【React Native】onTextLayoutのよくある落とし穴と解決策 - テキスト測定のトラブルシューティング

2025-06-06

Text#onTextLayoutは、React Nativeの<Text>コンポーネントのプロパティの一つです。このプロパティにコールバック関数を渡すことで、テキストが画面にレイアウトされた後にそのレイアウト情報(位置やサイズなど)を取得することができます。

主な用途

  • カスタムなテキスト描画
    テキストの各部分の正確な位置を知る必要があるカスタムな描画を行う場合。
  • テキストの複数行表示の検出
    テキストが一行に収まらず複数行になったことを検出し、それに応じてUIを調整する場合。
  • テキストの動的な調整
    テキストの実際の幅や高さを取得し、それに基づいて他のUI要素の位置を調整したり、フォントサイズを動的に変更したりする場合。

コールバック関数に渡される情報

onTextLayoutに渡すコールバック関数は、単一の引数としてイベントオブジェクトを受け取ります。このイベントオブジェクトは、主に以下の情報を持つnativeEventプロパティを含んでいます。

  • nativeEvent.text: レイアウトされた元のテキスト文字列。

  • nativeEvent.lines:

    • これはテキストがレイアウトされた結果、どのような行に分割されたかを示すオブジェクトの配列です。
    • 各行のオブジェクトは以下の情報を含みます。
      • text: その行に表示されている実際のテキスト文字列。
      • width: その行の幅。
      • height: その行の高さ。
      • x: 親コンポーネントを基準とした、その行の左上隅のX座標。
      • y: 親コンポーネントを基準とした、その行の左上隅のY座標。

使用例

簡単な使用例を以下に示します。

import React, { useState } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet } from 'react-native';

const TextLayoutExample = () => {
  const [textLayoutInfo, setTextLayoutInfo] = useState(null);

  const handleTextLayout = (event) => {
    // レイアウト情報をstateに保存
    setTextLayoutInfo(event.nativeEvent);
    console.log('Text Layout Info:', event.nativeEvent);
  };

  return (
    <View style={styles.container}>
      <Text style={styles.myText} onTextLayout={handleTextLayout}>
        このテキストのレイアウト情報を取得します。これが複数行にわたる場合、各行の情報もわかります。
      </Text>

      {textLayoutInfo && (
        <View style={styles.infoContainer}>
          <Text>--- レイアウト情報 ---</Text>
          <Text>元のテキスト: {textLayoutInfo.text}</Text>
          {textLayoutInfo.lines.map((line, index) => (
            <Text key={index}>
              行 {index + 1}: "{line.text}" (W: {line.width.toFixed(2)}, H: {line.height.toFixed(2)}, X: {line.x.toFixed(2)}, Y: {line.y.toFixed(2)})
            </Text>
          ))}
        </View>
      )}
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  container: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  myText: {
    fontSize: 18,
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'blue',
    padding: 10,
    marginBottom: 20,
  },
  infoContainer: {
    marginTop: 20,
    padding: 10,
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'green',
    width: '100%',
  },
});

export default TextLayoutExample;

この例では、<Text>コンポーネントのonTextLayouthandleTextLayout関数を渡しています。テキストがレイアウトされると、handleTextLayoutが呼び出され、そのレイアウト情報(event.nativeEvent.linesなど)がtextLayoutInfoステートに保存され、画面に表示されます。これにより、テキストが実際にどのように表示されているかをプログラム的に知ることができます。

注意点

  • このプロパティは、テキストのコンテンツが完全に決定され、レンダリング準備ができた後に、その最終的なサイズと位置を把握するために非常に役立ちます。
  • このイベントは非同期に発生するため、イベントが発火するまでに若干の遅延がある場合があります。
  • onTextLayoutは、テキストのレイアウトが完了した後にのみ呼び出されます。そのため、コンポーネントが初回レンダリングされた直後や、テキストの内容、フォントサイズ、またはスタイルが変更されて再レイアウトが必要になった場合に呼び出されます。


onTextLayout が発火しない/期待通りに発火しない

原因

  • numberOfLines の影響
    numberOfLines プロパティを設定している場合、その行数を超えた部分のテキストは表示されません。onTextLayout は表示されている部分のテキストのレイアウト情報しか返さないため、期待するすべての行の情報が得られないことがあります。特に、numberOfLines0 に設定していると、iOSとAndroidで挙動が異なる場合があるという報告もあります。
  • コンポーネントが非表示またはレンダリングされていない
    例えば、条件付きレンダリングによって <Text> コンポーネント自体がレンダリングされていない場合、当然 onTextLayout は発火しません。
  • テキストの内容が変更されていない
    onTextLayout はテキストのレイアウトが実際に変更された場合にのみ発火します。初回レンダリング時、またはテキストの内容、スタイル、コンポーネントのサイズなどが変更された場合にのみ呼び出されます。

