Before Run API の代替方法: Cypress テストを拡張するためのその他の戦略


Before Run API の仕組み

Before Run API でできること

Before Run API を使用して、以下の操作を実行できます。

  • レポートのカスタマイズ
    テストレポートの外観と内容をカスタマイズできます。
  • カスタムコマンドの作成
    テストで使用できるカスタムコマンドを作成できます。
  • サードパーティライブラリの初期化
    テストで使用するサードパーティライブラリを初期化できます。
  • 環境変数の設定
    テスト実行中に使用される環境変数を設定できます。
  • テストデータのセットアップ
    テストに必要なデータをデータベースから取得したり、ファイルから読み込んだりして、テストデータのセットアップを実行できます。

Before Run API の例

以下の例は、Before Run API を使用してテストデータのセットアップを行う方法を示しています。

// cypress.config.js

const { defineConfig } = require('cypress')

module.exports = defineConfig({
  on: {
    before:run(details) => {
      // データベースからテストデータをフェッチ
      const testData = fetchTestDataFromDatabase()

      // テストデータ詳細をグローバル変数に格納
      global.testData = testData
    },
  },
})

この例では、before:run イベントリスナーが定義されています。このリスナーは、テスト実行前に実行され、データベースからテストデータを取得します。取得したデータは、global.testData というグローバル変数に格納されます。これにより、すべてのテストケースからこのデータにアクセスできます。

Before Run API の注意事項

Before Run API を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • エラー処理を行う
    エラーが発生する可能性があるため、Before Run API 関数内で適切なエラー処理を行う必要があります。
  • 非同期処理を適切に処理する
    Before Run API 関数は非同期的に実行されるため、非同期処理を適切に処理する必要があります。
  • Cypress コマンドは使用できない
    Before Run API 関数内では、cy コマンドを使用できません。これらのコマンドは、テスト実行中にのみ使用できます。

Before Run API の詳細

Before Run API について詳しくは、Cypress ドキュメントを参照してください:

Cypress Plugins は、テストスイートを拡張し、自動化をより強力にするための強力なツールです。Before Run API は、これらのプラグインの重要な部分であり、テスト実行前にさまざまなタスクを実行するために使用できます。



テストデータのセットアップ

この例では、Before Run API を使用して API からテストデータを取得し、グローバル変数に格納する方法を示します。

// cypress.config.js

const { defineConfig } = require('cypress')
const fetch = require('node-fetch') // 追加のライブラリが必要

module.exports = defineConfig({
  on: {
    before:run(details) => {
      // API からテストデータを取得
      fetch('https://my-api.com/test-data')
        .then(response => response.json())
        .then(data => {
          global.testData = data
        })
        .catch(error => {
          console.error('Failed to fetch test data:', error)
        })
    },
  },
})

環境変数の設定

この例では、Before Run API を使用して、テスト実行中に使用される環境変数を設定する方法を示します。

// cypress.config.js

const { defineConfig } = require('cypress')

module.exports = defineConfig({
  on: {
    before:run(details) => {
      // 環境変数を設定
      process.env.API_URL = 'https://my-api.com'
      process.env.AUTH_TOKEN = 'my-secret-token'
    },
  },
})

カスタムコマンドの作成

この例では、Before Run API を使用して、テストで使用できるカスタムコマンドを作成する方法を示します。

// cypress.config.js

const { defineConfig } = require('cypress')

module.exports = defineConfig({
  on: {
    before:run(details) => {
      // カスタムコマンドを作成
      Cypress.Commands.add('login', (username, password) => {
        cy.visit('/login')
        cy.get('#username').type(username)
        cy.get('#password').type(password)
        cy.get('button[type="submit"]').click()
      })
    },
  },
})

レポートのカスタマイズ

この例では、Before Run API を使用して、テストレポートの外観と内容をカスタマイズする方法を示します。

// cypress.config.js

const { defineConfig } = require('cypress')
const { get } = require('lodash') // 追加のライブラリが必要

module.exports = defineConfig({
  on: {
    before:run(details) => {
      // レポートのカスタマイズ
      const baseUrl = get(details, 'config.baseUrl')

      // テストレポートにベースURLを追加
      Cypress.on('report:write', (report) => {
        report.meta.baseUrl = baseUrl
      })
    },
  },
})

これらの例は、Before Run API の使用方法をほんの一例に過ぎません。この強力なツールを使用して、Cypress テストスイートを拡張し、自動化をより強力にすることができます。

  • Cypress のバージョンによって、Before Run API の動作が異なる場合があります。最新の情報については、Cypress ドキュメントを参照してください。
  • 上記の例では、Node.js の fetchlodash ライブラリを使用しています。これらのライブラリはインストールする必要があります。


beforeEach フックは、各テストケースの前に実行される関数です。Before Run API と同様に、テストデータのセットアップ、環境変数の設定、カスタムコマンドの作成など、テスト実行前に必要なタスクを実行するために使用できます。

Before Run API との比較

  • 欠点
    • すべてのテストケースで同じタスクを繰り返し実行する必要がある場合は冗長になる可能性がある
    • Before Run API ほど強力ではない
  • 利点
    • 各テストケースに固有のタスクを実行できる
    • テストケースごとに異なるデータセットを使用できる


beforeEach(() => {
  // テストデータのセットアップ
  const testData = fetchTestDataFromDatabase()
  cy.data('testData', testData)

  // 環境変数の設定
  cy.setEnvironmentVariable('API_URL', 'https://my-api.com')
  cy.setEnvironmentVariable('AUTH_TOKEN', 'my-secret-token')
})

カスタムコマンド

カスタムコマンドは、テストで使用できる再利用可能な関数を定義する方法です。Before Run API と同様に、テストデータの取得、API 呼び出し、要素操作など、さまざまなタスクを実行するために使用できます。

Before Run API との比較

  • 欠点
    • Before Run API ほど強力ではない
    • すべてのテストケースでコマンドを使用する必要があるわけではない
  • 利点
    • テストコードをより簡潔で読みやすくする
    • コードの重複を削減する
    • テストロジックをより論理的に整理できる


// cypress/commands/login.js

Cypress.Commands.add('login', (username, password) => {
  cy.visit('/login')
  cy.get('#username').type(username)
  cy.get('#password').type(password)
  cy.get('button[type="submit"]').click()
})

// 使用例
cy.login('user123', 'password123')

テスト設定ファイル

テスト設定ファイルは、テストスイート全体に適用される設定を定義する方法です。Before Run API と同様に、テストデータの場所、環境変数の値、カスタムコマンドのリストなどを指定するために使用できます。

Before Run API との比較

  • 欠点
    • Before Run API ほど柔軟ではない
    • テストケースごとに異なる設定を指定できない
  • 利点
    • 設定を中央集約的に管理できる
    • テストコードを煩雑化せずに設定を構成できる


// cypress.json

{
  "baseUrl": "https://my-app.com",
  "env": {
    "API_URL": "https://my-api.com",
    "AUTH_TOKEN": "my-secret-token"
  },
  "commands": [
    "cypress/commands/login.js"
  ]
}

Before Run API は、Cypress テストスイートを拡張するための強力なツールですが、必ずしもすべての状況に最適とは限りません。上記で紹介した代替方法は、Before Run API の代わりとして、または Before Run API と組み合わせて使用することができます。

最適な方法は、個々のニーズと要件によって異なります。

  • チームの慣習
  • 設定の変更頻度
  • テストケース間のコードの重複量
  • テストスイートの複雑性