【保存版】Qt WidgetsでWizardページを非表示にする際の必須テクニック! 〜 cleanupPage()を使いこなそう 〜
QWizardPage::cleanupPage()
は、Qt WidgetsライブラリにおけるQWizardPageクラスの仮想関数であり、ウィザードページが非表示になった際に呼び出されます。この関数は、ページ上のウィジェットの状態を初期化し、次のページに進む準備をする役割を担います。
役割
cleanupPage()
は、以下の役割を担います。
- 次のページへの遷移準備
- フォームのバリデーションステータスのリセット
- ユーザーが入力したデータのクリア
実装
cleanupPage()
関数の基本的な実装は、以下の通りです。
void QWizardPage::cleanupPage()
{
// ユーザーが入力したデータのクリア
for (const QString &name : fields()) {
setField(name, QVariant());
}
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
// 次のページへの遷移準備
// ...
}
上記の実装例では、まずfields()
関数を使用してページ上のすべてのフィールド名をループし、setField()
関数を使用して各フィールドの値をQVariant()
にリセットしています。次に、setIsValid(true)
関数を使用してフォームのバリデーションステータスを有効な状態にリセットしています。最後に、必要に応じて次のページへの遷移準備を行う処理を追加します。
具体的な例
以下は、cleanupPage()
関数を実装する具体的な例です。この例では、ユーザーが名前とメールアドレスを入力するフォームを想定しています。
void MyWizardPage::cleanupPage()
{
// ユーザーが入力したデータのクリア
setField("name", QVariant());
setField("email", QVariant());
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
// 次のページへの遷移準備
if (isComplete()) {
wizard()->setNextId(nextPageId);
}
}
この例では、setField()
関数を使用してname
フィールドとemail
フィールドの値をQVariant()
にリセットしています。次に、setIsValid(true)
関数を使用してフォームのバリデーションステータスを有効な状態にリセットしています。最後に、isComplete()
関数を使用してフォームの入力内容が完了しているかどうかを確認し、完了している場合はwizard()->setNextId(nextPageId)
関数を使用して次のページに遷移するようにしています。
void MyWizardPage::cleanupPage()
{
// ユーザーが入力したデータのクリア
for (const QString &name : fields()) {
setField(name, QVariant());
}
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
}
例 2: 次のページへの遷移
void MyWizardPage::cleanupPage()
{
// ユーザーが入力したデータのクリア
for (const QString &name : fields()) {
setField(name, QVariant());
}
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
// 次のページへの遷移準備
if (isComplete()) {
wizard()->setNextId(nextPageId);
}
}
例 3: 特定のフィールドのみをクリア
void MyWizardPage::cleanupPage()
{
// 特定のフィールドのみをクリア
setField("name", QVariant());
setField("email", QVariant());
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
}
例 4: カスタム処理の実行
void MyWizardPage::cleanupPage()
{
// ユーザーが入力したデータのクリア
for (const QString &name : fields()) {
setField(name, QVariant());
}
// フォームのバリデーションステータスのリセット
setIsValid(true);
// 次のページへの遷移準備
if (isComplete()) {
wizard()->setNextId(nextPageId);
}
// カスタム処理の実行
logMessage("ページ " + QString::number(wizard()->currentPage()) + " が非表示になりました。");
}
上記はほんの一例であり、具体的な実装は各ページの要件に応じて行う必要があります。
logMessage()
関数は、デバッグメッセージを出力するために使用できます。wizard()->setNextId()
関数を使用して、次のページに遷移できます。isComplete()
関数を使用して、フォームの入力内容が完了しているかどうかを確認できます。setIsValid()
関数を使用して、フォームのバリデーションステータスを設定できます。setField()
関数を使用して、フィールドの値をQVariant()
にリセットできます。
QWizardPage::registerField() 関数を使用する
QWizardPage::registerField()
関数を使用すると、ページ上のフィールドにコールバック関数を登録できます。このコールバック関数は、ページが非表示になった際に自動的に呼び出され、フィールドの状態を初期化することができます。
void MyWizardPage::initializePage()
{
// フィールドにコールバック関数を登録
registerField("name", this, &MyWizardPage::clearNameField);
registerField("email", this, &MyWizardPage::clearEmailField);
}
void MyWizardPage::clearNameField()
{
setField("name", QVariant());
}
void MyWizardPage::clearEmailField()
{
setField("email", QVariant());
}
上記のように、registerField()
関数を使用して各フィールドに個別のコールバック関数を登録することができます。
QWizard::nextId() 関数を使用する
QWizard::nextId()
関数を使用して、次のページに遷移する際に、現在のページの状態をリセットする処理を実行できます。
void MyWizard::next()
{
// 現在のページの状態をリセット
currentPage()->resetFieldState();
// 次のページに遷移
setNextId(nextPageId);
}
上記のように、next()
関数をオーバーライドして、currentPage()->resetFieldState()
関数を呼び出すことで、現在のページの状態をリセットすることができます。
カスタムシグナルを使用する
カスタムシグナルを作成し、ページが非表示になった際にそのシグナルをemitすることができます。このシグナルを接続したスロット内で、ページの状態をリセットする処理を実行できます。
class MyWizardPage : public QWizardPage
{
public:
Q_SIGNALS:
void pageHidden();
protected:
virtual void cleanupPage() override
{
emit pageHidden();
}
};
void MyWizard::initialize()
{
connect(currentPage(), &MyWizardPage::pageHidden, this, &MyWizard::resetPageState);
}
void MyWizard::resetPageState()
{
// ページの状態をリセット
currentPage()->resetFieldState();
}
上記のように、カスタムシグナルを作成し、pageHidden()
シグナルをemitすることで、ページが非表示になった際に状態をリセットすることができます。
QWizardPage::cleanupPage()
関数は、ウィザードページが非表示になった際にページの状態を初期化するための便利な関数ですが、必ずしもこの関数を使用する必要はありません。上記のような代替方法も検討することができます。
- どの方法を使用する場合でも、ページの状態が正しく初期化されていることを確認する必要があります。
- 使用する方法は、プロジェクトの要件や開発者の好みによって異なります。
- 上記の代替方法は、それぞれメリットとデメリットがあります。