トラブルシューティング

  • 隠しテキストでの測定
    Stack Overflow の一部の解決策では、実際に表示するテキストとは別に、height: 0ScrollView 内に同じテキストをレンダリングし、そこで onTextLayout を使って全体のレイアウト情報を取得するという方法が紹介されています。これにより、UIに影響を与えずに正確な測定が可能です。
  • numberOfLines の設定を確認
    全てのテキストのレイアウト情報が必要な場合は、numberOfLines を設定しないか、十分大きな値を設定して、テキスト全体がレンダリングされるようにします。ただし、これがUIに与える影響も考慮する必要があります。
  • console.log でデバッグ
    onTextLayout コールバック関数の内部に console.log('onTextLayout fired!'); を入れて、関数がそもそも呼び出されているかを確認します。また、console.log(event.nativeEvent); でイベントオブジェクトの中身を詳しく確認し、期待する情報が含まれているか確認します。
  • 強制的な再レンダリング
    テキストの内容やスタイルをわずかに変更してみるなどして、コンポーネントの再レンダリングを促し、onTextLayout が発火するか確認します。
// 例: 非表示のTextでレイアウト情報を取得
<View style={{ height: 0, overflow: 'hidden' }}>
  <Text onTextLayout={handleHiddenTextLayout}>
    {myLongText}
  </Text>
</View>

プラットフォーム間の挙動の違い(特に nativeEvent.lines)

原因

  • numberOfLines との組み合わせ
    前述の通り、numberOfLines を設定した場合の挙動がプラットフォーム間で異なるという報告があります。例えば、iOSでは numberOfLines={0} がうまく機能しない、といったケースです。
  • iOSとAndroidのテキストレンダリングエンジンの違い
    テキストのレイアウトロジックはOSによって異なるため、同じテキストでも nativeEvent.lines の各行の幅や高さ、行数などが微妙に異なる場合があります。特に、折り返しや空白の扱いで差が出やすいです。

トラブルシューティング

  • numberOfLines の動的な調整
    もし numberOfLines を利用して「もっと見る/少なく表示」のような機能を実装する場合、初期の numberOfLines の値をプラットフォームによって調整することで、見え方の違いを最小限に抑えられることがあります。
  • プラットフォーム固有の調整
    挙動の違いが大きい場合は、Platform.select を使用して、iOSとAndroidで異なるロジックやスタイルを適用することを検討します。
  • 具体的な値の比較
    両プラットフォームで同じテキストを表示し、onTextLayout で取得した nativeEvent.lines の情報を詳細にログ出力して比較します。

レイアウト情報が更新されない

原因

  • コンポーネントの再マウント
    コンポーネントが完全にアンマウントされ、再マウントされた場合に onTextLayout が発火しないというケースも考えられますが、これは稀です。
  • テキスト以外の要素の変更
    onTextLayout はあくまで <Text> コンポーネント自身のレイアウト情報を提供します。もしテキストコンポーネントを囲む View のサイズが変更されても、テキスト自体のレイアウト(フォントサイズ、内容、スタイルなど)が変わらない限り、onTextLayout は再発火しません。

トラブルシューティング

  • onLayout との組み合わせ
    親の View などで onLayout を使用して全体のレイアウト変更を検出し、それに基づいて Text コンポーネントの状態を更新し、onTextLayout を再発火させるようにすることも可能です。
  • Text コンポーネントの再レンダリングトリガー
    テキストの親コンポーネントのサイズ変更に反応させたい場合は、その変更に応じて Text コンポーネントのキーを変更するなどして、強制的に再レンダリングさせる方法もありますが、これはパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

レイアウト情報が取得できるタイミング

原因

  • 非同期処理
    onTextLayout は、レンダリングサイクル中にテキストの測定が完了した後に非同期で呼び出されます。そのため、コンポーネントがマウントされた直後にはまだ情報がない場合があります。

トラブルシューティング

  • ステートでの管理と条件付きレンダリング
    取得したレイアウト情報をコンポーネントのステートに保存し、その情報が利用可能になるまで、その情報に依存するUI要素のレンダリングを遅らせるか、デフォルト値を表示するようにします。
const [textLayoutInfo, setTextLayoutInfo] = useState(null);

// ...

