Cypress.sinon vs Chai Spies vs Mockingライブラリ: テストモック徹底比較
主な機能
Cypress.sinon の主な機能は以下のとおりです。
- Chai アサーションとの統合: Sinon と Chai アサーションライブラリを組み合わせることで、より強力なテストを構築できます。
- 柔軟なマッチング: スタブやスパイの呼び出しを検証するための高度なマッチング機能を提供します。
- スパイの作成: 関数が呼び出されたかどうか、およびどのような引数で呼び出されたかを追跡するスパイオブジェクトを作成できます。
- スタブの作成: 特定の関数をシミュレートするスタブオブジェクトを作成できます。
具体的な使用方法
Cypress.sinon の具体的な使用方法としては、以下の例が挙げられます。
例1:スタブを使用して API 呼び出しをシミュレートする
cy.stub(window, 'fetch').resolves({
data: {
message: 'Hello, world!'
}
});
cy.visit('/').then(() => {
// API 呼び出しをトリガーする
cy.get('#button').click();
// 結果を検証する
cy.get('#message').should('contain', 'Hello, world!');
});
この例では、window.fetch
関数をスタブし、常に成功した API 応答を返すように設定しています。これにより、実際の API 呼び出しを行うことなく、テスト対象のコードがどのように応答を処理するかを検証することができます。
例2:スパイを使用して関数の呼び出しを追跡する
const myFunction = () => {
// 何か処理を行う
};
cy.spy(myFunction);
cy.get('#button').click();
// 関数が呼び出されたことを検証する
cy.expect(myFunction).to.have.been.called;
// 関数の引数を検証する
cy.expect(myFunction).to.have.been.calledWith('argument1', 'argument2');
この例では、myFunction
関数をスパイし、呼び出し回数や引数を検証しています。これにより、テスト対象のコードがどのように関数を呼び出しているかを詳細に調べることができます。
Cypress.sinon の利点
Cypress.sinon を使用することで、以下の利点が得られます。
- テストのデバッグを容易にする: スタブやスパイのログ情報を使用して、テストのデバッグを容易にすることができます。
- テストのコード量を削減: スタブやスパイを使用することで、テストのコード量を削減し、より読みやすくすることができます。
- テストの信頼性を向上: テスト対象のコードとの相互作用をシミュレートすることで、テストの信頼性を向上させることができます。
例 1:スタブを使用して API 呼び出しをシミュレートする
この例では、fetch
API 呼び出しをスタブし、常に成功した応答を返すように設定します。
const baseUrl = 'https://api.example.com';
describe('API呼び出し', () => {
it('API 呼び出しが成功することを検証する', () => {
cy.stub(window, 'fetch').resolves({
json: () => Promise.resolve({
message: 'Hello, world!',
}),
});
cy.visit('/').then(() => {
// API 呼び出しをトリガーする
cy.get('#button').click();
// レスポンスを検証する
cy.get('#message').should('contain', 'Hello, world!');
});
});
});
例 2:スパイを使用して関数の呼び出しを追跡する
この例では、myFunction
関数をスパイし、呼び出し回数と引数を検証します。
function myFunction(arg1, arg2) {
// 何か処理を行う
}
describe('関数呼び出し', () => {
it('関数が正しく呼び出されることを検証する', () => {
const myFunctionSpy = cy.spy(myFunction);
cy.get('#button').click();
// 関数が呼び出されたことを検証する
cy.expect(myFunctionSpy).to.have.been.called;
// 関数の引数を検証する
cy.expect(myFunctionSpy).to.have.been.calledWith('argument1', 'argument2');
});
});
この例では、clock
を使用して時間を制御し、非同期処理のテストを行います。
const clock = sinon.useFakeTimers();
describe('非同期処理', () => {
it('非同期処理が完了することを検証する', () => {
const getData = () => {
return new Promise((resolve) => {
setTimeout(() => {
resolve({
message: 'Hello, world!',
});
}, 1000);
});
};
getData().then((data) => {
cy.get('#message').should('contain', data.message);
});
// 1秒経過させる
clock.tick(1000);
});
});
- Cypress.sinon は、Cypress v8.0 以降で使用できます。
以下、Cypress.sinon の代替となる主な方法をいくつか紹介します。
Chai Spies
Chai Spies は、Chai アサーションライブラリに組み込まれたスパイ機能です。Cypress.sinon のスパイ機能と同様の機能を提供しており、より軽量でシンプルです。
const chai = require('chai');
const expect = chai.expect;
describe('関数呼び出し', () => {
it('関数が正しく呼び出されることを検証する', () => {
const myFunction = () => {
// 何か処理を行う
};
const spy = chai.spy(myFunction);
cy.get('#button').click();
// 関数が呼び出されたことを検証する
expect(spy).to.have.been.called;
// 関数の引数を検証する
expect(spy).to.have.been.calledWith('argument1', 'argument2');
});
});
Custom Stubbing
Cypress 自体の機能を使用して、スタブを作成することもできます。これは、よりシンプルなシナリオや、Cypress.sinon で実現できない高度なスタビングが必要な場合に役立ちます。
cy.stub(window, 'fetch').as('fetchData');
cy.visit('/').then(() => {
// API 呼び出しをトリガーする
cy.get('#button').click();
// スタブが呼び出されたことを検証する
cy.expect('@fetchData').to.have.been.called;
// スタブの応答を検証する
cy.expect('@fetchData').to.have.returned({
json: () => Promise.resolve({
message: 'Hello, world!',
}),
});
});
Mocking Libraries
Jest や Mockito などのモックライブラリを使用することもできます。これらのライブラリは、Cypress に限定されず、より汎用的なモック機能を提供します。
手動のアサーション
シンプルなシナリオの場合は、手動のアサーションを使用して、テスト対象のコードの動作を確認することもできます。
どの方法を選択すべきか
どの代替方法を選択すべきかは、テストの要件と個人の好みによって異なります。
- シンプルなシナリオ: 手動のアサーションがおすすめです。
- より高度なスタビング機能が必要: Mocking ライブラリがおすすめです。
- シンプルで軽量な方法: Chai Spies または Custom Stubbing がおすすめです。
- 個人の好み
- テストの複雑性
- テスト対象のコードが Sinon に依存しているかどうか