果を可視化します。
from django.contrib.gis import geos
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from shapely.geometry import asShape
# 穴のない多角形を作成
polygon = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))', srid=4326)
# 境界を計算
boundary = polygon.boundary()
# Shapely オブジェクトに変換
shape = asShape(boundary)
# 可視化
print(shape)
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
LINESTRING (0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0)
穴のある多角形の境界を計算する
from django.contrib.gis import geos
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from shapely.geometry import asShape
# 穴のある多角形を作成
polygon = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0), (5 5, 7 5, 7 7, 5 7, 5 5))', srid=4326)
# 境界を計算
boundary = polygon.boundary(no_holes=True) # 穴を含めない境界を計算
# Shapely オブジェクトに変換
shape = asShape(boundary)
# 可視化
print(shape)
MULTILINESTRING ((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0), (5 5, 7 5, 7 7, 5 7, 5 5))
線の境界を計算する
この例では、線の境界を計算し、その結果を可視化します。
from django.contrib.gis import geos
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from shapely.geometry import asShape
# 線を作成
line = GEOSGeometry('LINESTRING(0 0, 10 0, 10 10)', srid=4326)
# 境界を計算
boundary = line.boundary()
# Shapely オブジェクトに変換
shape = asShape(boundary)
# 可視化
print(shape)
MULTIPOINT (0 0, 10 0, 10 10)
点の境界を計算する
この例では、点の境界を計算します。点には境界がないため、空の GEOSGeometry オブジェクトが返されます。
from django.contrib.gis import geos
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# 点を作成
point = GEOSGeometry('POINT(5 10)', srid=4326)
# 境界を計算
boundary = point.boundary()
# 結果を確認
print(boundary.is_empty)
True
この例では、マルチジオメトリの境界を計算し、その結果を可視化します。
from django.contrib.gis import geos
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from shapely.geometry import asShape
# マルチジオメトリを作成
multi_geometry = GEOSGeometry('MULTIGEOMETRY(POINT(0 0), LINESTRING(0 0, 10 0, 10 10), POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0)))', srid=4326)
# 境界を計算
boundary = multi
Shapely を使用する
Shapely は、Python で空間データを処理するための汎用ライブラリです。Shapely を使用して、以下の方法で境界を計算できます。
geometry.interiorsメソッド: 多角形の場合、穴の境界を計算します。geometry.exteriorメソッド: 多角形の場合、外周のみを計算します。geometry.boundaryメソッド:gis.geos.GEOSGeometry.boundaryメソッドとほぼ同じ機能を提供します。
Shapely の利点は、以下の通りです。
- 多角形の外周のみを計算することができます。
- 穴の境界を個別に計算することができます。
gis.geos.GEOSGeometry.boundaryメソッドよりも高速な場合があります。
- Shapely をインストールする必要があります。
gis.geos.GEOSGeometry.boundaryメソッドほど汎用性が高くない場合があります。
GeoJSON を使用する
GeoJSON は、幾何学データを表現するための JSON 形式のデータフォーマットです。GeoJSON オブジェクトを GeoPandas などのライブラリを使用して読み込み、以下の方法で境界を計算できます。
geometry.interiorsプロパティ: 多角形の場合、穴の境界を計算します。geometry.exteriorプロパティ: 多角形の場合、外周のみを計算します。geometry.boundaryプロパティ:gis.geos.GEOSGeometry.boundaryメソッドとほぼ同じ機能を提供します。
GeoJSON の利点は、以下の通りです。
- 多角形の外周のみを計算することができます。
- 穴の境界を個別に計算することができます。
- 標準的なデータフォーマットなので、他のツールとの連携が容易です。
- GeoPandas などのライブラリをインストールする必要があります。
gis.geos.GEOSGeometry.boundaryメソッドよりも遅くなる場合があります。
カスタムアルゴリズムを使用する
複雑な形状や特殊な要件がある場合は、カスタムアルゴリズムを使用して境界を計算することができます。
カスタムアルゴリズムの利点は、以下の通りです。
- 他の方法よりも高速になる場合があります。
- 特定のニーズに合わせた境界を計算することができます。
- 複雑な形状を処理するのは難しい場合があります。
- 開発とテストに時間がかかる場合があります。
gis.geos.GEOSGeometry.boundary メソッドは、多くの場合、境界を計算するための最良の方法です。しかし、Shapely、GeoJSON、カスタムアルゴリズムなどの代替方法も検討する価値があります。
どの方法を選択するかは、特定のニーズと要件によって異なります。