{textLayoutInfo ? (
  // レイアウト情報に基づいてUIを表示
  <Text>幅: {textLayoutInfo.width}</Text>
) : (
  <Text>ロード中...</Text>
)}

パフォーマンスへの影響

原因

  • 頻繁な更新
    onTextLayout のコールバック関数内で複雑な処理を行ったり、大量のステート更新をトリガーしたりすると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • デバウンス/スロットル
    レイアウトの変更が頻繁に発生する可能性がある場合(例: アニメーション中など)、デバウンスやスロットルを使ってコールバックの実行頻度を制限します。
  • 最適化
    コールバック関数内で必要な処理のみを行い、不要な再レンダリングを避けるために useCallbackReact.memo を使用することを検討します。


テキストの幅と高さを取得する基本的な例

これは最も基本的な使用例で、テキストがレンダリングされた後の正確なサイズ(幅と高さ)を取得します。

import React, { useState } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet } from 'react-native';

const BasicTextLayoutExample = () => {
  const [textDimensions, setTextDimensions] = useState({ width: 0, height: 0 });

  const handleTextLayout = (event) => {
    const { width, height } = event.nativeEvent.lines[0]; // 単一行の場合、最初の行の幅と高さを取得
    // または、複数行の合計の幅と高さが必要な場合は、event.nativeEventから直接取得できる場合がありますが、
    // ここではlines配列から合計する方法を示します。
    let totalWidth = 0;
    let totalHeight = 0;
    event.nativeEvent.lines.forEach(line => {
      totalWidth = Math.max(totalWidth, line.width); // 最も長い行の幅
      totalHeight += line.height; // 全ての行の高さの合計
    });

    // onTextLayoutで得られるイベントオブジェクト自体には、Textコンポーネント全体の幅と高さも含まれます
    // 例えば、event.nativeEvent.text.length とか
    // event.nativeEvent.layout.width, event.nativeEvent.layout.height などは直接取得できないため、
    // lines配列から算出するか、親のonLayoutで取得する必要があります。
    // ここではlinesから算出する例を示します。
    setTextDimensions({ width: totalWidth, height: totalHeight });

    console.log('Text Layout Event:', event.nativeEvent);
    console.log('Calculated Text Width:', totalWidth);
    console.log('Calculated Text Height:', totalHeight);
  };

  return (
    <View style={styles.container}>
      <Text style={styles.measuredText} onTextLayout={handleTextLayout}>
        このテキストの実際の幅と高さを測定します。
        複数行にわたる場合も考慮します。
      </Text>
      <View style={styles.infoBox}>
        <Text>測定されたテキストの幅: {textDimensions.width.toFixed(2)} px</Text>
        <Text>測定されたテキストの高さ: {textDimensions.height.toFixed(2)} px</Text>
      </View>
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  container: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  measuredText: {
    fontSize: 20,
    fontWeight: 'bold',
    backgroundColor: '#e0f7fa',
    padding: 10,
    marginBottom: 20,
    // 幅を制限することで複数行になることを確認
    width: '80%',
  },
  infoBox: {
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'gray',
    padding: 10,
    marginTop: 10,
    backgroundColor: '#fff3e0',
  },
});

export default BasicTextLayoutExample;

「もっと見る」機能を実装する例

テキストが特定の行数を超える場合に、「もっと見る」ボタンを表示し、クリックで全文を展開する機能です。onTextLayout を使って、テキストが本当に切り詰められたかどうかを判断します。

import React, { useState } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet, TouchableOpacity } from 'react-native';

const MoreLessTextExample = ({ initialText, maxLines = 3 }) => {
  const [showFullText, setShowFullText] = useState(false);
  const [isTruncated, setIsTruncated] = useState(false);
  const [textHeight, setTextHeight] = useState(0); // 全テキストの高さ

  const handleTextLayout = (event) => {
    // 表示されている行の数と、全体の行数を比較
    const currentLines = event.nativeEvent.lines.length;
    // Androidでは、numberOfLinesが設定されていても、lines配列に全ての行が含まれる場合があるため、
    // 実際に表示される領域が切り詰められているかをチェックする必要があります。
    // ここではシンプルにmaxLinesとの比較を行います。
    if (currentLines > maxLines) {
      setIsTruncated(true);
    } else {
      setIsTruncated(false);
    }
    
