C++ プログラミング：文字列操作の定番 std::basic_string::copy を徹底解説
std::basic_string::copy 関数は、std::basic_string オブジェクトのサブ文字列を別の文字列オブジェクトまたは C スタイルの文字列配列にコピーするために使用されます。この関数は、文字列の複製、部分文字列の抽出、文字列のフォーマットなど、さまざまな目的に使用できます。
構文
size_type copy(char_t* dest, size_type npos = npos, size_type pos = 0) const;
パラメータ
pos: コピーを開始する位置。デフォルトは 0 (先頭)npos: コピーする文字数の最大値。デフォルトはnpos(最大長)dest: コピー先の文字列オブジェクトまたは C スタイルの文字列配列へのポインタ
戻り値
実際にコピーされた文字数
詳細
nposをcountに指定すると、ソース文字列全体がコピーされます。posがsize()より大きい場合は、std::out_of_range例外がスローされます。- コピーされた文字列は、
destでヌル文字で終端されません。 std::basic_string::copy関数は、ソース文字列のpos番目の文字から始まり、nposまたはsize() - posのいずれか少ない文字をdestにコピーします。
例
std::string str = "Hello, World!";
// 文字列全体を C スタイルの文字列配列にコピー
char buffer[14];
str.copy(buffer);
std::cout << buffer << std::endl; // 出力: Hello, World!
// 部分文字列を別の std::string オブジェクトにコピー
std::string subStr = str.copy(3, 5);
std::cout << subStr << std::endl; // 出力: llo
// 文字列の先頭 5 文字を逆順にコピー
char reversed[6];
for (int i = 0; i < 5; ++i) {
reversed[i] = str[4 - i];
}
reversed[5] = '\0';
std::cout << reversed << std::endl; // 出力: olleH
- ターゲットの文字列オブジェクトが十分な大きさでない場合、バッファオーバーフローが発生する可能性があります。
std::basic_string::copy関数は、ソースとターゲットの文字列オブジェクトが同じである場合、動作が未定義になります。
- 上記の例は、
std::basic_string::copy関数の基本的な使用方法を示しています。より複雑な操作には、この関数の他の機能を組み合わせて使用することができます。 - この関数は、さまざまな文字列処理タスクに使用できる汎用的なツールです。
std::basic_string::copy関数は、効率的な文字列操作を提供するために、C++ 標準ライブラリで提供されています。
文字列全体をコピー
#include <iostream>
#include <string>
int main() {
std::string str = "Hello, World!";
// 文字列全体を別の std::string オブジェクトにコピー
std::string copyStr = str.copy();
std::cout << "コピーされた文字列: " << copyStr << std::endl;
// 文字列全体を C スタイルの文字列配列にコピー
char buffer[14];
str.copy(buffer);
std::cout << "C スタイルの文字列配列: " << buffer << std::endl;
return 0;
}
出力
コピーされた文字列: Hello, World!
C スタイルの文字列配列: Hello, World!
部分文字列をコピー
#include <iostream>
#include <string>
int main() {
std::string str = "Hello, World!";
// 文字列の先頭 5 文字を別の std::string オブジェクトにコピー
std::string subStr = str.copy(0, 5);
std::cout << "先頭 5 文字: " << subStr << std::endl;
// 文字列の最後の 5 文字を C スタイルの文字列配列にコピー
char buffer[6];
str.copy(str.size() - 5, 5, buffer);
buffer[5] = '\0';
std::cout << "最後の 5 文字: " << buffer << std::endl;
return 0;
}
出力
先頭 5 文字: Hello
最後の 5 文字: World
文字列を逆順にコピー
#include <iostream>
#include <string>
int main() {
std::string str = "Hello, World!";
// 文字列を逆順に別の std::string オブジェクトにコピー
std::string reversedStr;
for (int i = str.size() - 1; i >= 0; --i) {
reversedStr += str[i];
}
std::cout << "逆順の文字列: " << reversedStr << std::endl;
// 文字列を逆順に C スタイルの文字列配列にコピー
char buffer[str.size() + 1];
for (int i = 0, j = str.size() - 1; i < str.size(); ++i, --j) {
buffer[i] = str[j];
}
buffer[str.size()] = '\0';
std::cout << "逆順の C スタイル文字列: " << buffer << std::endl;
return 0;
}
出力
逆順の文字列: !dlroW ,olleH
逆順の C スタイル文字列: !dlroW ,olleH
代入演算子
最も単純な方法は、代入演算子を使用して文字列をコピーすることです。
std::string str1 = "Hello, World!";
std::string str2;
str2 = str1; // str2 に str1 の内容をコピー
コンストラクタ
文字列リテラルまたは別の文字列オブジェクトを使用して、新しい std::string オブジェクトを作成することもできます。
std::string str1 = "Hello, World!";
std::string str2(str1); // str2 に str1 の内容をコピー
// または
std::string str3 = str1; // str3 に str1 の内容をコピー
アルゴリズム
C++ 標準ライブラリには、std::copy アルゴリズムなど、文字列をコピーするためのアルゴリズムがいくつか用意されています。
#include <algorithm>
#include <iostream>
#include <string>
int main() {
std::string str1 = "Hello, World!";
std::string str2;
std::copy(str1.begin(), str1.end(), std::back_inserter(str2)); // str2 に str1 の内容をコピー
std::cout << str2 << std::endl;
return 0;
}
イテレータ
ループを使用して、文字列の各文字を手動でコピーすることもできます。
std::string str1 = "Hello, World!";
std::string str2;
for (char c : str1) {
str2 += c;
}
std::cout << str2 << std::endl;
サブ文字列
std::string::substr 関数を使用して、文字列の一部をコピーすることもできます。
std::string str1 = "Hello, World!";
std::string str2 = str1.substr(7, 5); // str2 に "World" をコピー
std::cout << str2 << std::endl;
最適な方法の選択
使用する方法は、状況によって異なります。一般的に、以下の場合は std::basic_string::copy 関数を使用するのが効率的です。
- 頻繁にコピー操作を行う場合
- 短い文字列をコピーする場合
以下の場合は、他の方法を使用する方が効率的である場合があります。
- 柔軟性の高い制御が必要な場合
- 特定の部分文字列のみをコピーする場合
- 長い文字列をコピーする場合