    // 全テキストの合計の高さを計算(後で必要になる場合に備えて)
    let totalHeight = 0;
    event.nativeEvent.lines.forEach(line => {
      totalHeight += line.height;
    });
    setTextHeight(totalHeight);

    console.log('Text Layout (MoreLess):', event.nativeEvent);
    console.log('Is Truncated:', isTruncated);
  };

  return (
    <View style={styles.moreLessContainer}>
      <Text
        style={styles.moreLessText}
        numberOfLines={showFullText ? undefined : maxLines} // 状態に応じて行数を設定
        onTextLayout={handleTextLayout}
      >
        {initialText}
      </Text>
      {isTruncated && (
        <TouchableOpacity onPress={() => setShowFullText(!showFullText)}>
          <Text style={styles.toggleButton}>
            {showFullText ? '閉じる' : 'もっと見る'}
          </Text>
        </TouchableOpacity>
      )}
      {/* 実際に表示されている行数と、本来の行数の差を見たい場合は、
          onTextLayoutのevent.nativeEvent.lines.length と、
          numberOfLines={undefined}にした場合のevent.nativeEvent.lines.lengthを比較します。
          しかし、それは別途非表示のTextコンポーネントで行うのが一般的です。
          ここでは単純に、maxLinesを超えたら「もっと見る」を表示するロジックにしています。
      */}
    </View>
  );
};

const App = () => {
  const longText = "これは非常に長いテキストの例です。React NativeのTextコンポーネントにおけるonTextLayoutプロパティの挙動をデモンストレーションするために使用されます。このテキストは、特定の行数を超えた場合に「もっと見る」ボタンを表示し、全文を展開できるようにします。ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、コンテンツが長すぎるときにのみこのボタンが表示されるようにします。";

  return (
    <View style={styles.appContainer}>
      <MoreLessTextExample initialText={longText} maxLines={3} />
      <MoreLessTextExample initialText="これは短いテキストなので「もっと見る」は表示されません。" maxLines={3} />
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  appContainer: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  moreLessContainer: {
    marginBottom: 20,
    width: '90%',
  },
  moreLessText: {
    fontSize: 16,
    lineHeight: 24,
    color: '#333',
  },
  toggleButton: {
    color: 'blue',
    marginTop: 5,
    fontWeight: 'bold',
  },
});

export default App;

ポイント

  • onTextLayoutevent.nativeEvent.lines.length を確認し、設定した maxLines より実際の行数が多い場合に isTruncatedtrue に設定して「もっと見る」ボタンを表示します。
  • numberOfLines プロパティを showFullText の状態に応じて切り替えることで、表示行数を制御します。

テキストの各行の情報を取得して表示する例

onTextLayout が提供する nativeEvent.lines 配列を利用して、各行のテキスト内容、位置、サイズを詳細に取得し表示します。デバッグやカスタムなテキスト描画に役立ちます。

import React, { useState } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet } from 'react-native';

const LineInfoTextExample = () => {
  const [lineInfo, setLineInfo] = useState([]);

  const handleTextLayout = (event) => {
    setLineInfo(event.nativeEvent.lines);
    console.log('Detailed Line Info:', event.nativeEvent.lines);
  };

  return (
    <View style={styles.container}>
      <Text style={styles.detailText} onTextLayout={handleTextLayout}>
        このテキストは、
        複数行にわたる可能性があります。
        各行がどのようにレイアウトされるかを
        詳細に分析します。
        React NativeのonTextLayoutは、
        このような情報を提供します。
      </Text>

      {lineInfo.length > 0 && (
        <View style={styles.infoBox}>
          <Text style={styles.infoTitle}>--- 各行のレイアウト情報 ---</Text>
          {lineInfo.map((line, index) => (
            <View key={index} style={styles.lineItem}>
              <Text style={styles.lineText}>
                行 {index + 1}: "{line.text}"
              </Text>
              <Text style={styles.lineDetails}>
                W: {line.width.toFixed(2)}, H: {line.height.toFixed(2)}, X: {line.x.toFixed(2)}, Y: {line.y.toFixed(2)}
              </Text>
            </View>
          ))}
        </View>
      )}
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  container: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  detailText: {
    fontSize: 18,
    lineHeight: 28,
    width: '90%', // 幅を制限して複数行に
    backgroundColor: '#ffe0b2',
    padding: 10,
    marginBottom: 20,
    textAlign: 'center', // 中央揃えの場合のX座標の変化に注目
  },
  infoBox: {
    marginTop: 20,
    borderWidth: 1,
    borderColor: '#ccc',
    padding: 10,
    width: '90%',
  },
  infoTitle: {
    fontWeight: 'bold',
    marginBottom: 10,
  },
  lineItem: {
    marginBottom: 5,
    paddingBottom: 5,
    borderBottomWidth: 0.5,
    borderBottomColor: '#eee',
  },
  lineText: {
    fontSize: 14,
    color: '#555',
  },
  lineDetails: {
    fontSize: 12,
    color: '#888',
  },
});

export default LineInfoTextExample;
  • xy は、テキストコンポーネントの左上隅を基準とした相対座標です。textAlign プロパティによって x の値が変わることに注目してください(center なら中央に寄せられる)。
  • event.nativeEvent.lines は、各行に関する詳細な情報(text, width, height, x, y)を含む配列です。


代替方法は、主に以下の2つのカテゴリに分けられます。

  1. ネイティブモジュールやライブラリによる事前測定
    コンポーネントがレンダリングされる前に、JavaScript側でテキストのサイズを正確に測定したい場合に利用します。
  2. 他のReact Nativeのレイアウトイベントを利用
    Text コンポーネントではなく、その親の View コンポーネントなどのレイアウトイベントから情報を推測する方法です。

ネイティブモジュールやライブラリによる事前測定

onTextLayout は非同期であり、テキストがレンダリングされた後にのみ発火します。もし、レンダリング前にテキストのサイズを知る必要がある場合(例:動的なUI調整、アニメーションの事前計算など)、ネイティブモジュールやサードパーティライブラリが有効な代替手段となります。

例: react-native-text-size のようなライブラリを使用する

react-native-text-size は、JavaScript側からネイティブコードを呼び出して、テキストの幅と高さを正確に測定できるライブラリです。これは、Text コンポーネントを実際にレンダリングすることなく測定できる点が大きな利点です。

yarn add react-native-text-size
# または npm install react-native-text-size
# 必要に応じて pod install (iOS) または react-native link (古いRNの場合)

使用例

import React, { useState, useEffect } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet } from 'react-native';
import MeasureText from 'react-native-text-size'; // ライブラリをインポート

const MeasureTextAlternative = () => {
  const [measuredHeight, setMeasuredHeight] = useState(0);
  const targetText = "これはレンダリング前に幅と高さを測定したいテキストです。";

  useEffect(() => {
    const measure = async () => {
      try {
        // テキストの測定
        const result = await MeasureText.measure({
          text: targetText,
          width: 300, // 測定したい最大幅 (重要: これがないと一行の幅しか測定されない)
          fontSize: 16,
          // その他のスタイルプロパティも渡せます
          // fontFamily: 'Roboto',
          // fontWeight: 'bold',
          // lineHeight: 20,
        });

        // 結果は配列で返されるため、通常は最初の要素を取得
        // または、flatHeights を使って複数のテキストの高さのみを一括で取得することも可能
        setMeasuredHeight(result.height);
        console.log('Measured Text Result:', result);
      } catch (error) {
        console.error('Text measurement error:', error);
      }
    };

    measure();
  }, [targetText]); // テキストが変わったら再測定

  return (
    <View style={styles.container}>
      <Text style={styles.originalText}>
        {targetText}
      </Text>
      <View style={styles.infoBox}>
        <Text>事前測定されたテキストの高さ: {measuredHeight.toFixed(2)} px</Text>
        <Text style={{ height: measuredHeight, backgroundColor: '#c8e6c9', borderWidth: 1, borderColor: 'green' }}>
          {/* 測定された高さに合わせてViewをレンダリングする例 */}
          {measuredHeight > 0 ? '高さが設定されました' : '測定中...'}
        </Text>
      </View>
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  container: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  originalText: {
    fontSize: 16,
    width: 300, // onTextLayoutの測定時と同じ幅を適用
    backgroundColor: '#e3f2fd',
    padding: 10,
    marginBottom: 20,
  },
  infoBox: {
    marginTop: 20,
    padding: 10,
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'orange',
    width: '90%',
  },
});

export default MeasureTextAlternative;

この方法の利点

  • 複雑なレイアウト計算
    テキストのサイズに基づいて他の要素を配置するような、より複雑なレイアウト計算に適しています。
  • UIのちらつき防止
    レイアウトの再計算によるUIのちらつきを減らせる可能性があります。
  • 事前測定
    テキストを実際にレンダリングする前にサイズ情報を取得できます。

注意点

  • ネイティブコードへのブリッジを介するため、パフォーマンス上のオーバーヘッドがわずかに発生する可能性があります(ただし、ほとんどのユースケースでは無視できるレベルです)。
  • サードパーティライブラリの導入が必要です。

他のReact Nativeのレイアウトイベントを利用

これは厳密には Text#onTextLayout の代替ではありませんが、テキストの高さや幅が固定されている、またはおおよそ予測できる場合に、親の View コンポーネントの onLayout イベントなどから情報を推測する方法です。

例: 親 ViewonLayout を利用する

テキストのフォントサイズや行数が固定されている場合、そのテキストが占めるであろう親の View の領域の onLayout イベントを利用して、全体のサイズを取得できます。これは、テキストの詳細な行ごとの情報が必要ない場合にシンプルに実装できます。

import React, { useState } from 'react';
import { View, Text, StyleSheet } from 'react-native';

const ParentLayoutExample = () => {
  const [viewDimensions, setViewDimensions] = useState({ width: 0, height: 0 });

  const handleViewLayout = (event) => {
    const { width, height } = event.nativeEvent.layout;
    setViewDimensions({ width, height });
    console.log('Parent View Layout Info:', event.nativeEvent.layout);
  };

  return (
    <View style={styles.container}>
      {/* テキストを囲むViewにonLayoutを設定 */}
      <View style={styles.textViewWrapper} onLayout={handleViewLayout}>
        <Text style={styles.fixedText}>
          このテキストは、
          親のViewのレイアウトからサイズを推測します。
          テキスト自体のonTextLayoutは使用しません。
        </Text>
      </View>
      <View style={styles.infoBox}>
        <Text>親Viewから測定された幅: {viewDimensions.width.toFixed(2)} px</Text>
        <Text>親Viewから測定された高さ: {viewDimensions.height.toFixed(2)} px</Text>
      </View>
    </View>
  );
};

const styles = StyleSheet.create({
  container: {
    flex: 1,
    justifyContent: 'center',
    alignItems: 'center',
    padding: 20,
  },
  textViewWrapper: {
    backgroundColor: '#fbe9e7',
    padding: 10,
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'red',
    width: '80%', // 親Viewの幅を制限
    marginBottom: 20,
  },
  fixedText: {
    fontSize: 16,
    lineHeight: 24, // 固定の行高を設定
    // numberOfLines: 3, // 必要に応じて行数を固定
  },
  infoBox: {
    marginTop: 20,
    padding: 10,
    borderWidth: 1,
    borderColor: 'purple',
    width: '90%',
  },
});

export default ParentLayoutExample;

この方法の利点

  • シンプルなケースでは十分な情報を提供できます。
  • 追加のライブラリは不要です。

注意点

  • テキストの内容やフォントサイズが動的に変更され、それに合わせて Text コンポーネント自体のレイアウトが変わるような場合、親の ViewonLayout だけでは不十分です。
  • この方法では、Text コンポーネントが実際にどのように改行され、各行がどのようなサイズになったかという詳細な情報は得られません。

テキストの文字列長に基づいて大まかな高さを予測する

非常に簡易的な方法ですが、テキストの文字数や単語数からおおよその行数と高さを予測するアプローチです。これは、非常に大まかなレイアウトやプレースホルダーの計算にのみ適しています。


const calculateEstimatedHeight = (text, fontSize, lineHeight, containerWidth) => {
  // 非常に大まかな計算
  // 1文字あたりの平均幅を推測 (fontSizeに比例すると仮定)
  const charWidth = fontSize * 0.6; // 経験的な値
  const charsPerLine = Math.floor(containerWidth / charWidth);
  if (charsPerLine === 0) return lineHeight; // 0除算防止

  const estimatedLines = Math.ceil(text.length / charsPerLine);
  return estimatedLines * lineHeight;
};

// 使用時
const estimatedHeight = calculateEstimatedHeight(myText, 16, 24, screenWidth * 0.8);

この方法の利点

  • ネイティブモジュールも onTextLayout も不要です。
  • 完全に同期的に計算できます。
  • あくまで「予測」であり、実際のレイアウトとは異なることがほとんどです。
  • 非常に不正確です。 フォント、文字の種類(全角/半角、絵文字)、スペーシング、改行位置などによって大きく変動します。